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ひかりが、二月に
空を切り裂くひかりが
はるか海上の沖に消えて行った二月に
ぼくはまどろみながら夢をみる
湯船につかりながら
しゃがみこむひとの影を見る
なにかを描いている
地面が見えない
ことばなのか
それとも、何かの図形
心と体
論理と蒟蒻
風呂から出て
ぼくは食事を作っているらしい
夢は続いている
ジャズのうるさいドラムの音がつづく
空を切り裂いたひかりを追え
日本中が浮き足立っている
はるか海上の沖に消えて行った二月に
ぼくは鍋を出してニンニクのかけらを放り込む
油を注ぎ低温で
ゆっくりと仕上げる
縮み法蓮草をざくざくと切る
空を切り裂くひかりが
はるか海上の沖に消えて行った二月に
ぼくのお腹がすっかりへこんだ午後
きみからのメッセージが届く
遠くにいるぼくに
はるか海上の沖に消えて行った二月に
ノートにはきみに送る詩が青いインクになっている