嫌われてる人を信頼する?

頭が混乱したのか、単なる熱中症か、体調を崩した。
体調を崩す前にしていたこと。

“自分のことを嫌っている人を、「そんなことで他人を嫌うような人ではない」と信頼してみよう”
そう本に書いてあったから、試してみた。
すると、それまで日々頭を占めていた「あの人は私を嫌ってる」という強迫観念から徐々に解放されていくのを感じた。うそみたいな話だけど、本当に。

誰かに嫌われてると思う気持ちは、自覚している以上に、自分を蝕んでいくし、追い込んでいく。
「嫌われてるから意見を言っても採用してもらえない」
「嫌われてるせいで仕事を任せてもらえない」
「公平に評価してもらえないのは嫌われてるからだ」

何かちょっとした齟齬があるたびに、「またか」って思ってしまう。背景を想像したり、誤解を解こうとしたりといったポジティブな思考に向かわないので、嫌われてるという思い込みはますます強固になっていく。

「この人とは考え方が合わないな」「こういう好みには付いていけないな」といった思いを抱くのはよくあることだし、それ自体は自然だと思う。
でも、それがいつしか「嫌い←→嫌われてる」という言葉に固定されてしまうと、なかなか抜け出せない。

もしその人との関係が自分の暮らし(物理的・精神的)を脅かすものなら、さっさと捨ててしまうのも手だと思う。
でも、他の続けたいもの(例えば仕事や、共通の友人)を続けるために、関係を捨てずにうまくやり過ごせたらなぁ、と思う場合もある。そんなときは、いったん“信頼してみる”のがいいかもしれない。嫌い嫌われる感情からもっとも遠いところにある概念なのに、不思議と不可能ではない。試してみて初めて分かった。

まだ試行途中だし、コペルニクス的転回に頭が混乱して体調崩したかもしれないのだが、しばらく続けてみたいなと思っている。景色がすこし、変わるといいな。