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レイヤード宮下パーク出店、そしてBGM

早いもので宮下パークが開店してから2ヶ月経ちます。時間の経過は本当にあっという間ですね・・・開店当初から当店Face Records Miyashita Park店の店内BGMを当社スタッフで手分けして担当させていただいておりましたが、10月から新しい選曲になります。
実は開店から9月までは私の選曲したリストもかかっていて館内で聞くたびにちょっと恥ずかしくなりました・・・もうそのプレイリストも今月いっぱいで刷新されるので、嬉しいような寂しいような・・・ここから聞けますので是非ご一聴ください!(プレイリストはSPOTIFYの中には残ります。)

どんな選曲家やDJにとって選曲した理由や流れを説明することほど恥ずかしいことは無いと思いますが、私はDJではないですし、選曲した理由がほとんど渋谷由来ということで文章にしてみました。


Miyashita park track list1  JAZZその他

Screamin Jay Hawkins - I put a spell on you
1980-90年代の渋谷といえばセゾン文化。セゾン文化といえばシネセゾン渋谷。シネセゾンと言えば「ジム・ジャームッシュ/STRANGER THAN PARADISE」ということでこのテーマ曲を思い出しました。

Kenny Clarke - Francy Boland Sextet - Day By Day
昔、渋谷系JAZZ DJの中で話題になったドイツ盤ジャズアルバム「MUSIC FOR SMALL HOURS」の中から。FATS SADIのボンゴが印象的なイントロから始まるジャズ・スタンダード。歌詞も素晴らしいです!

Yusef Lateef - Love Theme From Spartacus
渋谷で活動し、個人的に親交があった亡くなったNUJABESがサンプリングで使用した名曲。その曲自体は今でも世界的に人気の曲です。ある意味宇田川町JAZZ CLASSIC。

Cozy Cole - Topsy Pt II
1980年代後半に宇田川町時代のタワーレコード(abema TVビルの手前のビルにあったころ)で安売りしていたコンピに入っていた曲。個人的にこれを聞いてインストゥルメンタル曲が好きになりました。そしてこれを聞くと昔の宇田川町の無国籍通りを思い出します。

George Benson - Minor Chant
クレジットはGeorge BensonですがLonnie Smith/Finger Lickin' Goodにも同じ曲が収録されてます。ジャイルス・ピーターソンが手伝ったと言われる伝説のジャズコンピレーション「JAZZ JUICE」にも収録され、当時ジャズDJに非常に人気がありました。このコンピ自体が海賊盤らしいですが、この海賊盤の海賊盤が渋谷の新譜レコ屋に出回って「悪質だなぁ」と思ったことを思い出しました(笑)

Ambassadors - Ain't Got The Love Of One Girl
1994年にこの曲を使用したHIPHOP曲が発売され当時かなり話題になった曲。ホーンとビブラフォンが印象的なイントロから始まる60'sフィリーソウルとしてソウルファンにも人気でした。当時、日本国内でデッドストックのLPが出回っていましたがすぐに値段が高騰してました。

Joe Williams - Get Out Of My Life Woman
90年代後期になるとHIPHOPのブームが再燃し宇田川町では学ランを着た高校生までもレコードを買うようになり、新譜のサンプリングの元ネタ曲探しに明け暮れるファンが急増しました。その中でも人気の曲でした。原曲はニューオリンズのアラン・トゥーサン作でリー・ドーシーが歌い無数にカバーされてますが、一番ジャズ的なカバーで最高です!ニューオリンズの音楽は80年代後半に盛り上がり、桜ヶ丘の山手線ガード沿いにあったレコード屋さん「芽瑠璃堂」でよく買ってました。

Nina Simone - My Baby Just Cares For Me
1987年に「シャネルNO.5」のTVCMで使われて皆この曲なんだ?と探し回っていた曲。12インチもイギリスで再発され、その盤もその後人気でした。多くのDJから人気の曲でした。自分もDJの頃に渋谷公会堂の前にあったクラブでよくこの曲のROCKSTEADYのカバー曲をかけてました。

Michel Legrand - Arrival Of The Draymen
渋谷系JAZZ DJによって人気の再燃したフランス映画にサントラ「ロシュフォールの恋人達」の挿入曲。90年代はagnes.bの服を渋谷に居るほとんどの人が持ってたし(笑)、フランス音楽専門店もあったし、昔から渋谷にはフランス好きが多かったですね(笑)先輩のMIXテープのロゴとアニエスのロゴが似てたのは内緒です(笑)

Ronettes - Baby, I Love You
キャットストリートの出口に宮下公園があり、80年代後半にその周辺にはアメリカ買付の古着屋さんや古い雑貨屋さんがありました。そんなお店でいつも流れていたのは決まってこんなガールズ・グループやオールディーズとロカビリーでした。その頃を思い出す名曲。このような古い名曲を後世に受け継ぐのも我々の仕事だと思っております。

Blossom Dearie -- Sunday Afternoon
ウイスパーボイスがアンニュイな雰囲気を醸し出す、90年代のフリーソウル系DJにマストだったブロッサム・ディアリーの人気曲。今考えればナナ・ムスクーリとブロッサム・ディアリーはメガネ女子のさきがけですね(笑)?

