簡単に始めるインターネット販売(EC)の方法とは?小売店が今からでもできる対策と注意点について
こんにちは、しながわ商店街応援プロジェクトです。
新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、緊急事態宣言が発出され5月6日以降も延長すると言われております。
このような状況のため、営業自粛を余儀なくされたお店や、休業・閉業をすることになったお店が多いかと思います。
そんな中、品川区・五反田バレー・品川区商店街連合会で品川区の商店街にあるお店をはじめ、多くのお店さんのお役に立てること、お店で買い物をしたいお客さんに喜んでもらえることはないか?と考え、しながわ商店街応援プロジェクトを立ち上げ、「お店がコロナ禍でもサービスを提供できる方法」をまとめて、みなさまに発信していきたいと思います。
今回は小売店向けのテーマになっておりますが、サービス業(整体・美容室など)向けのテーマや飲食店向けのテーマも今後発信をしていく予定です。
ぜひ、周りの方でお困りの方がいらっしゃれば、こちらの記事を共有していただけますと幸いです。
また、こちらの記事はECエバンジェリスト 川添 隆様と小売店の支援を行う株式会社Patheeの監修で作成しております。
ECエバンジェリスト 川添 隆様について
佐賀県唐津市出身。アパレル関連企業を2社を経験後、前職のクレッジでEC事業の責任者としてEC売上を2年で約2倍、LINE@の成功を収める。2013年7月よりメガネスーパーに入社。EC事業、オムニチャネル推進やデジタル全般を統括し、6年強でEC事業の年間売上は6倍、自社ECは月間受注は13倍に拡大。2018年よりビジョナリーホールディングス執行役員。
また、2017年にエバンを設立し、複数企業のアドバイザーに従事。
1. 今からでもできる!小売店がインターネット販売(EC)について
店舗の営業が自粛になったことによる大きな影響は「お客さんが店舗に足を運べなくなってしまった」ことです。しかし、店舗に来れなくなったお客さんの消費活動が止まっているかというと、そういうわけではありません。モノを買う方法が制限されただけで、購買意欲はなくなっていません。
お店に行きたいけど外出を自粛している人や、商品が欲しいけど買えない状況にある人にも商品を届けられるようにしましょう!
なので、今回はインターネットで商品を販売する方法(EC)についてご紹介をします。
※EC(Electronic Commerce)とは、電子商取引と訳され、インターネットで物品やサービスを売買することを意味しています。
ECを活用することで、店舗にお客さんが来なくても商品を販売することができます。今はECに関連する仕組みも増えてきており、かなり低コストで(うまくやればコストをかけずに)ECを始めることができます。
一方で、ECを始める上では下記のような注意も必要なので、併せて準備をしましょう。
どのタイミングで注文が入るかはお店側ではわかりません。そのため、店舗スタッフが注文が入ったかどうか確認し易くしておく必要があります。
また、オンラインで商品が買えることのアピールが必要です。
今回の記事では、ECの始め方についてご紹介をします。ECを始めたことを「どのようにPRすべきか」は別途記事を作成しますのでお待ちください。
2.ECの始め方について
ECを始める上で「何をやるか全く見当がつかない・・・」という方は、まずはメルカリに私物を出品して販売、発送までやってみてください。メルカリは個人のECのようなものです。全体的な流れをイメージするには一番良いアプリです。
2-a.ECプラットフォームを活用した、ECのやり方
一言でECを始めると言っても色々な方法があります。必ずしも、「ECサイトをオープンする」必要性もなくなってきています。
ただし一般的には、ECプラットフォームといわれるような専用サービスを活用してECを始めることが多いです。個人店の方が使うツールとしては、BASEやSTORES、Shopifyなどが良く挙げられます。
BASEやSTORESは初期費用無料で決済手数料のみで、固定費がゼロからでも始めることができます(機能追加で有料になります)。また、Shopifyも月額米ドル$29から始めることができて、より自由度の高い表現も可能になります。ただし、Shopifyは一定の専門的な知識が必要です。
※詳細の金額は各サービスページをご参照ください
今回を機に本格的にECサイトのお店を構えたいと思っている方は、上記のサービスの導入を検討してみてください。
BASEとSTORESに関しては、新型コロナウィルスに関する特別窓口を開設しているので、そちらに問い合わせをしていただくとスムーズです。
また、「BASE 使い方」などでGoogle検索すると、すでに利用方法を公開した記事が見つかります。
2-b.SNSを活用した、費用をかけないECの始め方
「まだ費用をかけて始めるべきかわからない」「どのサービスを使うべきか判断できるほどECがわからない」という方も多いかと思います。また、登録にも一定の時間が必要になってきます。
