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チーズを軸にしたCHEESE STAND事業の「10の原則」と、食に携わる多くの方への提言
おかげさまで2022年6月4日にCHEESE STANDは10周年を迎えることが出来ました。
10周年を迎えるに当たり、毎年新たに作り上げていく会社のステートメント(会社としてスタンス)、10 principles(会社として大切にしていく10の原則)を301の大谷省悟さん、Loftworkの上村直人さんにも関わってもらい、新たに作りあげました。
大層な表題にしてしまいましたが、食に関わる多くの方にぜひみていただきたいと思うほど、納得できるものができたと思っています。
10周年以前
創業当初からビジョンや、経営理念、行動指針を以下のように作っていました。また近年では面談時や評価制度などに活用し始めていました。
僕自身が創業時から作り、伝え続けていたものや、他の会社やチームからいいと思ったことを借りたりしてい部分もありましたので、僕たちの思想や、伝えたいこととカチッと合致はしていなかったかもしれません。
経営理念・行動指針
経営理念
日本のチーズの未来をつくる
スローガン
Not a Cheese Maker (社内用:ただのチーズ生産者じゃないよ!)
行動指針
・Viewpoint
・Trust
・Our Team
・Change & Gain
・Speed
さらにブランドとしてチーズが前面にきてしまっていて、僕たちの思想のひとつである素材を大切にしていること、関係性をしっかりしていることなど、しっかりと外に伝わっていないという事は前々からしっくり来ていない部分でもありました。
未来価値
他にも伝わっていないことがありました。
近年、株式会社ファンベースカンパニーさんのご支援のもと、ファンベース診断を行って来ました。これは会社に対してファンの方々のファンステージ、ファン度を測ったり、「機能価値」「情緒価値」「未来価値」といった価値スコアを測ったりするものです。
会社として機能価値(プロダクトに対する期待)はものづくりをこだわってやってきた結果、とても高評価をいただいたのですが、未来価値(未来に対する期待)というものが弱かったのです。これは、アンケート当時(2019年)、つくってきたブランドやプロダクト、出しているブッラータなどは購買頻度が高かったり、来店いただいたファンの方々からは評価していただいているものの、
・sio「幸せの分母を増やす」
・イケウチオーガニック「2055年までに赤ちゃんが食べられるタオルをつくる」
といった未来に対する期待や、ワクワクするようなことが企業として感じられなかったということで、僕たちがどういったブランドなのか、何を目指しているのか、そのあたりブランドの立ち位置が伝わるようなことも必要でした。
打ち合わせ経緯
そもそもは2021年夏ぐらいに翌年の10周年を迎えるにあたって、リブランディングをする予定で軽く相談する気持ちで大谷さんの元を訪ねました。
以前、新たな職人像である「craftman×ship」というイベントをMinimalの山下さんと立ち上げた際に、素敵なステートメントやメインビジュアルを作っていただいたご縁からです。
当初はロゴやパッケージを変えることでリブランディングをするという安易な考え方だった気がします。
ですが、大谷さんや上村さんとの話の中で、形だけではないブランディングの真の意味、僕たちの想いが伝わっていないこと、インナーブランディング(社内でのブランディング)が弱いということが浮かび上がってきました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/81481112/picture_pc_5932978fed61a840ed08d60186b9c8f9.png?width=1200)
そこで、社内向けに冊子を作ったりといったことも出てきましたが、内(社内)でも活用でき、外の方にも使っていただけるようなステートメントや原則をDMやポスターの制作物などでつくることでまとまりました。
大谷さん、上村さんとの話し合いの中で、僕たちは、素材メーカーであり、純粋にいいものをつくりたいという思いが強く、今までやってきたパッケージ等含め企業スタンスとしては「無印良品」に近いところがあるのではないかという結論にたどり着きました。
- 背景にあるストーリーに視点が置かれがちだが、チーズスタンドは純粋に良いものをつくりたいという姿勢だけなのではないか。ものづくりに対する誠実さ。
