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小山伸二
2019年3月12日 18:37
秋の声が届いた図書館で借りた物語のなかで登場人物は自分のノートを破り始めるお行儀のいい生活はやめにしますこれからは本音で生きたいから言葉にならない感情を埃まみれのフラスコのなかでかき混ぜるランドセルを背負ったギャングたち爆発もなければ煙も出ない世界なんてウンコだよわざと声に出してはしゃぎながら中央線に飛び乗ってくる国立五小を卒業した女子が大人になってドイツで暮らし
2019年3月10日 17:53
大型クレーンが乾燥した冬に立ちならぶ国立競技場建設現場編集者は夢中になってシャッターを切っていた会議室のベランダ百年の出版社ぼくは作家の亡霊を眺めている暗い会議室いまも中上健二が大きな背中を丸めて小さな文字を書きなぐっている半島からやってきた物語大団円を殺せ、と呟いたのだったかつよい酒をあおって岬から船を漕ぎ出したおおきな翼をつけてゆっくりと海を打ちすえてこ
2019年3月4日 21:18
1蜜柑の山からみえる海しずまりかえる島を歩くひとかげもなくひとり戦後の歌をスマホで聴く若いひとたちのいる場所から離れていつかとおい場所にきみとふたりで行ってみたかったあかるい街の通路でステップ踏んで本たちも眠る建物を吹きぬける風を感じるためにいまこそ口ずさむ詩句を懐から出そうきみの月のひかりの本棚に並べるために世界を抽象してみせてよ、と言ったねきみ新宿の雑踏