今回は、そういった方に向けて無料で始めることができるSNS(Instagram)を活用したECの始め方もご紹介させていただきます。
3.費用をかけずにECを始める手順
ECプラットフォームを使うことで、カード決済や顧客データの管理などの便利な機能を活用できますが、いきなり活用するにはそれなりの専門知識が必要になります。
できることは限られますが、ライトに始めたい場合にはSNSで「EC=オンラインを通じた注文の受付と発送」を始めましょう。
販売したい商品の1~2種類であったり、事前に販売する商品が周知できている場合は、Facebook、Twitter、LINEでも注文を受けることは可能です。また、お客さんの年齢層が40代以上の場合は、LINEの方が連絡を取りやすいでしょう。
複数の商品を見てもらったうえで注文を受ける場合は、Instagramで始めることを推奨しています。
また、実際にInstagramでECを始める場合、どのような手順かを簡単にまとめさせていただきました。
それぞれのポイントをご紹介させていただきます。
3-a. SNS(Instagram)のアカウント取得・設定方法
Instagramは電話番号かメールアドレスがあればアカウント取得が可能です。
アカウント名には店舗名を入れて登録をしましょう。
登録方法の詳細は下記を参考にしてください。Instagramであれば周りに使っている人もいると思います。困ったら周りの方に聞いてみましょう。
アカウントの取得が完了したら、操作方法を見ながら試しに画像を掲載する練習、ダイレクトメッセージ(DM)の送り方を家族や知り合いで練習しましょう。
下記のような内容を自己紹介欄や、写真のキャプション(説明文)に記載しましょう。
通販も承っております。
通販でのご注文の際には、下記を記載の上、DMからご連絡お願いいたします。
1.商品番号
2.商品名
3.氏名
4.電話番号
5.住所
6.支払い方法(代引きor銀行振込)
「税込商品代金+送料●●円+代引きの場合は代引き手数料」が注文金額です。
代引きは発注後(支払い確認後)●日以内に発送いたします。
※送料/振込手数料は購入者にご負担いただいております。ご了承ください。
また、支払い方法に関しては、「代金引換(代引き)」または「事前の銀行振込」になります。
代引きで発送する場合は、まず宅配業者に「代金引換用の元払い伝票」をもらいましょう。お近くの郵便局などでも可能です。件数が増え来た場合は、「ご依頼主」の印字を宅配業者にお願いすることも可能ですし、申し込みをして定期的に集荷に来てもらうようにしましょう。
他にも、お客さんが受け取るときにクレジットカードを利用できるサービスがあります。その場合は、下記のような宅配業者の決済サービスに申し込みが必須なので、下記をご確認ください。
銀行振込の場合は振込先の情報を下記のように記載しましょう。
ゆうちょ銀行
- 記号
- 番号
- 口座名義
一般的な銀行
- 銀行名
- 支店名/店番
- 口座番号
- 口座名義
3-b. 商品情報の掲載方法
アカウントの取得・設定が完了したら、商品情報を掲載しましょう。業態にもよりますが、いきなり全商品を掲載するのは手間もかかります。まずは、売れ筋の商品であったり、写真や文章だけで伝わる商品の写真を撮影し投稿しましょう。
写真を投稿する際には、下記の情報も合わせて掲載をすると、お客さんが購入しやすくなります。少なくともキャプションの部分には書きましょう。
商品番号(これは自分たちで決めて問題ありません。商品の誤発送を防ぐためです。)
商品名
価格(税込み)
送料
商品説明文(余裕があれば)
また、写真に文字を入れる方法もあります。例えば商品番号を写真に入れる上で、一番簡単な方法は、商品番号を書いた付箋を商品に添えて写真をとる方法です。他にも下記のようなアプリも活用して、写真にも情報を記載しましょう。
まとめると写真とキャプションの掲載イメージは下記のような感じです。
3-d. 発送対応について
発送する上では、発送する商品、梱包材(段ボールや袋など)、納品書、送付状を最低限そろえてください。
梱包材は無地のもので充分なので、自店で使っているものや、アスクルなどで発注しましょう。お近くの郵便局でも、段ボールの購入は可能です。
納品書は下記のようなサイトを参考に作成しましょう。
また、宅配方法にはいくつかの種類があります。細かい部分がサービスによって違うため、扱う商材やお客様に合わせて選びましょう。
メール便
メリット:梱包材を含めて安価/レターパックは到着確認が可能/ポストに投函される
デメリット:紛失時の保証がない/代引きが利用できない/スマートレターは到着確認ができない
→サービス:レターパック/スマートレター/ゆうパケット/ネコポスなど
宅配便
メリット:保証が付けられる/代引きの利用が可能/到着が早い
デメリット:不在時に受け取れない/高価格
こちらのサイトなども参考になるかと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
引き続き、商店支援プロジェクトでは店舗の方のお役に立つ情報を発信して参ります。
少しでもみなさまのお力になれれば幸いです。