故人との思い出。
八年前の今日亡くなった弟を思い出すとき、彼の好物である「納豆巻き」を一緒に思い出す。
弟が33歳という若さで急逝した2015年。
私は39歳だった
弟との思い出といえば、彼が小学生の頃。
いそがしい両親に代わり私が親代行として、
授業参観に出向いた年があった。
あの頃の彼はマシュルームカットのお坊ちゃん風で、笑うとエクボが出来る。
授業参観に出向いた私を見つけた彼の笑顔も、
エクボ顔だった。
「おねえちゃん、クラスの女子が可愛いおねえちゃんだねって!」
笑顔で駆け寄る元気な弟を微笑ましくみていた私は、たぶん学生だったんじゃないかな。
そして無邪気な笑顔で私を慕う弟との思い出も、
彼が小学生くらいまでだったと思う。
実は昨年まで弟の命日が来ると一年分の涙を搾り出すかのように、半日は泣いていた。
今年は何故か、さほど涙が出ない。
八年も経つと、故人を想う涙も枯れ果てるのだろうか。
弟が亡くなって一年たった今日も沖縄は寒かった。
本島北部では数十年ぶりの雪が降ったニュースが流れてきたのが印象的だ。
弟が寒い時期に亡くなったことに対して、
常夏の島に暮らすものとしては幸いに思う。
もし彼が夏に亡くなっていたとしたら、
年がら年中、弟との思い出をあちらこちらに見つけては涙していたかも知れない。
とびきり寒い祥月命日。
鮮やかな花を選んで墓参りに行きたいと思う。
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