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手話教育プラットフォーム「Signs」- Nvidia
先週 Nvidiaが手話教育のための新しい AIプラットフォーム「Signs」の立ち上げを発表し、米国のメディアで大きく取り上げられています。(“It’s a Sign: AI Platform for Teaching American Sign Language Aims to Bridge Communication Gaps”, Nvidia blog)
このプラットフォームは、コミュニケーションギャップを埋めるために人々に米国手話 (ASL: American Sign Language) の使用方法を教えることを目的としており、手話学習者と ASLベースのAIアプリケーション開発者のために検証済みのデータセットの作成を進めています。ASL は英語、スペイン語の次に米国で普及している言語ですが、一般的な言語のデータと比べて、ASLデータを使用して開発された AIツールは圧倒的に少ないのが現状です。
Signsプラットフォームは、学習者に検証済みの ASL手話ライブラリを提供、AIツールがウェブカム映像を分析し、パソコンの画面に表示される 3Dアバターがリアルタイムで手話を実演します。Nvidiaはこのデータセットを、プロの ASL教師によって検証された 1,000手話単語を表す 40万本のビデオクリップにまで成長させることを目指していて、データセットは今年後半に公開を予定しています。
今後、顔の表情や頭の動きなどの非手動信号の統合、地域属性 (方言) やスラング用語などの言語の微妙な違いの表現、ユーザー体験の改善などを計画しているそうです。
ろうの子どもの多くは聴者の親から生まれるため、早期の ASL学習が重要で、Signs は6〜8ヶ月の乳児とのコミュニケーションも可能にします。このプラットフォームの意義は非常に大きく、ろうの子どもと家族のコミュニケーションに役立つと思います。
ASL学習をより身近なものにするこの Nvidia のような取り組みに AI技術が活用され、よりよい社会の創造を可能にする事例が今後も続くことに期待したいです。