第70期王将戦に向けてー藤井聡太三冠への道ーを振り返って

第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦も残すはプレーオフのみとなった。豊島将之竜王か永瀬拓矢王座か。どちらにしても渡辺明名人にとっては、手強い挑戦者となるであろう。

このnoteでの最初の投稿にあたり、藤井聡太二冠が今年度中に三冠になるにはという事で、その条件と難しさについて述べた。果たしてその結果はご承知の通り、3勝3敗ではあるがリーグ陥落となり、来期は二次予選からの出場となった。

3勝3敗の星勘定は、2年前の豊島将之二冠と同じではある。が、豊島将之二冠はリーグ最終戦でも挑戦の目を残し、対して藤井聡太二冠は出だしから3連敗と早々に挑戦者争いから脱落。最終戦も残留もしくは陥落という瀬戸際での対局であった。つまり、同じ星勘定でも差があることは否めない。結果、2年前の豊島将之二冠にはまだ追いつけていないという事になろうか。

今年度、残りの棋戦は以下の通りである。

①年度内に結果が出る棋戦

公式棋戦:順位戦(B級2組で現在6連勝中)

一般棋戦:NHK杯(明後日木村一基九段と本戦3回戦の収録放送)・銀河戦(来週の火曜日に永瀬拓矢王座と決勝T2回戦の収録放送)・朝日杯(シードのため本戦1回戦より登場)

②来年度に向けての今年度から予選が始まると思われる棋戦

公式棋戦:竜王戦(2組ランキング戦1回戦で阿久津主税八段と対局し、2回戦は広瀬章人八段とあたる)・叡王戦(八段戦2回戦で長沼洋八段と対局)

ちなみに、2年前の豊島将之二冠は第68期王将戦の挑戦者を逃した後の年度内の対局を確認すると、

順位戦(A級で8勝1敗として名人戦の挑戦者となり、次年度に佐藤天彦名人に勝利し名人を含め三冠となる)・竜王戦(1組ランキング戦1回戦で三浦弘行九段に勝利するも、2回戦で渡辺明二冠に敗れる。しかし次年度4位決定戦・本戦を勝ち抜いて挑戦者となり、広瀬章人竜王に勝利し竜王名人となる)

NHK杯(準々決勝で羽生善治九段に敗れる)・朝日杯(二次予選1回戦で北浜健介八段に敗れる)

となる。年度内で終わる一般棋戦では目立った成績を残しているとは言い難いが、次年度に向けたタイトル獲得への布石を着々と打っていたという事になる。

勿論、藤井聡太二冠にも来年度の布石のために貯力してほしいという気持ちはあるものの、年度内の一般棋戦で年度内有終の美を飾ってほしい。欲張りではある事は重々承知しているが、このままリーグ陥落という結果で以降も芳しくないというので終わってほしくない。二冠獲得は勿論凄い事ではあると思うが、勝負の世界止まっていては、後ろに流されるだけなので、ひたすら邁進続けるしかない。


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