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TRPGってどんなゲーム?②

[2-0:はじめに]

第一回では、TRPGが〈アナログゲーム〉のひとつだというお話と、その由来について説明をしました。
まだ読んでいらっしゃらない。という方はぜひ前回の「TRPGってどんなゲーム?-1」 を読んでいただければと思います。

[2-1:どんなことができるゲームなのか]

今回の主な内容は、TRPGとは一体〈どんなことができるゲームなのか〉についてお話していきます。

◆簡単に説明して?と言われたら◆

TRPGでは〈なにができるの?〉と聞かれれば、遊んだことがある人は「基本的には何でもできる」と答えることでしょう。
しかし、この答えではTRPGを知らない人からすればまったく内容の想像ができないことと思います。

経験者がTRPG未経験の人に説明をするとき、以下のような言葉で伝える場合があります。
それは「ルールが決まっているごっこ遊びのようなもの」という説明です。
まだ少しばかりわかりにくいので、さらに簡単にお伝えするなら、皆さんが子どもの頃に遊んだであろう〈お人形遊び〉や〈ヒーローごっこ〉などにとても似ています。

似ている理由は、遊ぶ人間が自由な発想で〈なにをしたいのか〉を決めることができ、それを〈実行できる〉ところです。
ただ、小さな子どもの頃のすべてが自由だったそれらとは違い、明確に《システム》という形でルールが決められているのがTRPGの特徴なので、そのため〈ルールが決まっているごっこ遊びのようなもの〉と表現することが多いのです。

◆RPGとTRPGの違い◆

皆さんがRPGを想像するとき、一体どのようなゲームを思い浮かべるでしょうか?
ほとんどの人が機械を使用して行うコンピューターゲームの方を想像するのではないでしょうか。
そしてそれらは皆さんが主人公を操作し、仲間のキャラを増やし、レベルなどの〈ステータス〉を上げてエンディングを目指していくようなものではないかと思います。
前回お話ししたとおりTRPGもRPGですから、実際に遊ぶ人間がキャラになりきり演じていること以外はコンピューターゲームのそれとよく似ています。

話に出ている二つを比べたときの大きな違いは「TRPGはあらかじめ作られたデータではない」ところです。
コンピューターゲームは発売前にデータとして物語が完成されており、そのデータで作られた内容に沿って物語が進んでいきますよね?
ですがTRPGは遊んでいる人間がキャラのセリフや行動をその場で考えて演じているので、それぞれの発想が織り交ぜられて物語が進み、本来であれば一本道だったはずのルートに気が付けばいくつもの分岐点ができていて、そこからまた何を選択するかでさらに内容が変化していくのです。

◆具体的な例◆

それではいくつか例を挙げてみましょう。

まずはキャラ同士が話すのに必ず必要な、話しかけるという行為から。
一般的なRPGで主人公がNPCなどに話しかけるとき、ほとんどは機械のボタンを押すだけでできるようになっていると思います。
ですがTRPGでは現実世界と同じように、声のかけ方によって相手がどう感じるかなどを考え演じていかなければいけません。
同じ「こんにちは」という挨拶でも、文字化された単調な挨拶と、実際の声の調子がわかる挨拶では相手の対応も変わってきます。
TRPGにおいて、キャラとして意識をして柔らかく丁寧に挨拶をすれば、相手のキャラも警戒心などを解いて丁寧に応じてくれるかもしれません。(※これは物語の内容と相手によりますので、その点はご了承ください)

これは同時に、情報を得るときにも同じことが言えます。
例えば魔王が出現したときのこと。
RPGの決められたデータ会話で主人公たちが「なにがあったのか」を聞くと、NPCは「魔王が出たんだ」と答えてくれます。
しかしTRPGでは〈どこで、なにがあったのか〉や〈どんな被害が起きているのか〉など、聞きたいことをそのまま聞くことができ、《ゲームの進行役》であるゲームマスターが演じるNPCは「西の森で魔王が出た。森の半分が焼かれてしまった」と聞かれたことに対してより詳しく教えてくれることがあります。
上記は同じように魔王が出たという情報であっても、聞き方に違いを付けることができるTRPGならではの楽しみ方です。
これらが機械のRPGとアナログゲームのTRPGとの大きな違いだと作者は考えています。

[2-2:最後に]

これにて第二回は終了とさせていただき、次回は実際に遊ぶために必要なものについて説明していく予定です。
次回もぜひご覧いただけましたら幸いです。

[第二回:専門用語一覧]

▷システム:TRPGを遊ぶ上で必要不可欠なもの
▷ゲームの進行役:TRPGを遊ぶときにデータの代わりにゲームを進めてくれるメンバーのこと。基本的にはゲームマスター(GM)と呼ばれることが多い


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