やめるわけにはいかない
という気持ちの逃げ道は用意してあるけれど、やめられない理由がある。
「またいつか」
その約束を守りたい。
約束したわけではないけれど、いつかが叶う日が来る可能性を残し続けたい。
遠くにぼんやりある、いつかという灯台の灯り。
それが日々、いや、忙しい日々では忘れていても、ふいに暗闇に呑まれた時、心の支えになるものだから。
20代の頃にやっていたお店は、10年続けるという目標達成、自分の為に「やめるわけにはいかない」だった。
40代を前に、続ける意味は見出せなくなった。その代わりに、続ける事は意味があると感じている。
1店目への想いはすっかり忘れ、忘れられ、この2店目は、また来週、またいつかと約束した人たちの為に「やめるわけにはいかない」になっている。
同じ「やめるわけにはいかない」なのに底力が違う。
もしも自分を最も大切にしないといけない選択のタイミングが来た時には、あっさりとやめられるように、すべては忘れられるという魔法の言葉を心の内に秘めている。
自分の為にいつでもやめられると思っていれば、不思議と誰かの為にやめるわけにはいかないと踏ん張れる。
やめるわけにはいかない
それは自分の為?誰かの為?
あなたは何故やめるわけにはいかないのだろうか。
本当にやめてはいけないのだろうか。
「またいつか」は、形が変わっても実現できる。
またいつかを笑顔で迎える為に、やめて、変容していくのもきっといい。