Sunaga T Experience - かすかなしるし
敬愛する須永先輩の最高のアレンジによる、伝説的ユニットSABLIMINAL CALM(いとうせいこう・藤原ヒロシ)による1992年に発売された名曲。

Frank Cunimondo Trio & Lynn Marino - Feelin' Good
90年代中期にイギリスのレコードディーラーが、フランク・クニモンド本人から直接仕入れたデッドストックを仕入れて、そのまま渋谷にあった大型チェーン店にそのまま転売した(笑)思い出のLPの中の一曲。透明感のあるボーカルとクールな演奏が相まって最高の曲です。90年代、こういうローカルのマイナーなジャズやソウルがまだアメリカにはかなりあって、ワクワクしながら買い付けしてました。
(プレイリストには入ってませんが館内ではかかってます)



Miyashita park track list1 list2 FREE SOUL SOUL FUNKなど

渋谷といえば自分的にはジャズ、ヒップホップ、そしてフリーソウルです。「フリーソウル」とは国内の某DJの方が名付けた、70-80年代の心地よいソウルやロックなどの中からダンサブルな音楽をキュレートして名付けた、日本独自の音楽ジャンルを指します。ヨーロッパの一部では使う人もいるようです。

フリーソウル時代は皆レコードに飢えていて、お客さんもこちら側もある意味真剣でした。渋谷中のレコード屋が世界中のレコード屋を駆け巡って探してきた(誰も知らないはずの)レコードを「NEW DISCOVERY」としてDJに届けるみたいな。お客さんも試聴して気に入ったらそのレコードに付加価値価格で高値で買ってくれて。でも後で調べたらそのレコードは実は大ヒットした曲で全然珍しくないレコードで、後からお客さんに文句言われたりしてました(笑) 。でも、このフリーソウルの流行によって、それまで日本ではコレクターの音楽だったソウルミュージックが少しだけ市民権を得たような気がします。

このリストは当店で過去25年の間に何枚も販売し、とても人気だったレコードの中から選んでみました。

CHICAGO - Saturday in the Park
パークと言えばCHICAGOのこの曲かなと。もう30年以上前の「De La Soul - A Roller Skating Jam Named Saturdays」の曲で使用されてからずっと人気です。いつ聞いてもウキウキする曲です。

Weldon Irvine - I Love You
私がレコード業界に入った時にはウェルドン・アーヴィンの作品は既に全てのレコードがレアで、初期の「黒いジャケット」の3作は所謂「スピリチュアルジャズ」と言われマニアに非常に人気がありました。その後、RCAレコード時代にはサントラなども手掛けマルチな才能を発揮し、1976年にこの曲が収録されたLP「SINBAD」をリリースしました。晩年はアメリカのレコードフェアで自分のレコードを手売りしていたなどの目撃情報もあり、自分もサイン欲しいな、と思っておりましたが、2002年に亡くなった時は非常にガッカリしました・・・


Charme - Georgy Porgy
1999年にERIC BENETがカバーしたり、インコグニートの変名バンドなどがカバーしたり、当時他のカバーを皆、血眼になって探してましたね。これはボーカルがルーサー・ヴァンドロスなので非常に歌が上手く聞きやすいです!

Al Kooper - Where were you When I needed you
アル・クーパーといえばファーストアルバムに収録された名曲「JOLIE」が人気ですが、1973年発売の「赤心の歌」に収録されたこちらの曲もDJに非常に人気でした。


GLORIA SCOTT - That's What You Say
90年代にイギリスで非常に人気のあった女性ソウルシンガーのメローチューン。メローながら少し影のあるメロディーでミッドテンポの非常に良い曲です。アメリカのレコード屋でこれを初めて仕入れた時はテンション上がりました(笑)


Touch of Class - Love Means Everything
DJ MURO氏によって発掘され広まったフィラデルフィアのヴォーカル・グループによる込み上げるようなメロディーの素晴らしいソウルダンサー。オリジナルLPは2000年代まで存在を知らなかったほどのレア盤でした。


Roy Ayers - For Real
超絶レア盤のソウル7インチ「FLOWERS / FOR REAL」のカバーです。現在でもオリジナル曲の7インチは世界的に人気で軽く数千ドル超えです。オリジナル曲よりもパンチのある曲調にビブラフォンが絡むかっこいい曲。Roy Ayers抜きにして渋谷のレコード文化は語れません!

Benny Golson - I’m Always Dancin’ to the Music
ベニー・ゴルソン自体はクインシー・ジョーンズなどと並ぶモダンジャズの代表的なサックス奏者/編曲者ですが、そんな大御所が作ったメローなソウルチューン。90年代にロンドンのジャズ系DJに「JAZZFUNK」として教えてもらい、当店でも人気でした。

Isley Brothers - Love the On You’re With
アイズレー・ブラザーズは50年代の"SHOUT"から80年代の"BETWEEN THE SHEETS"までヒット曲を出し続けていたグループで、サンプリングの元ネタになっている曲もかなり多くあります。中古レコード屋さんにとっていろんな意味でありがたいバンドでした(笑) その中でも71年の「Givin’ it back」と72年の「brother,brother,brother」の2枚には、フォークギターを使用したメローチューン「Work to do」やこの曲などフリーソウル系DJにとても人気でした。

Terry Callier - Ordinary Joe
こちらもイギリスでは90年代に再発盤が出るほど人気のテリー・キャリアーですが(イギリスで人気が出たのは歌詞が良いため?)このアルバムは日本でも非常に人気がありました。そしてこれもNUJABESがカバーして人気が出てました。

Al Green - Let’s Stay Together
90年代を代表するカルト的名作、映画「パルプ・フィクション」で効果的に使われてました。世界的に人気の名曲ソウルです。MAROON5やUSHER、TINA TURNERなど色んなアーチストにカバーされてます。歌詞も素晴らしく、結婚式に良さそうな曲ですね(笑)

これ選ぶのにかなり時間かかりました・・・DJって大変ですね。


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