サッカー界の仕事をドリームジョブにする②

前回のnoteでは、「サッカー界の仕事をドリームジョブにする」という夢を志すまでを書きました。

今回は、今僕がサッカー界について考えていることを書きたいと思います。

僕がやりたいのは、プロサッカークラブの活動を通した社会貢献です。
夢編で述べた通り、僕が一番社会貢献になると思っていることは、「やりがいをもって取り組める仕事を提供すること」です。サッカーに関わる、クラブに関わる仕事をたくさん生み出して、雇用を生むこと。やりがいのある、面白い仕事を大量に提供すること。これがまず僕がやりたいことです。

これは、これからの世の中とっても鍵になることだと思います。「AIに仕事を奪われる」と最近よく言われますが、僕はこれはめちゃくちゃポジティブなことだと思っています。機械化によって手工業者は仕事を奪われてきた。でもその代わり、少ない作業でも多くのお金を手にすることができるようになって、余暇が生まれて。エンターテイメント産業がここまで発達し普及したのは機械化によって仕事の概念が変わったからだと思っています。今回も、同じことが起きます。人間は不必要な仕事から解放されます。
ここで重要なのがサッカー界をはじめとするエンターテイメント産業です。ほかの産業で、不必要な仕事から解放された人たちの受け皿を作っていく必要があります。「好きなことをして生きていける」時代になったとしても、働くことは必要です。「好きなことで生きる」とは「好きな仕事で生きる」ということです。ここでエンターテイメント産業が雇用をどんどん生み出していかないと、社会にひずみが生まれていきます。

ただ、今のサッカー界にはそんな体力は無いというのが現状だと思います。先述した通り、今現在抱えるスタッフにも潤沢には賃金を払えていませんから、雇用をもっと生み出そう!なんて無理な話です。雇用を生み出すことは奉仕であってはいけない。新しい人材を雇うことで会社に利益がある状態、Win-Winな状態でなければ意味がない。サッカークラブは、もっと儲けなくちゃいけないんです。つまり、社会にとってもっと価値を生み出す存在にならなくてはいけない。

スポーツ界には『儲ける』ということへの抵抗があります。これは、産業の形ではありません。奉仕、社会貢献、そんなことは目的にはしてはいけない。クラブが会社である以上、利益を最優先に考えていかなければならないと思っています。本当の社会貢献とは、ビジネスライクなものとトレードオフに行うものではなく、自己の目的を最大化するうえで同時に成し遂げられるものです。まさに、利益を生み出すために雇用を生み出し、困っている人達を救うというようなことです。サッカー界は、有名ではあってもビジネスとして、産業としては弱小です。これから社会の中核を担っていかなくてはいけないのに。もっと産業としてサッカー界を前に進めていく優秀なビジネスマンがサッカー界には必要です。

でも、今のサッカー界は優秀なビジネスマンから避けられています。そういう構造になっています。その理由は間違いなく、前回のnoteで述べたネガティブなイメージです。

今のサッカー界は、給料が安くても、ブラックでも、それでもサッカーに関わりたい!という熱い想いをもった方たちが集まる構造になっています。その方たちのことは僕は本当に尊敬しているし、なんなら僕もそういう考えです。適当な想いでサッカー界に来てほしくない、そう思う人もいるかもしれません。

でも僕は、このままだとサッカー界は産業として三流のままだと思っています。優秀な人材たちは、金融業界や、商社や、経営コンサルや、大手メーカーや、イケイケのベンチャーや、30~40代で年収1000万円以上もらえるような職種にどんどん取られていきます。もしサッカー界に少し興味があったとしても、賃金と労働環境で比べられて惨敗。そのレベルからサッカー界に入ってきてくれる人たちは、よほど想いの強いほんの一握りの人たちです。

今のサッカー界に関わる仕事は、Jリーグが始まる前までのサッカー選手のようなものです。プロじゃないからお金も大してもらえない、だから仕事をしながら働かないといけない、環境もそこまで整えられていない。賃金も環境も不安を抱えながら、それでもサッカーがしたい!という人だけが残る。うまくても、サッカーがしたくても、自分のため、家族のためにサッカーを諦めた人も沢山いると思います。サッカーへの想いと生活の安定を天秤にかけ、そこでサッカーを続けたい人がふるいにかけられている状態です。

それが、Jリーグが発足して、プロサッカー選手という職業が生まれて、サッカーをすることと生活を安定させることがトレードオフではなくなった。サッカー選手はみんなの憧れの職業になった。その結果、日本サッカーはW杯に欠かさず参加し世界を少しだけ沸かせられるレベルまで来ています。Jリーグの発足によってサッカープレイヤーに対する概念がガラッと変わった。これが日本サッカーが大きく前に進んだ要因だと思っています。

つまり、サッカー界を産業として大きく前進させるためには、「Jリーグの発足」レベルの概念と構造の転換が必要で、そして「サッカー界の仕事をドリームジョブにする」ことは必須条件なのです。

優秀な人材がどんどん集まる業界になれば、今サッカー界が抱えているたくさんの課題にもアプローチすることができて、勝手に前進していくシステムが出来上がります。

今は、サッカー界に興味がある人材ですら他の業種に奪われているのが現状です。そういう僕も今は新米の経営コンサルタントです。就活を始めるまで名前しか聞いたことがなかった。サッカーが大好きでも、みんなそういうところに就職していきます。これが現実です。

決して今サッカー界で働く方々が優秀じゃない、と言っているわけではありません。何度も言う通り、能力と経験と熱意を併せ持った方々が沢山いらっしゃいます。ただ、本当はサッカーやスポーツに関わる仕事をしてみたい、と心の中で考えている人はもっともっと沢山いるはずなんです。筑波で出会った同期、先輩、後輩だけでも何人もそういう声を聞きました。

本気で行きたければ行けばいい。待遇がどうとか気にしている時点で本気度が足りない。僕だってそう思います。もし自分がサッカー界で働いていて、そういう相談を受けたら間違いなくそう答えます。でもそれは、個人の問題です。ミクロな視点での回答です。サッカー界に来るか来ないかは結局個人の自由意志です。でもそれはそれで置いといて、全体的にサッカー界に人材が流入しやすい構造を作ることはめちゃくちゃ重要だと思います。サッカー界に行きたいと思った人に対する障壁を取り除いていって、マクロな流れを作り誘導する。

サッカー界にどんどん優れた人材が流入してきて、サッカー界が抱える問題をじゃんじゃん解決していって、もっと面白いコンテンツをばんばん作ってぐんぐん利益を伸ばして、つけた力でサッカー界に関わるやりがいのある仕事をがんがん生み出していく。そうして受け皿が広がると、また人材が流入してくる。このサイクルをなんとか生みたいと思っています。

そして、このサイクルの起点となるのが「サッカー界の仕事をドリームジョブにすること」だと僕は考えています。

就活生が商社や投資銀行や経営コンサルに並んで名前を挙げるような職業にしたいです。
子どもたちがサッカー選手や宇宙飛行士やYouTuberに並んで将来の夢に選ぶような職業にしたいです。

これが僕の夢です。

ただやっぱり、どうすれば良いのかわからないというのが現状で、これだけ語ってきたもののスポーツビジネスの内側なんてほとんどわかっていないに等しいし、確固たる戦略があるわけでも何でもありません。

なので、間違っていることはズバッと指摘していただきたいです。
そして、もし僕と同じような課題感をもっている方がいらっしゃったら、ぜひお話しさせていただきたいです。

どうやってサッカー界の仕事をドリームジョブにしていくか。
これからも考え続けていきます。

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