しんぺいさんの酒蔵探訪記#2 「稲田酒造・「稲天」」(奈良県天理市)
仕事始めの日、東京証券取引所では恒例の「大発会」が行われたが、元日に発生した能登半島での震災で鐘を発するのは自粛した。波乱な船出となった2024年、ただ、年が明けたばっかり、この年が終わる頃、全ての人はどんな感じで2024年をどう捉えるでしょうか。
さて、天理にやって来ました。「天理教」のお膝元、そして、山の辺の道の中間地点、その場所には石上神宮が点在し、歴史と文化が入り混じった町である。その入り口「天理本通」、天理駅から、天理教総本山に石上神宮、山の辺の道へと繋ぐ、メインストリート、素朴な天理土産に地元の野菜、地元の方の御用達の店と個性ある店が軒を連ねます。
天理は柿の特産地として有名、商店街にある八百屋や青果店では軒先に干し柿が吊るされている。商店街の中ではあるが、山が近い天理にあって、気候が冷たい環境で醸し出される干し柿、オレンジ色に輝く干し柿は皮は水分が抜け、肉厚な果肉からはジューシーな歯ごたえを感じさせそう。お茶上にもいいが、案外、お酒の肴として戴くのもいいかもしれない。
さて、商店街歩いてちょうど中間点、その位置に今回訪れる「稲天」の醸造元、「稲田酒造」が存在する。
左側を見ると木樽に酒樽、木造の佇まいが目の前に現れる。だんだん近づいていけば、奈良漬けが並び、やがて、沢山の日本酒が綺麗に並んでいた光景には何か輝きを解き放つようものであった。雨上がりの日差しが一段と照らされている光景には何か眩いものを感じさせた。
入り口の看板に堂々と書かれた「天理教御神酒」、天理教信者にとって、また、天理の人々にとって愛されている日本酒、140年以上この地で愛された日本酒は天理の風土を活かして造られてきた。近年が焼酎製造の方が多いと言われている黒瀬杜氏の方を招き入れ、より「地域に根差した酒蔵」として地元の人には強く根付かれています。
豊富な種類を醸しているここの酒蔵、僕は是非地元天理の酒米を100%使用した純米酒「氷室のさと」、これは冷やでおすすめ、キレのいいお酒で米の旨味が鋭く広がります。ですが、この冬に呑む日本酒をここではチョイスしたい。ここは有料試飲スペースがあり、ゆっくりと味わって好みの酒を選べる時間を作らせてくれる。となると、これを戴けるのがまず嬉しかった。
やはり、年明けの酒は搾りたての生原酒を戴きたい、と言う事で、「黒松稲天純米しぼりたて生原酒」を試飲しました。スッキリと通るのど越し、そして、呑むと感じるのはまるでりんごを食べているかのようなフルーティーな旨味、これは本当に美味しかったのですが、実は大変人気な商品らしく、完売でこちらは買えず、で、今度はこちらを戴きました。
「稲天 にごり酒」、天理産の酒米を100%使用した活性のにごり酒、どろっとした舌触りからは、酵母が生きているかのようなの如く、強く発酵している感覚を感じました。米の旨味もまた強く、これがまた美味しかったです。迷わずこちらを購入、蔵元の人曰く、醤油系の煮物、肉じゃがやカレイの煮つけ、案外、デミグラスソースと共に戴いてもいいかもしれません、もちろん、ここは奈良漬けの製造もあり、地元の人は必ず買います。これにも合うかもしれませんね。
さて、天理に来て絶対に戴かないけないものと言えば「スタミナラーメン」です。豚骨ベースのスープに、上から白菜、にら、豚バラを辛めの味噌と混ぜて炒めたものを絡めて戴く、この寒い時期に食べる一杯は凍えた体が温まる。試飲いただいた後に戴くこの一杯はまた最高である。これが美味しいのだ。ちなみに、私はこのラーメンを戴く前にスパムむすびをつまみにしてビールや酎ハイを戴くのがお勧めです。ただし、これは夏場限定の話です。
みなさんも天理に足を踏み入れてください、そして、「稲天」を是非味わってください。