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‘’情報は、一次ソースに当たれ‘’

若手コンサルタントへのスレッド。プロジェクトメンバー全員に、あるレポートを共有していたので、情報の取扱の大事さをSlackでポストしました。

この記事、日本語でまとめた人の能力がいまひとつで、オリジナルレポートの重要な部分がかなり抜けてます。
記事の冒頭に、イノベーションに成功事例の3つの特徴とあり、1番目が「巨大市場を志向している」となってチャートまで用意していますが、オリジナルでは巨大市場を志向しているなんて書いてません。
「3. They leverage a core capability to enter new growth markets.」というのがたぶんこれにあたると思いますが、意味が全然違いますね。
それに特徴は、オリジナルには5つあります。
かなりいい加減な記事です、これ。

だって、もとのレポートのタイトルは「The Transformation 20 STRATEGIC CHANGE RANKINGS FOR 2019
〜Spotlighting the 20 global companies that have achieved the highest-impact business transformations over the past decade」となっていて“イノベーション“とはひと言も書いてない。
BIG PIVOTと言われるような戦略の大転換をしている企業変革をテーマになってますよ。I社がまとめた英語のオリジナルのレポートを参照しましょう。

二次情報、三次情報は、オリジナルに別の人の認識や理解がかぶさり、えてして誤った解釈をされがちです。「よく分かる○○」「図解 ○○入門」「はじめての○○」というのは特に避けましょう。

昨年、桜谷が名古屋にいってトヨタのIT部門の人と「トヨタ生産方式」について議論した際には、しばらくしてから「トヨタ生産方式について、どの本から学びましたか?」と聞かれました。「唯一、大野耐一氏が書いた『トヨタ生産方式』です」と答えたところ、熱い議論が続き、その結果USのIT部門の人を紹介してもらいました。

唯一無二の情報なら別ですが、大抵は誰かが作ったフレームワーク、誰かが調べた情報を上手く組み合わせたり視点を変えることで、新たな知恵を産み出すのがコンサルタントの仕事のひとつです。

だとしたら、元にする情報や理論は正確でなくてはならないことは、誰でもわかるでしょう。

会社のライブラリに並んでいる桜谷の所蔵本は、オリジナルの情報を得るためのものばかりです。中には稀少本もあるのは、それがオリジナルだから。
同じ理由で、日本人が書いたビジネス書はあまり読みません。海外の情報をそれらしく再構成したものが多いし、オリジナルとして世界に通用するレベルのものが少ないと考えているからです。
また、桜谷は国語辞典とか英英辞書をよく使います。オリジナルというか定義そのものを確認するためです。


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桜谷慎一|GrabFuture
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