まなか

シリコンバレー在住の技術系コンサルタントです。コンピューターネットワークを中心に IoTや自律移動ロボットなどのソフトウェア技術開発とリサーチ。趣味:DIY、天体物理など。 LinkedIn: https://www.linkedin.com/in/shinichimanaka/

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    かなり幅広いテーマではありますが、AI に関する話題を集めます。

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最近の記事

世界的な選挙におけるAIの欺瞞的な使用に対する協定

 先週ドイツで世界の安全保障課題について議論する Munich Security Conference (MSC 2024) が開催され、世界の安全保障やグローバル秩序、気候変動の影響などのテーマに加え、AI に関する議論も行われました。その中でも選挙における AIの欺瞞的な使用に対する協定に注目が集まっています。 今年の世界的な選挙において40カ国以上で40億人以上の人々が投票する中で、この協定は欺瞞的な AI コンテンツが干渉するのを防ぐことを目的としています。企業も、政

    • 広がる自律移動向け情報の取得手段: ターゲットラインペイント

       最近の自律移動ロボット (AMR) をはじめとした自立移動機器において画像処理を中心としたコンピュータービジョン技術の活用が加速しています。ナビゲーションやマップ作成 (SLAM) に LiDAR の利用が主流ではあるものの、LiDAR はハードウェア性能依存が高く、ソフトウェアでの処理には限界があるのに対し、可視光をはじめとした画像処理はカメラ素子の性能にある程度依存はするものの、ソフトウェアでデータの質を改善できる余地が多いのが、コンピュータービジョン技術にシフトしてい

      • 米著作権局が示した AI生成コンテンツのガイドライン - 著作権なし

         日々耳にしないことがない Generative AI に関する話題ですが、今年 3月にU.S. Copyright Office (米著作権局) が AI技術により生成された素材を含む著作物の審査および登録に関する実務を明確にするために AIで生成した画像の著作権登録についてのガイドラインを発表しました。 AIが生成したコンテンツとは、AIが学習した著作物をもとに新たな画像や文章などを出力することです。AIが生成したコンテンツは、人間の創造性や感性を必要としないため、著作権

        • 見えてきた NASA の Return to the Moon計画 - Moon (Lunar) Gateway

          NASAの Moon Gateway プロジェクトは、月の軌道上に恒久的な宇宙ステーションを建設するものです。その主な目的は月探査の中継地点として、また科学研究のプラットフォームとして、そして火星やその周辺への将来のミッションのテストベッドとして機能する予定です。 Moon Gateway は複数のモジュールで構成され、NASAのスペース ローンチ システム (SLS: Space Launch System) ロケットと Orion カプセルを用いて月軌道上に打ち上げられ、

        • 世界的な選挙におけるAIの欺瞞的な使用に対する協定

        • 広がる自律移動向け情報の取得手段: ターゲットラインペイント

        • 米著作権局が示した AI生成コンテンツのガイドライン - 著作権なし

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        記事

          自律化が進む米国マテハン業界 - ProMat 2023

           今年も MHIが主催する米国最大規模のマテリアル ハンドリング及びロジスティクス業界のイベント「ProMat」が 3月20~23日にシカゴのコンベンションセンター McCormick Place で開催されました。今年は 1,000社を超える出展者と 4万人の来場者を迎え、オートメーション ソリューションや Eコマース、Data-Driven Decision Making といったテーマがフォーカスされていました。昨今話題となっている AIも広くオートメーション ソリュー

          自律化が進む米国マテハン業界 - ProMat 2023

          国際宇宙ステーションを救え!- 第4回Kibo-RPC開催

           先日月軌道に到達した日本のベンチャー iSpace の HAKUTO-R Mission 1 をはじめ、JAXA の新しい宇宙飛行士 2名も発表されるなど、日本の企業・団体による宇宙ミッションが活発になってきていてワクワク感上昇中です! そして今年第 4回となる JAXA が主催する「きぼう」ロボットプログラミング競技会 (Kibo-RPC) が NASA の協力のもと今年も開催されます。2月に参加チーム募集の発表が行われ、5月14日(日、JST) に参加申し込みが締め切ら

          国際宇宙ステーションを救え!- 第4回Kibo-RPC開催

          宇宙ミッションで活用が進む RISC-V

           昨年 NASA はオープンソース ライセンスで開発される命令セットアーキテクチャ「RISC-V」に基づいて設計されたプロセッサ「SiFive Intelligence X280」を次世代高性能宇宙飛行コンピューティング (HPSC: High Performance Spaceflight Computing) のコア CPU として宇宙ミッションに活用することを公表しました。 シリコンバレーの San Mateo 市に本社を構える SiFive社の X280 は画像処理

          宇宙ミッションで活用が進む RISC-V

          Amazonのホーム セキュリティ アプローチ:「Astro」ホームロボット

           米Amazon が 2021年のハードウェア イベントで発表した「Astro」ホームロボットが一般発売前にもかかわらず進化しています。 Astro は宅内を自走する「Alexa」といったパッケージの製品でしたが、昨年 (2022年) 9月に同じく米Amazon が提供する「Ring」ホーム セキュリティ システムとの統合が発表され、家の中を動き回って部屋や玄関、窓などを監視し、開けられたらアラートを通知する機能や、ペットを見守り、その様子を動画でスマフォなどに配信することも