- いいものを作って広めよう。排他的にもならず、ポップに。最初にお店をやろうと思った時に、スープストックみたいなエキナカも想像したように、広げていくという思いがある。
- 広げていくことと質を追求することの矛盾:常に100点じゃなくても100点でありたいと思う。
グッドデザインの10の原則などを参考に、自分たちの目指しているところを表し、シンプルかつ、後世にも伝わっていくようなものをつくっていきたいと打ち合わせの中でまとまっていきました。
そのため、さらに深堀りをしていて、僕がどういう思いで会社を作ったのか、僕たちが何を大切にしているのか、を言語化していきました。
以下、出来上がったものです。
ステートメント"Thoughful Food"
2022年のステートメントは以下の画像をご覧ください。
![](https://assets.st-note.com/img/1656247717003-FGlS2dwlvX.jpg?width=1200)
まず、ブランドとしての立ち位置を明確にしました。
僕たちは「食」に携わるブランドです。
そしてCHEESE STANDはただのチーズを作るだけでなく、ものを作る側(メーカー)、販売する側(物販)、選んで消費する側(調理)、の3つを担っています。
食に携わるときに、どういったこだわりをもっていくか、何かをするときにストーリーや想いを伝えていくことを大切にしていきたいし、僕たちCHEESE STANDも選んで消費されるようなブランドで有りたいと考えています。
そういった想いを ”Thougtful Food” という言葉に込めました。
表紙の写真はそのポスターとなります。
デザインは大西真平さん、カメラマンは山田薫さんに行っていただきました。
商品の裏側に印字されている内容表示は法に則った無機質なものとなってしまいがちですが、実はそこにはいろいろなストーリーが有り、想いが込められているということを込めています。
※いま、モッツァレラを購入するとこちらのラベルが特別に付いています。
![](https://assets.st-note.com/img/1656248634619-jmpSMVcNAM.png?width=1200)
10の原則 "10 Principles"
![](https://assets.st-note.com/img/1656248201206-Yl1cUcNhkl.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1656248209488-GTVG8uUij7.jpg?width=1200)
先程の「グッドデザインの10の原則」のように多くの食に携わる人の指針になればという思いを込めて、私たちの大切にしていることをまとめ、言語化し、10の原則として作り上げました。
これらはCHEESE STANDで大事にしていきたい10の原則ではありますが、普遍的であり食の根幹を示すものでもあると思います。そのため食に関わる多くの人にも当てはまり、生産する側にも消費する側にも、また経営する方にも、料理をする方にもあてはまるものであると思います。そのまま皆さんにとっての10の原則として使っていただけるのではないかと思っています。
また、関連性なども含めて順番などにもこだわりました。
1番目が1番大切で10番目が10番目ということではありませんが、意図的に「01 まず美味しいこと」を持ってきました。食に関わり、つくる、販売する以上、僕たちは美味しいということに価値を置いていきたいと思っています。
.@CHEESE_STAND の10の原則の1番初めが『まず美味しいこと』なの本当に推せる。
— TAM3/Mr. CHEESECAKE(Koji Tamura) (@Tam30929) June 9, 2022
東京のど真ん中で作るからこその鮮度と美味しさで、一度食べたらその違いに驚くし、この美味しさが都内で買えるのは本当に感謝しかない。
知らない人は先ず食べてもらいたいです🔥https://t.co/Ol2tYZx4s2 pic.twitter.com/8X7EbM3d2C
タムさんにも意図をわかってもらえて嬉しかった。
これら10の原則を経営で舵取りをする際に、また素材、パッケージを一つ選ぶ際にも、私だけでなくスタッフの判断軸となるように使っていきたいと考えています。
すべてをすぐには出来ないかもしれませんが、スタッフ皆が今後、常に口にし続け、考え続けて、強固な「CHEESE STAND」というブランドを作っていきたいと考えていきます。
▼もしよろしければHP のコンセプトページも見てみてください。