【ミカタをつくる広報の力学】 #41 環境月間を盛り上げよう
今週から6月に入り、明日6月5日は「環境の日」。ということで今回は「環境月間」について書きたいと思います。
サステナビリティが求められる時代、環境課題はみんなが関心を持つ話題づくりができるはず。ということで、「環境月間」が出来た背景や、環境に絡めたPRの方法などを書いていきます。
※初めての方は、「#00 イントロダクション」をお読みいただくと、コンセプトがわかりやすいかと思います。
「環境の日」と「環境月間」について
まずは「環境の日」と「環境月間」の説明から。
冒頭でも書いたように、6月5日が「環境の日」もしくは「世界環境デー」、6月が「環境月間」です。
ことの起こりは、1972年6月5日からストックホルムで開催された「国連人間環境会議」。
その開催日を記念日にしようと考えた日本とセネガルの共同提案により、国連総会にて「世界環境デー」と制定されました。これ以降、毎年同時多発的に、加盟国は環境保護の啓発活動をしていくことになります。
当初、日本においては6月5日からの1週間を「環境週間」としていましたが、1991年からは6月の1ヶ月間を「環境月間」とし、「環境基本法」で6月5日を「環境の日」と定めました。
というわけで、6月は環境活動が活性化することが予想されるのですが、実はそれだけではありません。
私も最近知ったのですが、環境省では今年から「月間」をバージョンアップするそうです。
12月に設定されていた「地球温暖化防止月間」や「大気汚染防止推進月間」なども「環境月間と統合的に実施」とのこと。
詳しくは下記、環境省ホームページをご覧ください。
いずれにせよ、環境に関する諸々のイベントは、今年から6月に集中することになりますので、かなりの注目が集まるのではないでしょうか。
環境に関する話題づくり
注目が期待できる「環境月間」ですから、PR活動においても戦略的に展開する価値があります。
「環境月間」初日の6月1日や「環境の日」6月5日に全段広告を打つ企業も多いのではないでしょうか。
環境省も6月1日に興味深いニュースを発表していました。
一つは、「食品ロス削減」を目的として、賞味期限の短い商品から選んでもらう「てまえどり」を呼びかける取り組み。
もう一つは、環境省内をはじめとするコンビニ店舗にて、プラスチック製カトラリーを辞退した人にポイントを付与する実証実験。
環境省のセルフネタとはいえ、どちらも消費者が関心を持てる身近な話題になっていて、環境月間の幕開けを飾るのにふさわしいニュースといえます。
環境ネタをつくるアプローチとして、最近ではSDGsの観点から取り組むと分かりやすいかもしれません。目標としては、以下の5つになるでしょうか。
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
12.つくる責任 つかう責任
13.気候変動に 具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
具体的には、バイオマス素材やリサイクル素材を使った製品、プラスチックの削減や地産地消の推進、食品ロスの削減、社内の省エネルギー活動なども該当するでしょう。
環境への取り組みをPRしよう
環境課題に取り組んだら、ぜひニュースとして発信しましょう。
最近ではESG投資というニーズもあるようなので、少しお堅いですが「CSRレポート」や「環境報告書」などのコーポレート資料がオーソドックスでしょうか。直接的に「サステナビリティレポート」と呼ぶ企業もありますね。
ブランドコミュニケーションに重点を置いて、広報誌やオウンドメディアで展開するのもアリです。
その場合は結果よりも活動のプロセスが重要になってくるので、日々の活動を追いかける方が面白くなるでしょう。
例えば、社内の環境活動に密着したレポートをnoteに連載するなど、様々な演出や発信方法が考えられます。
私が得意先の方々にお勧めしているのは環境省記者クラブです。
ハードルは少々高めですが、ネタさえ良ければピンポイントでヒットさせられるからです。
もちろん、いきなり送り付けてはダメですよ。電話で確認してからにしましょう。
環境ネタでPRを考える場合は、上記のようなメディアを多角的に連携することをお勧めします。
環境への取り組みは製品PRと違って、ターゲットを選びません。
投資家、消費者、取引企業、リクルーターなど、あらゆるステークホルダーにビジョンを訴えることができるのです。
サステナビリティが求められる時代の環境月間ですから、ライバルも多いですが、挑戦してみる価値はありますよね。
おわりに
今回は「環境の日」と「環境月間」、環境ネタのPRなどについて書きました。CSRやESGのど真ん中の話題なので、関心のある人は多いのではないでしょうか。
本文でも書きましたが、明日6月5日の新聞広告はどんな企業が載るか楽しみですね。全紙見比べてみると面白いかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
共感してもらえましたら、スキやフォローをいただけると励みになります。
ではまた次回お会いしましょう。