          Amazonのホーム セキュリティ アプローチ:「Astro」ホームロボット

          新しい次元に突入するインターネット通信

           この 1年で人工衛星を使ったインターネット サービスが一気に広がってきているのを皆さんも感じられているのではないでしょうか。トップは 米SpaceX社が運営する Starlink で、昨年から日本でもサービスが開始されましたので、もしかするとすでにお使いの方もいらっしゃるかも知れませんね。Starlink は高速かつ低遅延のブロードバンド サービスを提供するもので、すでに 4,000機を超える通信衛星を低地球軌道(LEO: Low Earth Orbit) 上に打ち上げて通

          新しい次元に突入するインターネット通信

          加速する 利用者が楽しくなる米国リテール ビジネス

           年明けのイベントと言えば Las Vegas で開催される CES を思い浮かべる方は多いと思いますが、米国では CES の直後に毎年 New York City で開催される National Retail Federation が主催する世界最大級のリテール ビジネスの展示会 NRF Retail's Big Show も注目を集めます。今年は特に顧客体験を改善したり、買い物を楽しめるサービスが多く紹介されていたように思います。  注目の一つは米Amazon の Ca

          加速する 利用者が楽しくなる米国リテール ビジネス

          ROSコミュニティで存在感を増す NVIDIA

           最近 NVIDIA がオープンソース プロジェクト ROS のコミュニティで存在感を増しています。昨年(2022年) 10月に京都で開催された ROS の年次イベント ROSCon 2022 において NVIDIA は Isaac ROS の最新版である Developer Preview 2 (DP2) を発表しました。ROS2 向けの機能が拡張されているのに加え、特に注目しているのは AMR (自立走行搬送ロボット) 向けのリリースが含まれている点で、ロボットのタスク管

          ROSコミュニティで存在感を増す NVIDIA

          オンライン販売に拘らない Amazon

           米Walmart は Amazon に対抗すべく無料配送サービスなどがパッケージされた有料会員サービス Walmart+ で有料ストリーミング サービス Paramount+ を提供開始するようです。当初 Walmart+ は Amazon Prime と差別化するためのサービスとして立ち上げられましたが、同じ土俵で競うことになりそうです。  その Amazon ですが、ネット販売から実店舗での販売にも進出をはじめており、今年 5月にカリフォルニア州 Glendale (

          オンライン販売に拘らない Amazon

          異なるメーカーのロボットを統合し運用管理するインフラ - AWS IoT RoboRunner

           米AWS は昨年11月に開催された AWS re:Invent 2022 において、Amazon が自社の倉庫で利用しているようなロボットフリートを運用するために必要なフリート管理アプリケーションを構築するためのインフラを提供する新サービス「AWS IoT RoboRunner」を発表しました。AGV (無人搬送車) や AMR (自立移動ロボット) をはじめ、ロボットアームも含めた異なるメーカーが提供するロボットを運用している比較的規模の大きな企業をターゲットとしていて、

          異なるメーカーのロボットを統合し運用管理するインフラ - AWS IoT RoboRunner

          地球まるごとカバーする通信サービス開始へのカウントダウン

           最近人工衛星を使った通信サービス ビジネスから目が離せません。皆さんも SpaceX社の低地球軌道(LEO) 衛星を使った  Starlinkブロードバンド サービスに関するニュースを目にすることが多くなってきたのではないでしょうか。8月上旬には軌道上の Starlink衛星の数は 3,000機を超え、絶賛打ち上げ中といった感じです。  SpaceX社のブロードバンド サービスも気にはなりますが、最近は人工衛星を 5Gの基地局として地上のスマートフォンに通信サービスを提供す

          地球まるごとカバーする通信サービス開始へのカウントダウン

          加速する Amazonのホーム市場アプローチ -「Roomba」の iRobot買収を発表

           先週の金曜日 (米国時間 2022年8月5日) に米Amazon が、規制当局の認可待ちではありますが、ロボット掃除機「Roomba」の iRobot社を 17億ドル (約2300億円) で買収すると発表しました (「アマゾン、「ルンバ」のアイロボット買収」、Impress Watch)。米Amazon にとっては家庭内の機器をインターネットでつなげて暮らしを便利にする「コネクテッド ホーム」関連製品の拡充だけでなく、様々な家庭内の情報をベースに eコマースにおいてもより的

          加速する Amazonのホーム市場アプローチ -「Roomba」の iRobot買収を発表

          物体認識を行わずに検知だけを行う高速衝突回避技術 - Ghost Locomotion社

           先週毎年恒例となった NVIDIA社の GTC(GPU Technology Conference、2022年3月21~24日) が開催され、今回も NVIDIA社の様々な AIを中心とした取り組みが発表されましたが、近年はロボット向けの取り組みも加速させていて、今年は自律走行搬送ロボット(AMR) の開発プラットフォーム「Isaac Nova Orin」を発表しています。Isaac Nova Orin は AMRの自律性を設計、構築、テストに必要な環境がパッケージ化されて

          物体認識を行わずに検知だけを行う高速衝突回避技術 - Ghost Locomotion社