新しすぎてまったく新しくみえないスティーブの経営理念
「とりあえず飲もうか」から「とりあえず家にいよう」が口ぐせになった、胃に優しい穏やかな週末。みなさまはいかがお過ごしでしょうか。note初投稿のため、どんな話し方で初めて良いのかわかりませんが、右も左もわからず買った『あつ森』だって、今日シーラカンスを釣りあげられるようにもなったしなぁ。と、初心者にありがちな、ゲーム序盤で得られるショボい釣竿のような自信を片手に初投稿してみます。
noteでは、内容もあまり固定せずにさまざまなジャンルについて投稿できればと思っているのですが、今日は1回目ということで、僕がSteve* inc.という会社で大事にしていることという、一話目っぽい真面目な話をしてみたいなと思います。設立から2年半、おかげさまで4月からは新メンバーを3人採用して、14人の愉快な組織になりました。今はSTAY HOMEをしながらの日々ですが、新しいリアルなMAKE OFFICEも実はじわじわ進行中です。(今いちばんの楽しみ)
会社って、似た業界や規模感だと社風も似てくると思われることも多いのですが、この15年いろんな社長さんとお話させていただいてわかったのは、同じ『あつ森』でもまったく異なる島になっちゃうように、会社って実は経営者によってまったくの別物になる、ということ。なので、社長である僕が何を考えているかまとめることで、Steve* inc.という会社の社風ももわかってもらえるかもなぁと思っています。あつ森に、いや、スティーブって会社に興味があったんだよね、というそこのあなたもぜひ。
二十億光年も孤独は我慢しちゃだめ
Steve* inc.という、クリエイティブの会社を立ち上げたのは2018年。SNSの世界は、映える写真をアップしまくるウェーイ型いいねコレクターの時代から、メリットを考えて自分自身をプロデュースできる若者の時代へ。クリエイティブ界隈では、企業に社員として所属するのではなく独立してフリーとなった一人ひとりが、プロジェクト単位で集まるのが最先端の時代だ!という空気が高まりつつありました。
でも、僕には無理だなって思っていました。だって、一人でプロフェッショナルに生きられるかどうかって、基本能力(進行管理、時間管理、対価管理など)が、ある程度自分で処理できる人の話。そっちを基本レベルまで上げるだけで20億年はかからないとしても、10年ぐらいかかりそうな僕は、みんなに助けてもらいながらのほうが明らかに向いている。
でも、実はたとえ基本能力がある人も、頼れるところでより強い人に頼りあったほうが、もっと強い部分で勝負できると思っています。会社という仕組みって、弱いところをお互い助け合って強いところで各々が勝負するほうが全体的な能力値は高くなると思うんですよね。弱いところを素直に認める。これがまず、大事にしているところです。
一周まわって最先端の可能性
もう一つ、絶対忘れないようにしている視点があります。例えばですが、記憶に新しい新型コロナの影響によるトイレットペーパー品切れデマ。これって「どうせデマだろうけど、デマを信じる人がいるから一応買っておこう」という、自分は一歩先のことを考えている(と思っての行動)が、結果的に大半をしめてその人たち自身が品切れの原因を生み出す。つまり、自分は「最先端」と思っている人が「普通」のど真ん中にポジショニングしてしまうというパラドックスが起きてしまっている。
これを採用に置き換えると、正社員で所属するのは古いという考え方自体が、実はもう古いような気がしています。つまり、今あまり誰も本気で探っていない「今こそ正社員採用をコアに」という考え方こそ、時代の最先端を牽引できるチャンスなのではないかと。事実、リモートワークが普通になったこの時代に正社員雇用となると、雇う側にもでかい覚悟と責任感が伴うので、一生懸命メンバーの将来を考えるようになる。僕が会社の未来を考える上で圧倒的に大切だと思っているのは「信頼関係」。社員の雇用という仕組みこそ、今こそ長期的な信頼を築くベースとなる気がしています。
「今っぽい」と思っていることは、実はみんなが言い過ぎていて一周遅いかもしれない。そう、中学校の時の陸上大会の時だって。1500m走の応援に遅れて駆けつけたら意外なやつが1位じゃん!と焦ったら、実はその選手は周回遅れだったというオチもありました。見かけの新しいっぽい雰囲気に縛られ過ぎると、本当に新しいことを見抜けなくなってしまう。いつだって、その可能性を忘れないようにしたいと思っています。
びんぼっちゃまくんは背中を見ない
ありがたいことに、10年以上さまざまな大学で講師をさせていただいてますが、ノウハウを教える型の授業は苦手です。だって、経験上うまくいった話はたくさんありますが、「ここはこうすればうまくいく」というメソッド的な理由ではなく、あの時代のあのタイミングだったからこうだったなぁという結果論でしかないからです。
それよりも、これってみんなはどう思う?という問いかけをして、僕の持っていない視点があると、すごく面白い。じゃあ、こういうことなのかも。みたいに、みんなの知っている角度の視点を加えて自分の視野を広げられることが嬉しい。つまり、教えるのではなく教えてもらっているという感覚。3Dスキャナーって1方向からよりも4方向とか8方向とかのほうがより全体感がわかるじゃないですか。自分の価値観のみを信じて磨きまくって伝える、びんぼっちゃま型の単一視点高解像度スキャナーではなく、最新の世界の輪郭をぼんやりと捉えつづける全方位型スキャナーのほうが楽しい。何より、自分の知っているスキルだけで一生やっていくと決めつけるよりも、おもしろいんじゃないかという気がするのです。
つまり、ゼロだった視点を探しつづけるほうが、実はあらゆる角度から骨組みが繋がって強くなっていく。これが、Steve* inc.で、ワークショップもデザインも空間設計も音楽も脚本もアレもコレもソレもクリエイティブの一部と捉えて、事業範囲を広げて繋げ続けている理由です。正面だけではなく、背中のオシャレにも気をつかいたいのです。
というわけで、僕がSteve* inc.という会社で大事にしていることは、、、
二十億光年も孤独は我慢しちゃだめ
→苦手な箇所は銀河の果てまで我慢するのではなく、素直に「助けて」を言っちゃおう。そのかわり得意分野で返そう。
一周まわって最先端の可能性
→「今っぽい」と思っていたことは実は一周遅いかもしれない。新しいの常識に縛られない新しいことをしよう。
びんぼっちゃまくんは背中を見ない
→今まで経験してきた視野だけで生きていこうとしない。ゼロから別角度の視点を増やして背中のオシャレも気をつかおう。
という感じ。クリエイティブ業界は作業フローよりも、こういった企業文化みたいなものがアウトプットにはじわじわ影響してくる気がしています。Webサイトでは具体的な仕事の紹介もしていますので、お時間あればぜひ。
Steve* inc.
https://steveinc.jp
そして、個性溢れるSteve* inc.のメンバーたちによる「Steve* Magazine(スティーブマガジン)」という、新しすぎて新しく感じないWebマガジンもSTAY HOME中にゆるりと企画中です。ご期待ください。