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メーカーのマーケティング/販売代理店のマーケティング
一つの製品を販売するにあたって、複数のマーケティング組織が動いている事があります。理想的には一つの製品に関するマーケティングは一元化され、ブレのないようにするのが理想ですが、組織の目的の違いによってブレが発生してしまうこともよくあります。
さて、複数のマーケティング組織が動くパターンでよくあるのが、メーカーと販売代理店がそれぞれにマーケティングを行う場合です。私はメーカーでのマーケティング経験しかないですが、販売代理店のマーケティング施策は横目で見てましたので、その辺の経験を踏まえてお話しをしたいと思います。
メーカーのマーケティング
メーカーのマーケティングの目的は主としてCACP(Creating Awareness / Changing Perception)です。日本語では認知獲得と興味喚起になります。メーカーが直販モデルをやっていない場合は、基本的にリードの獲得を目的としません。そのため、あまり個人を特定しないアプローチで顧客の意識を変えていくような施策を取ります。今では、SNSやメールなどで何度もコミュニケーションを取れるようにはしますが、リードと捉えていないケースが多いです。
代理店のマーケティング
販売代理店のマーケティングはリード獲得を一番の目的としています。そのため、セミナーや展示会、ホワイトペーパーダウンロードといった、顧客のプロファイルを獲得することを主眼に置いたマーケティング施策を取ります。
発生するズレ
ここで発生するズレは前回の記事でも書きましたが、兵站線が切れてしまう状況です。せっかくメーカーが認知獲得して、興味喚起をしても、その人たちを直接次のフェーズに連れて行けないといった分断が発生します。
ズレを減らす「のりしろ」
もちろん、このズレはメーカー側にとっても、販売代理店側にとっても望ましい状況ではないので、ズレを減らすような仕組みを作ります。
例えば、共催セミナーを開催して、メーカー側で獲得した顧客に対してセミナーに誘導し、販売代理店はそこにきた顧客をリード化するといったことを行います。他には展示会への共同出展だったり、メーカー主催のイベントで出展してもらったりと、「のりしろ」を作ります。
理想としてはメーカーから直接リードを受け取る事が望ましいですが、個人情報保護の観点などで、企業間でリードのやりとりをするのはあまり推奨されません。
とはいえズレることも
のりしろを作ってなんとか兵站線がつなげる事ができたとしても、それで一安心ではありません。メーカー側と販売代理店側でメッセージが異なってしまう事がよくあります。
メーカー側は製品単体でのメッセージになりますが、販売代理店の場合は自社のサービスも併せて販売するケースも多いので、メッセージがどうしても販売代理店の都合の良い方向にブレてしまいます。
ただ、このケースでは最終的に手に入れるものが顧客にとってメリットがあれば良いので、あえて修正する必要はありません。ただし、あまりにもかけ離れていると問題ですので、販売代理店に向けては、自社のメッセージングについて十分説明しておく必要があります。
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