【お題拝借】自分の仕事に美を掛け合わせる(50歳・会社員)
岡山市にお住いの50歳の会社員Nさんから頂いたお題を紹介します。
そこで今回は、Nさんから頂いたお題「アート×キャリアコンサルタント」を拝借して、「自分の仕事に美を掛け合わせる」を「未来を輝かせるツール」に変えたいと思います。
【私ならこうする】
今回のテーマ「仕事に美を掛け合わせる」の「美」とは何か?
広辞苑で「美」の意味を調べると次のように出ています。
①うつくしいこと。うつくしさ。
②よいこと。りっぱなこと。
③【哲】
知覚・感覚・情感を刺激して内的快感をひきおこすもの。
「快」が生理的・個人的・偶然的・主観的であるのに対して、
「美」は個人的利害関心から一応解放され、より普遍的・必然的・客観的・社会的である。
私は「美」の3番目の解釈を前提に、
「美意識」とは、
・どうしたら人の知覚・感覚・情感を刺激して内的快感を引き起こすことが
出来るか?
・どうしたら人の心の中にある個人的利害関心を解放することが出来るか?
について関心を持つ意識。
と自分なりの解釈をしています。
「美」の世界を旅する
「美」の概念について企業人の多く(私も含めて)が再認識したのは、
2008年に ハーバードビジネスレビュー に掲載された
「The MFA is the new MBA」の記事ではないかと思います。
この記事には次のようなことが書かれていました。
「欧州で好業績を出しているグローバル企業では、MBAで学ぶ論理的分析スキルより、MFA(美術学修士)で学ぶ 直観的で感覚的なコンセプチュアルなスキルの重要性が高まっている」と。
また同じ頃 世界的ベストセラーになった ダニエル・ピンク氏 の著書
「ハイコンセプト」には次のようなことが書かれていました。
「アメリカではMFA(美術学修士)がMBAに代わる価値ある資格になりつつある」と。
ちなみにダニエル・ピンク氏が著書「ハイコンセプト」で言うところの
ハイコンセプトとは、
新しい時代を切り開いていくために必須の次の4つの力を指します。
①パターンやチャンスを見出す能力
②芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力
③人を納得させる話のできる能力
④一見ばらばらな概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力
アート/絵に触れる、哲学を学ぶ
では、
①どうしたら人の知覚・感覚・情感を刺激して内的快感を引き起こすことが出来るのか?
②どうしたら人の心の中にある個人的利害関心を解放することが出来るのか?
そして、
この2つの哲学的命題に立ち向かう能力を身に付ける“手立て”があるとすればそれは何か?
この難題について、自宅の書斎にある書籍や資料をひっくり返して出てきた
ヒントらしきものを以下にご紹介します。
(1)2001年に発表されたエール大学の論文から
「人は アート に触れることで 観察力 が向上することを証明」
(2)書籍「名画を見る眼」(高階秀爾 著作)のあとがきから
「私は自分の経験から言って、先輩の導きや先人たちの研究に教えられて、同じ 絵 を見てもそれまで 見えなかったものが忽然として見えてくる ようになり、眼を洗われる思いをしたことが何度もある」
(3)コンサルタント山口周氏の講演録から
「17世紀以来、欧州の名門校のエリート育成の一環として、物を捉える美意識 を養うために、理系・文系を問わず、哲学 を学ぶことが必須になっている」
哲学的命題に哲学で立ち向かう
山口氏の言葉に触発されて、アメリカの ハーバード大学 の ホームページ
から 同大学の哲学科コースの紹介を覗いてみました。
少し長くなりますが、以下に全文をご紹介します。
(チャットGPTの翻訳に、若干こなれていない訳の箇所がありますが)
【ようこそ】
哲学科へようこそ!
学部での専攻として哲学を考えている方も、個人的な興味から副専攻として哲学を学ぼうとしている方も、当学科が皆様にとって歓迎され、刺激的な場所であることを願っています。
【哲学とは何か?】
哲学は人類の根本的な問いを研究します:どのように生きるべきか、どのような社会を目指すべきか、人間の知識にはどんな限界があるのか?真実とは何か?正義とは?美とは?これらの問いは私たちの生活の中心にあり、多くのことを行う際、少なくとも暗黙のうちにそれらに対する答えを前提としています。哲学はこれらの問いに対し、系統的で明確かつ厳密な方法で反省し、答えを見つけようとします。
注意深い論証に頼り、経済学、文学、宗教、法学、数学、自然科学、心理学などの多様な外部分野からも引き出しを行います。そして、多くの哲学の伝統は西洋にありますが、私たちはイスラム教や仏教などの非西洋の伝統ともつながりを持とうとしています。哲学は最も抽象的なレベルでだけ機能するわけではありません。私たちはしばしば、授業の中でより具体的な問題を探求します。
人種とは何か、そして人種に関して正義は何を求めるのか?
ジェンダーとは何か?
社会における技術によって引き起こされる倫理的問題は何か?
罰はいつ、なぜ正当化されるのか?
量子力学をどのように解釈すべきか?
言語は自己や社会の構成にどのように関与するのか?
自然的および社会的事実のようなさまざまな種類の事実は、どのような意味で客観的なのか?
心はコンピューターと見なすのが最適なのか?
気候変動の倫理的課題は何か?
哲学的な問いはどこにでもあります。もしこれらの問いに引かれるなら、大学で哲学を学ぶことはそれらに深く取り組むための人生で最良の機会となる可能性があります。実際、多くの専攻学生は、他の学問分野で学際的または基礎的な問いに出会い、それが哲学的な反省を通じてしか対処できないことから、哲学に進むことになります。
そして、学科の小規模なため、専攻学生は自分の分野のトップに立つ熱心な教員と密接に関わるという貴重な機会を持つことができます。
【哲学と卒業後のキャリア】
哲学に集中することは、大学院に進学して学者になるだけでなく、さまざまな分野でのキャリアに進むことができます。私たちの多くの専攻学生は、学界以外のさまざまな分野でキャリアを築いています。哲学は、問題を考え抜き、最初から明らかではない解決策を策定し、それを正確に伝える能力が求められるあらゆるキャリアに役立ちます。
以下のリンクをご覧ください。
Philosophy Is a Great Major
Teaching kids philosophy makes them smarter in math and English
Philosophy's popularity soars
Why philosophy majors rule
National Association of Colleges and Employers Report on salaries of philosophy graduates
以上、長文にお付き合いいただきありがとうございました。
何かの参考になれば幸いです。
アナタの輝く未来のために!
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