気が付いたらカレンダーもめくれないくらいのうちに時間が過ぎていた
夏休み明け
あっ、ちゅーまに1週間の夏休みらしきものが明けた。今年は(いや去年もそうだったが)旅行も、毎年恒例のちっちゃなお庭での家族BBQもやらない1週間。去年の夏も実はやったお庭での家族BBQだが、それくらいやってもいいのではないかという思いも自分の中にはあったにはあったのだが、周辺状況を踏まえ慎重に関係諸機関と検討をした結果(といっても奥さんとだけだけど)、やはり医療関係者として現在の感染状況を鑑みて開催は断念した。我が家は町の人たち、特にワンちゃんのお散歩をする人たちの憩いの場である公園の極近にあるため、さすがにこの状況下でのBBQはだいぶ世間ハードルが高い。かくなる上は屋内開催、とも考えたのだけどさすがにそれは単なるおうち焼肉だし…そして出かける気には一切ならないし…ということで、結局断念。まあ、都内とくに世田谷は在宅療養者のビッグウェーブのピークが来ていて、結局連日PPE着ていわゆる在宅療養者支援や緊急訪問を繰り返さざるを得なかったので、このビッグウェーブが外来が休みで時間的に余裕がある夏休みだったのはむしろちょうどよかった。さすがにこの状況での外来と在宅療養支援の両立はキツイ… ということであ、ちゅーまに夏休みらしきものが終わった、というのはそういうことなのであった。
そんなわけで夏休み明けはレセプトとたまった仕事をバリバリとこなすことになった。まだまだ発熱者は多いし、近くのインターナショナルスクールはすでに学校が始まっているし、特に近くの保育園などでのクラスター発生が続いているためかなり大変。いつも休み明けは大変なのだけれど、今年はとくに外来が混雑すると、密を避けなければならないよう調整する必要があったのでかなり疲弊した。そしていつもの月末月初レセプト作業は在宅療養への対応などに対する加算もあり、いろんな通達をみながらレセプト作成し、さらに症状詳記を書いたり、加算をつけたり消したり、とすごく手間がかかり秋季セミナーの準備どころか、臨床以外の仕事は全く手が付けられないくらいの忙しさ。そんなふうにして休み明けの1週間はなにがなんだかわからないうちにすぎたのであった。
医療崩壊とはこんなふうなこと
そんな中、パラリンピックはたんたんと過ぎる。やっぱりオリンピックに比べるとメディアの騒ぎもそこまで派手ではないし、そうこうするうちに甲子園も終わった。これらに割かれる時間は減ると同時に東京の酷い感染状況もさすがにメディアにも伝わってきているようで徐々に意識も変わってきた。それでもまあ、ふだんは当然入院すべきケースでも入院できなかったりすることは続いていたのだが、お盆休み後に病院が頑張ってくれたおかげもあって、なんとか入院ができるようになってきた。それでも救急要請しても現地で搬送せずに救急隊が帰ったり、通常であれば入院になるケースでも帰宅してきたり、ということが頻発していたのだけれど、こういうのは実際当事者にならないとわからないから、多くの人にとっては実感がわかないことなのだろう。
いろいろな意見があるのはわかるけれど、とにかくギリギリ持ちこたえている気持ちが切れないようにしないといけない。そのためには、やっぱりユーモアと誠実さ、そしてそれらを緩和する何かがないとやっていけない。いろんな人と会話したり、おいしいものを食べたり、気持ちのよい景色をみたり、そういうものが緊張の元でメンタルを保つには必要なのだ。
そんなことを思いながらの一週間。気が付いたら、9月になっていた。セミナーはいよいよ今月だ。いろいろな人が少しずつ告知をはじめている。翻って自分の出し物はどうなんだろう。
最初っから9月のこのころはたぶんひどいことになって気持ちがある程度すさんだあとだろう予想していた。そんな時期にセミナーが行われることも織り込み済みだった。だからこそ、こんなタイトルにしたんだった。
あらためて見ると、やっぱり他の講演とは明らかに毛色が違う。
っていうか全然明後日の方向だ。ナナメ45度どころか、スターバックスで般若心経を流すみたいな感じだ。まあ、キャリアカフェしか居場所のない私に、あえて居場所を作ってくれたA先生の期待(だけには)せめてなんとか応えたいものだ。
それでも前をむいて仕事が続けられるために。
休み明け、莫大な業務を前にして進めなければいけない。この8月は特によくわからないことだらけの異常な状態だった。夕方、ふとつけたニュースでは、在宅療養者に往診している先生が、本来入院すべき患者さんを前に、なすべきことができずに悔し涙を流していた。僕も同じような思いをこの事態で何回か経験した。いや、たしかにこの8月はそういうことは多かったけれど、振り返ってみたら、新型インフルエンザの時も、東日本大震災のときも、同じような思いをしたことを思い出す。そしてこの間尊敬できる、と思っていた人たちが、変な風に変わってしまったり、攻撃的になったり、ということを目にすることもなんだかじわじわダメージを加えている。でも、逃げていてもも仕方ない。
地域には、そこに仕事があり、取り組むべき難題があり、そして僕らを待っている人たちがいるのだ。うまくいかなくても、疲れていても、少しだけでもなんとかしないといけないのだ。そういう思いは地域の人たちが多かれ少なかれもっているはずだ。
ぼくらがそれでも前をむいて仕事を続けることができるように。
どんなふうにすればいいのだろう。どうすれば力づけることができるのだろう。いや、どうすれば「もう少しやってみよう」という気持ちになってもらえるだろう?
そうこうするうちに事務局から連絡がきた。
「先生のセッションは事前登録人数が100人に達しないのでウェビナー形式ではなく、講演形式になります」
へ? どゆこと??
自分のイメージではふつうのZOOM講義形式だと思っていたが。クイズ100人の壁みたいなイメージなのか?まあ、どの方法でもオンライン講演なので、いずれにせよ自分が慣れない形式だっていうことはわかるのだけど。そりよりも事前登録人数が100人に達しない、という表現は気を遣ってくれているのか。全然登録者がいないってことでは。
もしかするとそういうことを気を遣って遠回しに伝えているのか。
まあ、前に進むしかないか。
取り急ぎプレゼンのイントロ動画の出囃子は、この曲にすることに決めた。
ヘクターは最初に銃を手にしたギャングで
時代を作ったパイオニアで
ギャングとして最初に死んだ男だった
このフレーズが、しっくりくるんだよなあ…
そういえば、オリジナルラブに「真夜中に長電話してモリッシーの話で時間を忘れるほど」ってフレーズがあるけど、そういう経験がある世代のある人たちには絶対あると思うな。
ということでそろそろ追い込みをかけなければ。
(だんだん時間が無くなってきた…次回もカミングスーン)