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小山伸二
2016年2月29日 16:04
いくら緻密なことでもどこかしら瑕疵があるという絶対ということは絶対ないんだと、言い張れないものの四年に一度だけ百年に一度だけそして、千年に一度だけと不吉な影がせまる統計や確率では計りしれないそこしれない一回性のなかに浮かぶ揺れる列島でぼくたちの夢のような時間が尽きようとしているのか刻まれてきた時間とほうもない時間この町にも数十億年が流れてきたあっという間の数十億
2016年2月22日 17:43
きみの手が布を縫いあげ紐を組み合わせて袋を仕立てるちいさな器をしまうための袋器をつつみ仕舞い込み使うたびに紐をほどきはだかの器はいつでもきみの手のひらのなかにあるたとえば、ブルーのガラスの猪口酒をつぐ稲穗の夢のような雷鳴をひめた清酒が注がれた猪口はしばしの湿りのなかで息を吹き返しきみの唇に触れる飲み干されるたびに生と死を繰り返しながら猪口はふたたびきみの袋のな
2016年2月8日 02:33
空を切り裂くひかりがはるか海上の沖に消えて行った二月にぼくはまどろみながら夢をみる湯船につかりながらしゃがみこむひとの影を見るなにかを描いている地面が見えないことばなのかそれとも、何かの図形心と体論理と蒟蒻風呂から出てぼくは食事を作っているらしい夢は続いているジャズのうるさいドラムの音がつづく空を切り裂いたひかりを追え日本中が浮き足立っているはるか海上の沖に消えて