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秘伝としての性

気功の秘伝として性命双修というのがあります。

わかりよく言ってしまえば、先天と後天を結びつけて実体的に把握するということです。
以前も書きましたが、気功はパワーワークです。実体に働きかけられなければ、気功ではありません。
いわゆる、マインドワークやスピリチュアル系の自己催眠との違いはそこにあります。

マインドだけを働かせた場合、ムードは作れますが、実体に作用することは少ないです。

なので、本当の気功は危険性も高いのです。

以前、他流の気功では偏差(よくない反応)が起きたという人に解決策を伝授したことがあります。
気の交流の練習をしてから疲れやすく、右肩が痛くて仕方なかったそうです。

拝見したところ、地門(会陰や湧泉)が開いてしまっていて、気が抜き取られていました。
その流派の練習をやめることと地門を閉める方法をお教えしましたが、やはりその流派からは離れられなかったようで、2、3日はいいがまた痛くなるようでした。

武術をよくする人で、全身を殺意のようなパワーで満たしている人もいました。よりよいパワーの感覚を伝授しましたが、なかなか抜けられなかったようです。
すぐに殺気の人に戻ってしまいました

愛着のある方法が間違っていた時、それを手放すのは大変なことなのでしょう。

気功はパワーを巡らして、動的に充実させていくのが本質です。
我が師である新医学気功創始者の楊峰老師は「医療気功の精髄は身体の全ての細胞が新鮮な酸素で呼吸できる状態を作ること」と言います。
邪気や病気、殺気や淫欲を全身の細胞にぐるぐる回しても結果は良くないでしょう。

自分にとってのよりよい、心地よいパワーを巡らせて、命を充実させるとともに、自己の能力を十分に開くことが気功の本筋なのです。

そんな中で、これはパワーワークとして芯食ってるなと思う本や発言、コンテンツはいくつかあります。

今日は最近見た天龍寺マコト先生(三枝誠先生)の動画からのエピソードを紹介したいと思います。

この動画の冒頭、2分37秒あたりで天龍寺先生が「性は強ければ強いほど慎しむ」ということを仰っています。

動画全体というよりこの部分が重要です。別な動画で性エネルギーがいかに人生全体をつなぎ、人生に関わるかも仰っていますが、性の問題は深いので、詳論はおいおいにしますが、仰るとおり生命力や活力と呼ばれるものと性の力は密接です。
不足したり円成でなかったり、いびつだったりすると、過剰な性表現や多淫を求めるようになります。
大病をしたお年寄りが大食をして命をつなごうとするのに似ています。

自然状態でおそらく性のパワーが最も充実しているのは思春期でしょうが、彼らに抑圧がなく、ポルノや不要な性体験への誘惑がなければ、彼らのパワーは将来の健康な自己形成に向けられます。
そうでなければ多淫どうしで貪りあったりする関係に導かれます。円満でなければ欠損を補う方向に行きますが、相互に貪れば欠損は埋まらないので、もっともっととなります。これは最悪の循環になります。

性エネルギーによる人生設計も断絶し、大変なことになります。多淫や暴力性の高い人と暮らすことを想像してもらえばわかるかと思います。

もし円満であるべき性エネルギーに欠損があった場合は、それを埋め合わせるパワーワークをすればいいだけなのですが、なかなかその方法にたどり着くことは少ないようです。

前述した、パワーを抜き取られた方は、おそらくこのことを熟知した先輩に、練習の成果を「気の交流」として強盗され続けたのでしょう。
それは多淫で破滅する人と同じ構造で、抜き取られた側がやられてしまいます。

また、昨今スピリチュアル系の方で、「ハートチャクラを開く」といったワークを通じで、自己の淫欲を注ぎ込むこともあるようです。強い淫欲が胸に止まればモヤモヤした熱気が胸に留まるので、一見何か開いた感じがするかもしれませんが、パワーワークは動的なものなので、チャクラや丹田、またはツボといったキーポイントだけにパワーを注いでも無意味です。
清浄なパワーを経絡などに流して、動的に処置しないと開きません。ただモヤモヤさせるだけですし、危険です。
他人の淫欲が胸に居座る気持ち悪さをイメージすれば、それがどれだけ異様なものかわかるかと思います。

さらに危険なのは、そういうものに関わる人に接すると、淫欲や暴力的欲求(これも同じ原理です)を入れ込まれて「感染」するということが起こることです。
いい教室や道場に行くと、疲れが取れ生き生きするのに比べて、感染源のような場所に行くと、げんなりしたり、暴力的な発想しか浮かばなくなるのはそういうことです。
練習しなくても見学だけでハードに感染します。

自然の中で脱力してその時は気持ちいいけれど、翌日気力が萎えるような場合は、気を抜く練習だけをしているか、指導者に上手に抜かれている場合があります。
そういう方は、正しい気功の方法に触れられることをおすすめします。

さて、天龍寺マコト先生エピソードというともう一つ、noteの記事に、先生の師匠である希代の整体家・体術家である野口晴哉先生のエピソードがありました。

野口晴哉先生は写真を見て遠隔で施術ができ、他人の身体に霊体として入り込んだり、離れた女性と交わったりできたそうです。

これは、おそらくごく基礎を応用されて行われたことです。パワーワーカーとしては、遠隔地(距離は問いません)の人に施術したり、他人の身体に物理的接触なしに影響を与えたりするのは必要条件です。
天龍寺先生の仰るように、ここがスタートであり、他人を指導したり施術したりする基礎なのです。

パワーワークとしての気功は具体的に実体に影響するので、正しく実践することが重要です。

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