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リストラをしない ≠ 現状追認(1/2)

くじらキャピタルは人員削減、いわゆるリストラをしないことを創業理念の一つに掲げています。

それは下記3つの理由によるものです。

1)経営陣と違い、社員の責任の取り方は辞めることではない、と信じているから。

2)人員削減よって創造できる価値は極めて小さく、その割に(特に人材流動性の低い社会において)大きな不幸を生んでしまうから。

3)人材は今後の日本において一番貴重な資源であり、これを無為に捨てるのではなく新しい分野で活躍できるよう「再利用(リサイクル)」することが、その会社や地域経済にとって最善である、と信じているから。


ただし、価値創造のためには、リストラ「以外」の全ての施策を大胆に推進することを厭いません。むしろ、従来型の日本的人事の価値観からすると、過激にすら見える施策を進めようと考えています。

具体的に言うと:

■社員はリストラしませんが、社長、取締役、執行役員(委任型)などの経営陣については別です。経営陣は成果を出すのが仕事なので、その役割を果たせないのであれば、責任を明確にした上で退出していただかざるを得ないケースがあります。経営不振を招来しておきながら経営者が保身に走るような企業は、根本治療ができないのでお手伝いすることができないのです。

もちろん、経営陣を残す方が再生可能性を高めるケースについては、この限りではありません。

■人心一新は、単に責任の所在を明確にするだけでなく、変化を渇望する社内若手有志に対し、「会社が変わる!」「経営と言えども責任から逃れられない!」という強烈なメッセージを発することになります。そのメッセージが持つパワーを何度も見ているので、なおさら経営陣の処遇は聖域化させません。

■一方、従業員については、解雇や退職勧奨は絶対にしません。ただし、労働契約法の範囲内で、大胆な配置転換や昇降格は行います。

■これは、「異動」と称して合理性のない配置転換をする、いわゆる「体のいいリストラ」ではありません。

デジタル変革による圧倒的な合理化、たとえば5人で実施していたバックオフィス業務を1人で担うような合理化は積極的に実施しますが、他の4人についてはきちんとしたトレーニング機会と十分な移行期間を設けた上で、売上・粗利獲得業務(たとえばマーケティング・オートメーションツールの分析担当者)に異動してもらうようなことを想定しています。

全社あげての価値創造のため、より付加価値の高い業務にシフトしていただくことが、会社にとっても本人のキャリアにとっても最善と信じるからです。

■そして異動後も、時間をかけて業務に慣れてもらいます。新たな部署においても彼ら・彼女らを心から歓迎し、じっくりと待ちます。「どうせフロントなんて、すぐに嫌気がさして辞めるだろう」「慣れない職場で冷遇すれば、気持ちが折れて退職するだろう」といった悪辣な意図は絶対に持ちません。

丁寧にフィードバックを行い、精神的サポートを続け、トレーニングを続け、戦力になってくれるまでいつまでも向き合います。会社再生のためには、戦力になってもらわないと困るのです。

■根底にあるのは、人間へのリスペクトです。人間は、単なる機能の果たし手ではない、単なるスキルセットの集合体ではない、という信念です。

人間には感情があり、プライドがあり、背負っている家族がいる。だからこそチャンスが貰え、期待されれば変わることができる、という当然の理解です。

続く


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