サッカーに関わる仕事をドリームジョブにする①

僕は小学校に入学してすぐにサッカーを始めました。そこから愚直なサッカー少年となり、「将来の夢」の欄には当たり前のように「プロサッカー選手」が埋まるようになりました。

そのサッカー人生が、2019年で終わりを迎えました。

サッカーに関わる仕事をドリームジョブにする
これが僕の今の目標です。

「経営」に興味を持ち始めたのは高校生の時でした。
とある講演会を聞いているとき、こんな言葉が耳に残りました。

「君たちにしかできない社会貢献をしろ」

社会貢献といえば、寄付をしたり、ボランティアをしたり、困っている人を直接助けることだというイメージがありました。
その時講師の方がおっしゃったのは、そういったすぐに取り組める社会貢献ももちろんいいけれど、政治や経済、社会を引っ張る存在として、しっかりお金を稼いで大規模な社会貢献をしろ!ということでした。

プロサッカー選手以外で初めて、やりたいこととしてビビッときたのがそれでした。そこで、自分がどういう形で社会貢献をしていくか考えました。

よりよい社会を作ること、今困っている人を助けること。僕が一番社会貢献になると考えたことは、「やりがいをもって取り組める仕事を提供すること」です。

困っている人にお金をあげても、それは一時的な支援にしかならない。根本的に解決するには、その人たちが自分の力で生きていけるようにするしかない。もちろん一時的な支援も、一時的に生き延びるために必要です。でも「支援」としてお金を渡すのと、「仕事の対価」としてお金を渡すのは全く意味が違う。本当に困っている人たちを助けたいのなら、生きていくうえでの安心感と、社会の構成員でいることの幸福感、そして何かに夢中になれるという充実感を感じてもらうしかない。それをすべて叶えようと思ったら、「やりがいをもって取り組める仕事を提供すること」。これが最強です。

僕はこれをできる人間になりたい。そう思って「経営者」というポジションを志すようになりました。そして、せっかくなら自分がずっと関わってきたサッカー界でそれを成し遂げたいと考えました。

大学生になって筑波大学蹴球部に入部してから僕は、「プロサッカークラブの経営者になりたい」と口にするようになりました。友達に対しても大人にも対しても。そうすればいつか、何かチャンスが巡ってくるんじゃないかとの下心もありました。実際、小井土監督はそういった夢を持つ僕にいろんな方を紹介してくださったり、書籍を貸してくださったりと気にかけていただきました。その他にも貴重な経験が沢山ありました。

ただ、ポジティブな反応だけではありませんでした。
「クラブのスタッフはブラックだからなー」
「儲からないし、食っていけるか分からないよ」
サッカー界の仕事に対して、こんなイメージを持っている人が大勢いました。正直、意外でもなんでもありませんでした。


「やっぱりそうですよね~笑」そう言って受け流しつつも、
「俺、この道で大丈夫なのか?」と少しずつ不安が募っていく。
俺の憧れていたものって、やっぱりこんなイメージなんだ。そりゃそうだよね、Jリーグのクラブなんて名前だけは知られているけど、事業規模でいったら町の中小企業とどっこいどっこいで、スポンサーになんとか助けられて存続してて。安い給料でもそれでもいい!っていうサッカー大好き人間たちが身を削って必死で働く、そんな職場。そんなイメージ。


悔しい。

段々と僕はそう感じるようになりました。
そのときは、クラブで働く人の話を聞いていたわけではありません。だから実際のところどうかなんて全然わかりませんでした。でもそんなことはどうでもよかった。みんなが、自分が、こんなイメージを持っていることは事実なんです。サッカー界で働くことを志すとき、みんな必ず賃金の面や、働き方についてで一旦引っかかる、これが事実なんです。

僕はそれまで、「クラブの経営者になること」を目標にしていました。
でもそこから、「サッカー界の仕事をドリームジョブにすること」が新しい目標になりました。

憧れの職業がみんなの憧れるものじゃないのなら、自分の手で憧れのものにすればいい。

なんだか、すごく壮大で難易度の高い目標になってしまいました。
でも、僕は元からこういうことがしたかったんだなと今になって思います。サッカー選手とか、経営者とか、そういったポジションは本当は手段でしかない。世の中に自分が伝えたいことを伝えやすくするためのツールでしかない。「将来の夢」と言われてみんなが答えるのはいつも何かのポジションだった。しっくりきているようでしっくりきていなかった「将来の夢」の欄に、初めて「なりたいもの」じゃなくて「やりたいこと」が納まりました。

ただ、一つ重要なことがあります。

それは、「なりたいもの」にはレールが通っているけど、僕の「やりたいこと」をやるには、レールを創っていかなければならないということです。
今まで愚直に、サッカーに勉強に、やるべきことを頑張ってレールの上をダッシュしてきた僕の先には僕が理想とするものはない。そう思うとなんだか不安になります。

今まで頑張ってきたものって、全て頑張り方が分かるもので、たくさん練習すればいいしたくさん勉強すればよかった。今回はそれすらわからない。どうしたら上手くいくか、方向性もわからない。

だから今僕がしなければいけないことは、とにかく考えること。自分のやりたいこと、成し遂げたいこと、伝えたいこと、変えたいこと、そしてサッカー界の未来。レールを創っていくには思考力が必要です。

今回は、「サッカー界の仕事をドリームジョブにする」という夢をもったきっかけと想いについて述べました。
②では、サッカー界の現状と未来、それと僕の夢の関わりを考察したいと思います。

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