第13話 「信州のワイン」
6月後半、松本市内パルコ前時計公園で開かれた「信州ワインサミットin松本」に参加してきました。
城街バルの事を書いたばかりですので「おや、また呑んでるね?」と言われてしまいそうですが、何しろ松本は本当に飲食系の素敵なイベントが多く、誘惑されっぱなしの困った私です。
このワインサミットは、長野県内の38ものワイナリーの111種のワインが楽しめるイベント。何しろ普通はボトルで買うしかない人気ワインが、グラスに少しずつ注いでもらってお手頃な価格で味見ができ、自分好みのワインが見つけられるという仕組みです。
「でも、ワインってよく分からないし…。」と言う方も沢山いらっしゃると思います。僕自身も以前は全く同じでワインはほとんど飲んでいませんでした。
でもある時有名なワイン醸造家の戸川英夫さんとご一緒する機会があり、素直に
「実は僕、ワインに関しては全く素人でよく分からなくて。」と話したところ
「あなたはビールを楽しむ時に色々勉強してから飲みますか?知識なんか無くてもおいしく飲めるでしょ?ワインも同じです。難しいことを考えなくても、おいしく飲んで楽しめばいいんですよ。」と教えて頂きました。
そうなんだ! 目からうろこ。作っている人が言うんだから間違いない。
それからは気取らずに手頃な価格のワインを選んでは家で楽しんでいます。色々試しているうちに何となく自分の好みも分かってきて、ぶどうの名前を覚えながら楽しみも増したりします。
聞いたところでは、ワインの味は基本的にはブドウの種類と育て方で決まってしまうそうです。楽器の音色が木材の種類や製材の仕方で決まってしまうのとよく似ています。非常に興味深いですね。作り手の技術も大切だけど、やはり素材の選び方は大事なんですね。
良い素材を選び抜いて、そこに注意深く自分の持つ技術を注いで最高のものを作り上げる。職人の勝負は、素材を選ぶところからすでに始まっているのです。
私達の住む長野県はワイン用のブドウ生産が日本一だそうです。
栽培時期の日照時間が長く、昼夜の寒暖差が大きいために良質なぶどうが育ちます。塩尻市の桔梗ヶ原や松本市の里山辺は有名なブドウ産地です。
ワインは数あるお酒の中で唯一「水を一滴も使わずに果汁だけで作る酒」だそうで、それだけに品質がとっても大切になるのですね。
素晴らしいワイナリーが沢山有る長野県。様々な地元のワインを手に入れて楽しんでみたいですね。
(松本市民タイムス リレーコラム 2016年7月24日掲載分)