鋸山に行って来たよ-14
これまでのお話
ハイキングも終えてたので、とりあえず宿へと歩く。行きとは違って道に人気はない。線路もあったなんて知らなかった。
15時過ぎに宿に到着したけど、このまま部屋に行ってもやることもないから夕食の下調べを兼ねて港に行くことにしよう。
駅を通って行こうと思ったけど、たぁは逆だと言う。
そういえば宿のおばちゃんと話をした時、彼女は道の反対側をさしていたような。ここは素直に従ってみよう。
車道にでると山から見えた海景色が目の前に広がった。結構車が通るので道の端を歩いていると船が見えていて、いかにも漁師の町といった雰囲気。
道にはちらほらとお店があり、さらに歩き続けるとガストがあった。
「いいお店が見つからなかったら最悪ここでいいね」
「うん」
漁港の町、どこでもおいしいものにありつける気がするけど、たぁはニュージーランド人。昔ながらの日本食が口に合わず、郷土料理屋に入りたくても難しいが常。片方が行きたくても片方がいい思いをしないのならば行かないほうが仲良くやっていける。
コンビニどこだろう?
事前調べではこの道沿いにコンビニがあるはず。明日のランチはそこで買うつもりだから、とりあえず場所だけは知っておきたいと思ったら、気持ちが通じたようにセブンイレブンが見えた。
東京生まれ、東京育ち、主要コンビニがあるないで気持ちの持ちようが大きく変わる。
その隣にガソリンスタンドがあり、向かいに寿司屋があった。
あっ、ここだ。
ググった時に見つけた評価が高い回転寿司、寿司はたぁの大好物である。
窓に貼られたポスターによるとテイクアウトもやっているみたい。どれもこれもおいしそうだ。
レーンないな。
ここは回転寿司だと思ったけど外からではレーンらしきものは見つからず、テーブルがいくつも並んでる。
寿司屋だと思ったけど、お寿司も提供するレストランなのかな?
15時過ぎ、昼食とも夕食ともいえない時間なのに結構混み合っている。
「ここはいい感じだよね」
「うん」
よかった、たぁからの同意が得られた。
「とりあえず別も見に行ってみる?」
「うん」
グーグルマップで見た場所を歩いてなんだか地図のおさらいをしているみたい。道の向かいにあるどんぶりメインのお店は地元のお客さんが多く利用しそうな感じ。
「こっちもいいね」
たぁが乗り気になってきて嬉しい。
その隣は魚屋さんでアジやイカが干してあって生きたタコなどが売っているのを見たら、なんだか妙にテンションが上がってきた。
そこから海をみればフェリー乗り場があって、その隣にザフィッシュというレストラン&マーケットプレイスがある。
大きな建物の中に入れば、その品揃えに迫力負け。
干物がずらりと並び、様々な海鮮物が“これでもか”と並んでいる。
どれか買って帰りたいっ!
目から得た情報で欲望が動くけど、そのお値段はほとんど千円以上。
買って帰っても、たぁ食べないよね。一人で食べきれる量じゃないや。
現実を知って諦める。
近郊の漁港で捕鯨していることもあり、様々な加工品が売っていたけどシーシェパードの国から来たたぁは「鯨を食べる」話をすると顔が曇るし、意見が異なるから私からあえて口にはしなかった。
だけどそれらの商品を見つけたたぁは読めない説明書を夢中で見始めた。あんまり関わりたくない状況、だから静かに離れて別の場所へと消える私。
生きた伊勢海老にさざえ。
さざえは小さいサイズなら12個で1500円。ハマグリもネットにたくさん入って1000円。
安いっ!
焼いてお酒のおつまみにもってこいだけど、帰った翌日から合気道の朝稽古はある。
お酒なしで食べるのもどうかな?
やっぱりここは“買わない”が正しい気がする。地元の人や車で来た人、それか近くでBBQするには最高の品々だと思う。
奥には見るからにおいしそうなバームクーヘンが売っていて、その後ろにでっかい海が一望できるレストランがあった。
うわぁ。
値段もお手頃で魅力的だけど17時には閉まってしまうから夕食には向かない。最終日のランチにいいかもね。
建物を後にすると人が多く出入りする浜焼きのお店があった。
「何のお店?」
興味津々でたぁが訪ねてくる。
「新鮮や魚介類を焼いて食べるお店」
「なら、いいや」
生は良くても焼いたら興味がなくなってしまう人。
とりあえず今日は最初に見つけた寿司屋さんに決定。
ザフィッシュもそうだけど、地方のお食事処は早く閉まってしまうことが多いので、営業時間を調べに行くと19時には閉店してしまうらしい。なら17時に行くことにしよう。
来た道とは別の道を通って戻っていくと空き家を改造したような小さなお店があった。
「あぁ、メキシコ料理店だ。ここグーグルで見つけてたんだよね。今日のランチ、ここかピザ屋で迷ったんだ」
今は閉まっているけど、昼ならやっていたのかな。
車道には三角屋根の素敵なカフェがあってなんだか良い感じ。
駅から宿へと向かう途中、商店近くの建物でお肉を焼いていたグループは今、焼きそばを焼いている。
静かな漁港に住む若い人たちが彼らなりの方法で町を盛り上げている。
愛されている町なんだな。
【無空真実よりお知らせ】
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
11月22日にAmazon Kindleより電子書籍を出版いたしました。
私のんとたぁが彼の母国であるニュージーランでハイキングやキャンピングカー旅を楽しんだ旅行記です。
日本とは異なる環境下で旅する二人。
今回も自然に触れながらゆっくりとした時間を過ごしていくことで頭の中のモヤモヤを解放へと導くことが出来ました。
夫婦喧嘩やとんだすったもんだ、瞑想での気づき、そして自然が与えてくれる豊かな時間まで、模索して生きる二人の旅をどうぞお楽しみください。