
会議から立ち話まで!会社員が意識すべき会話の3ステップ
『事実と予測を明確に分けて報告してください』
これは課長としていつも部下にお願いしていることです。
会議から立ち話まで、社会人のコミュニケーションは最終的に意思決定に向かうことを意識しなければいけません。
意思決定のために重要なのは正確な現状把握なので、事実と予測を混同して伝えてしまうと混乱を招きます。
このような混乱を招かないため意識すべき会話の3ステップを記事にまとめました。
『事実』がわからない回答はNG
普段は製造業に属する企業の新米課長としての気づきや、経験、考察、組織を変えるための苦悩についてnote投稿をしている『ケツアゴ新米課長』と申します。
普段は課員に厳しく当たることはないのですが、指導をする際に強く『やらないように』お願いしている行動があります。
それがこれ。
『分からない』と回答するのを避けて適当に予測をしゃべる事
これは課員に限らず他部署の会議出席者に対しても同じですが、例えばこんな風に質問をしたときのリアクションのことを指しています。
Q,9月の売り上げが下がっている理由は明らかですか?
こんな時に
A,9月は在庫調整で注文を控えていたため、10月に取り戻す見込みです
と、回答しないようにお願いしています。
質疑応答の本質は『正確な現状把握』
よくある質疑応答ではあるのですが、この回答は2つの良くない点があります。
1つめは『理由は明らかか?』と聞かれているのだから、まずそれに『Yes』か『No』で答えていない点。
2つめは『見込み』は回答者の主観なのか、お客様の購買担当者の発言なのか、誰の見込みなのかが分からない点です。
先日読書まとめを記事にした本である北野唯我著『内定者への手紙②』にもこう書いてありました。
『事実と(個人の)解釈を混同して伝えてはいけない』
空・雨・傘 構文という例を取り上げて非常に分かり易く説明してくれているので、興味のある方はご覧いただけると嬉しいです。
質問の意図としては『9月に売り上げが落ちている原因が判っていれば対策をみんなで考えましょう』です。
そもそもの原因が正しいものでなければ、いくら対策を考えて、実行しても意味がありません。
例えるなら、同じ『頭が痛い』という現象に対してもその原因が『発熱に伴う頭痛』なのか『外傷による頭痛』なのかで対策が全く違うようなものです。
時間やお金などのリソースを投じて行った対策が全く見当はずれのことをしていたとしたら、これを後から取り返すのは大変です。
意思決定に向かうための会話の3ステップ
ビジネスにまつわるケースで、100%すべての因果関係を瞬時に把握することは到底できません。
なので『理由はわかっていますか?』と聞かれて『わかっていません』という回答は悪いものではありません。
その理由を知る必要があるのならば、調べる・確認するなどの次のアクションに展開をすればいいだけなのです。
会議から立ち話に至るまで、組織のコミュニケーションで意識すべきなのは以下の3ステップです。
東証一部上場企業に属する企業で会議に出席しているビジネスマンでもこの3ステップを意識して発言・活動できている人は少ないと感じています。
『9月に売り上げが落ちている理由は分からない』という現状を正しく共有することが第1ステップ。
第2ステップでその理由を知る必要があるかどうかの判断。
理由を知る必要がなければ放置。
(『何もしない』というアクション)
理由を知る必要があるならどうやって調査・確認するかを決めて、宿題(アクションアイテム)にするかを決める。
第3ステップでアクションを実行する。
たったこれだけの事です。
ただし、理由を把握しておく必要が明確である場合には、担当者としての情報収集に関する落ち度として反省をしなければならないこともまた事実であることには注意が必要です。
模範的な回答はNo⇒When⇒Howで提案
では『9月の売り上げが落ちている理由は明らかになっていますか?』と聞かれて、理由が分からない場合の模範解答はどのようなものでしょうか?
繰り返しになりますが、重要なのは
というステップです。
なのでまず初めに『理由はわかりません』と答えて①『現状を正しく共有する』のが正解です。
そして次に②『必要なアクションを吟味する』をするために『いつ』・『何を』するかを提案することから始めればいいのです。
具体的には
『理由はわかりません』
『もし理由を調査する必要があれば、〇日までに先方購買の△△さんに確認を取ろうと思いますが、いかがでしょうか?』
これはかなりできた模範解答かもしれません。
しかし、必要なアクションの決定へ向かうためのたたき台としてアクションの案を提示することは、より良いアクションを決定するというプロセスに向けての大きな一歩になります。
課員には常にこれを意識してほしいと伝えています。
まとめ
今日は『会社員としてのコミュニケーションの方向性を意識するべきだ』という記事を書きました。
会議から立ち話に至るまで、会社内におけるコミュニケーションは次の3ステップを意識する必要があります。
特に①をしっかりと行うためには『個人の解釈』を入れず、まずは『事実』だけを伝えることが重要です。
その次に個人の解釈・意見・考えを発言し、取るべきアクションの吟味へと会話が向かうように意識しましょう。
こちらの記事は似たテーマの記事を集めた『大企業のリアル』というマガジンにも登録されています。
大企業イメージと実情のギャップに悩みながら奮闘して改善を目指す姿を投稿していますので、もしよろしければこちらもご覧ください。
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