【ミカタをつくる広報の力学】 #20 通信社をPRに活用する
今回は、今まで質問が多かった通信社について書きたいと思います。
通信社はメディアに対してニュースを配信するので、私の知人はPRにも活用しているようです。じゃあ、というわけではないですが、私なりのPR企画も書きましょう(笑)
※初めての方は、「#00 イントロダクション」をお読みいただくと、コンセプトがわかりやすいかと思います。
通信社はニュースの卸問屋
通信社とは、ニュースの収集と配信を行う組織のことをいいます。
もう少し具体的にいうと、自社の記者が取材したニュースや他の通信社から仕入れたニュースを、新聞社やテレビ局などのメディアに対して販売するのが仕事です。
日本国内では、共同通信社と時事通信社が二大通信社と呼ばれています。
一方、世界の三大通信社は、AP(米)、ロイター(英)、AFP(仏)の3社です。
海外のニュースのクレジットで、「ロイター発共同」というのを見たことがある人もいるかと思います。
これは、英国のロイター通信社で取材したニュースが、日本の共同通信社を経由して発表されています、ということです。
共同通信社の場合は社団法人で、加盟社の多くは地方の新聞社です。
理由は以前書いたかもしれませんが、地方紙の抱えている記者の数は決して多くなく、そのほとんどを地元の取材に費やしているからです。
メディアにニュースを流通する仕組みを例えて「ニュースの卸問屋」と呼んだりもするそうです。
共同通信社の仕組み
上でも書いたように、日本国内のニュース市場における共同通信社のシェアはとても大きいです。
加盟社の多くは地方新聞と書きましたが、それは「一般社団法人共同通信社」の話。共同通信グループには、社団と同じ名称の「株式会社共同通信社」をはじめ様々な子会社が存在するのです。広報を担当している人は「株式会社共同通信ピー・アール・ワイヤー」の方が馴染みがあるでしょうか。
一般社団法人共同通信社がニュースを配信できるのは、社団の加盟社や契約社といったマスメディアに対してだけです。
対して子会社である株式会社共同通信社には、一般企業や官公庁、団体にニュースを配信する役割があります。
他にも、株式会社共同通信デジタルが配信しているデジタルサイネージ向けのニュースや、地方新聞とともに運営する株式会社全国新聞ネットが配信している「47NEWS」というウェブサイトもあります。
社団法人に集めたニュースは、全国の地方紙のみならず子会社を通じて、
ウェブサイトやサイネージにまで配信される可能性があるということなのです。
ネタを売り込むときには、新聞社だけでなく通信社も活用した方が拡散効果が高そうな気がしませんか?(笑)
PRネタを通信社に売り込もう
メディアリストに通信社を書いてない人が意外と多いので、まずは通信社をリストに加えておきましょう。
そしてニュースリリースを流すときには、通信社にも送っておきましょう。
一般的なリリース配信はこれで良いとして、狙い撃ちするときの企画も大切ですよね。以下はあくまで例ですが、こんな企画なら売り込みやすいのではないか、というものを書いてみます。
例えば、ゆるキャラとかご当地グルメのフェスなど、複数の地方都市を連携させるような企画であれば、参加する地域の地方紙だけでなく、通信社にも売り込めるチャンスではないかと思います。
共同通信社の場合は、それを支えている加盟社つまり地方紙のニーズを重要視します。それが複数の新聞から求められるとなれば、通信社サイドで配信してくれる確率も高くなるのではないでしょうか。
もし通信社が配信してくれるとなったら、その拡散はかなり期待できるといって良いでしょう。
おわりに
今回は、あまり知られていない通信社について書いてみました。
PRへの活用は少しハードルが高いとは思いますが、試してみる価値はあるかと思います。
通信社と懇意にしている広報担当者は少ないかもしれませんが、チャレンジしてみるのも良いのではないでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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ではまた次回お会いしましょう。
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