見出し画像

しんぺいさんの酒蔵探訪記#4      「畑酒造・「大治郎」」(滋賀県東近江市)

 今、滋賀県の湖南から湖北地方にかけて、趣のある町並みには雛人形が至る所で飾られている。厳しい冬を乗り越えて、暖かい陽が照らされる時、町中は雛人形でさらに心を華やかにさせてくれる。
 特に甲賀・湖東地区、中仙道や東海道が通っていたこともあり、古き良き景観が残されている地域が多い、そこに「商人の町」と言われた地域があり、そこには手付かずの景観が残っている。そこで飾られている雛飾りは温かみを感じさせ、厳しい冬に別れを告げてときめく春へと移り変わるひと時であろう。
 その中で五箇荘を訪れました。近江商人の町と言われるこの地、代表的な近江商人の商家では艶やかな雛飾りが華やかに飾られ、温かみある光景をここでは見られました。中江準五郎邸では滋賀県をモチーフにした雛人形「清湖雛」がお披露目、琵琶湖を中心とした景色、滋賀県の山々、近江の中心、大津や草津をイメージしたお雛様と滋賀県の特徴を活かした雛人形が地元の人形作家の手に制作、長い年月を経て、つい最近新たに完成された雛人形には多くの方が待ち望み、自らの目でその人形に焼き付けた。ひな祭りの日はまだ先であるが、一足早い春の訪れをここで触れる人が沢山いてるようです。

五個荘の商家で見られる雛飾り

 2005年の「平成の大合併」の中で新たに誕生した東近江市、五個荘も一つの「町」として君臨していたが、今は東近江市の中にすっぽりと陰に隠れている。その東近江市の中で中心となっているのが「旧八日市市」のエリア、交通の要所となり、経済、産業の中心、この八日市と近江八幡の間に「太郎坊宮」と言われる由緒ある神社がある。「ガチャコン」と言う愛称で知られる近江鉄道に乗って、太郎坊宮前駅を下車、無人駅を降りれば目の前に聳える険しい山、ここを登れば太郎坊宮へとたどり着く。「勝運の神様」と知られ、プロスポーツ選手や企業経営者も訪れる等、多くの方が参拝します。夫婦岩の間を願いを込めて通り、参拝後に焼き団子を戴く、これが太郎坊宮のお決まり事だそうです。

太郎坊宮の鳥居、その奥の山が太郎坊宮です。

  さて、太郎坊宮駅から、鳥居を潜らず道路を歩いて5分、交通量の多い道路を歩き、趣のある和菓子屋を越えて、たどり着いた酒蔵へ、直前の交差点で長い時間は待たされたが、輝きある高貴な純白の暖簾が堂々と掲げられていた。実はここに来たのは私は10年も昔、以来、近江の日本酒の魅力に取りつかれた原点となった酒蔵となった。それが「大治郎」の醸造元、畑酒造である。

純白の暖簾が眩い「畑酒造」

 久しぶりに足を踏み入れた酒蔵は眩いぐらいに輝く純白の暖簾、そして、白壁、さらには赤茶色の壁、前回訪れた時はこじんまりとした雰囲気で、近江の町並みに合いまった雰囲気だったが今は、綺麗な雰囲気を醸している。中に入ると、これまた綺麗に生まれ変わり、お洒落な空間へと変貌を遂げた。その一方で日本酒は依然と全く変わっていないスタイルを貫き、これが今年110年を迎える今も創業当時の製造で提供をし続けている。

大治郎の商品一覧

 純米がメインの酒蔵、滋賀県の酒米を厳選し、鈴鹿山脈の水を使い、何より、近江の風土で醸された酒、そして、袋吊りで絞り出すと言う製法でまろやかな清酒が出来上がる。近江の良さをふんだんに生かし、昔ながらの製法で醸される酒は多くの愛好家が存在する。元々、質の高い日本酒が産まれる近江の地の中で近江らしい日本酒を醸し出している。

今回購入した、「大治郎 山廃純米」

 今回は「大治郎 山廃純米」を購入、この地で戴く山廃は魅力を感じる。一杯戴けばフルーティーで米の旨味がふくよかに広がる。滋賀県の吟吹雪と言う酒米を使用し、滋賀の全てが詰まった日本酒と言っても過言ではない、となると近江牛かな、塩を利かせ、軽くあぶった近江牛、または鮒ずしなんかも合いそうかもしれない、と言うよりは滋賀の酒は滋賀の旨いもので戴きたいと思う。

 滋賀には本当に素晴らしい清酒がたくさん存在する。今回は東近江の酒を紹介したが、3月末に甲賀地域で行われる「春の東海道酒蔵めぐり」は多くの方が日本中から訪れる。甲賀と湖南市にある4つの蔵が解放されるが、今年はさらに2つの蔵が開き、湖南市の中心で一大イベントが開かれるなど、さらにスケールアップする。一度訪れた事あるが、本当にお酒の好きな人でないと足を運べないイベントでしょう、この日は甲賀地域が華やかになります。
 そして、みなさんも東近江市に足を踏み入れてください、そして、「大治郎」を是非味わってください。

いいなと思ったら応援しよう!