【キャリア相談】権力を握っている人物(46歳・会社員)
東京都にお住いの46歳の男性会社員Iさんから頂いた相談を紹介します。
そこで今回は、Iさんのキャリア相談「権力を握っている人物」を頂戴して、「権力を握っている人物」を「楽しみに変えるチャンス」にしたいと思います。
【私ならこうする】
人間集団は(それが国家であれ、諸団体であれ、会社であれ)権力を握る人がいます。
アメリカの政府系情報機関CIAは他国の動静把握のため、
常に「重要人物の順位付け」を極秘に調査しているのは有名な話です。
調査項目は次の3つと言われています。
①人事権を持っているのは誰だ
②予算統制権を持っているのは誰だ
③重要決定事項に対する拒否権を持っているのは誰だ
1人で3つの権力を全て握っている独裁型の場合もありますが、
3つの権力が分散している場合、③を握っている人物が最高権力者であることが分かります。
会社の関所と化したCFO
組織にとって困るのは、
「1つの職能の経験しかない狭い視野の人物がたまたま(運よく)上の人に引き上げられてCFOやCHO(最高人事責任者)になり全社の①か②の権限を握ってしまう」ことです。
組織にとって最悪なのは、
「その人物が権力や狭い業務知識を振りかざして組織をコントロールしようとする」ことです。
ご相談内容から、この会社の案件が起案・承認のルートは、次のようになっていると考えられます。
CEO←(チェック機能が働かないCOO)←CFO←(以下CTO、CHO、CMO、CIOは同格)
予算統制権を握ったCFOが会社の関所と化した場合、
「CFOに持ち込まれる社内のあらゆる案件が、「目の前のコストと収益に敏感」な彼のふるいにかけられる」という喜劇が起こります。
喜劇が悲劇を生み出す
どんな悲劇が起こるのか?
会社に2つの問題が起こっていると思います。
【組織機能の不全】
会社にとって最重要な情報や課題(「社員のモチベーションや育成戦略」「顧客のニーズ」「次の技術開発やシステム開発」)がタイムリーにCEOまで届かない。
その結果、組織の重要な情報や課題が組織のヒエラルキーに埋没して機能不全となる。
【優秀な人材の喪失】
やる気を失ったCTO、CHO、CMO、CIOが退任する。
その連鎖は細部に至り、多くの社員のモチベーションはダウンし、優秀な社員は退社する。
会社のためにCEOに相談する
アナタがやるべきことは、
アナタと同じ立場におかれているCHO、CMO、CIOとベクトル合わせをした上で、
CEOに次の2点を提案することです。
①現状と上記の問題点を伝え、
CFOとCHO、CMO、CIOを同格にしてCEOとのパイプを強化すること。
②COOの意識改革をCEOの責任において実行すること。
大事なことは、
アナタが「会社のため」という強い信念を持ってCEOに向き合うことです。
会社の将来にとって、アナタの将来にとって1つのプラスももたらさないのは、
アナタが「自分の保身のため」、現実に目をつむり、だんまりを決め込むことです。
ぜひ輝く未来に目を向けてください。
アナタの輝く未来のために!