新月

🌟あと半分人生が続くとしたら、好きなものに心とペンを向けていたい🌟

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最近の記事

ゴールデンタイムを自分に返したら、まるごとの平穏がやってきた

ドラマを観ること、カフェで本を読むこと。私が我慢をやめて自分に許したのはこの2つだ。 ポイントは、その時間帯。どちらも夕方。仕事が終わってすぐ、仕事から帰ってすぐの時間帯。 以前は、そこは夕食づくりのゴールデンタイムだった。すぐに取り掛かれば家族の帰宅より前に大体の準備が完了する。家族の帰宅後にばたばたと焦るのが嫌で、自分の仕事が終わったら即、献立と食材に思いを巡らせ、家に着いたら台所に立つようにしていた。 でも、もうそれはしていない。我慢をやめて、そのゴールデンタイム

    • すごくいい質問だね

      質問するのが怖いって気持ち、いつから持ったんだろう。いい質問をするよう求められてる気がしてしまって、質問しなきゃいけない場面を避けている。けど、完全に避けるのは無理で、実際には緊張しながら質問するしかない。 学生だった頃、集中講義の感想に質問を書いたら、good question! と書かれたそばに、(答えるのが難しい時にこう書きます)という小さなコメントがあった。思えば、私の進学先を決定付けた講義だった。その道は挫折したけど、good question!のコメントは今でも覚

      • 真夜中の消耗から逃れたい

        ラッセルを読んでいる。夜中にふと目覚めて、頭を離れない不安。考えても仕方のないことをただぐるぐると考えてしまうことが、どれほど人を疲れさせ、幸せから遠ざけているか。 例えば最後の祖母を失くした後、父や母の死がぐんと近づく。父や母を失くした後、自分の死がぐんと近づく。病気かな、長く患うのかな、認知症になるのかな、自分の足で歩けるのかな、そのときパートナーはまだいるのかな、どこで死ぬのかな、後のことはどうすればよいのだろう。先のことは何も分からず、準備なんてできない。順番だって

        • ラジオ講座の口癖が良い

          来年だけハワイに住むかもしれなくなって、英語を勉強し始めた。それだけのことなのに、なんか生活に張りがでている。 もし勉強してもぜんぜんやっぱり話せなくてもがっかりしすぎないように、もしハワイ行きがなくなってもがっかりしすぎないように、と、張り切りすぎないよう既に予防線を張ってる自分もどうかと思う。それくらい、ちょっと楽しい。 特にお気に入りなのは、ラジオ。久しぶりにラジオの講座を聞くと、発見がたくさんあった。講師の決まり文句が良い。「英語は配置の言語!」などの文法に関する

          「かたまり」と、何かを残すということ

          ナタリア・ギンズブルグの「ある家族の会話」。閉館5分前に行った図書館で明日からまた休館になるというアナウンスを聞いた私は、前々から隠しておいたこの本を咄嗟に手に取り、貸出カウンターに並んだ。(本当に隠していたわけではなく、「あそこにあるな」「いつか読もう」と、排架場所を覚えていたという意味です。) 著者も訳者ももう亡くなっていて会えない。悲しいな。(読み終わるのが寂しい本は、特にこういう気持ちになります。)イタリアの歴史も文学も知らないのに、この会話の家族たち、隣人たち、こ

          「かたまり」と、何かを残すということ

          深呼吸もできない

          気がつくと、無駄を省くことばかり考えている。 いきおい動作は速くなり、全てがせわしなくなる。 口数は減り、表情が乏しくなり、気がつくと、 気がつくと、呼吸が苦しくなっている。 深呼吸もすぐにはできないほどに。 もともと素早い動きは苦手だし、速くも話せないし、理解やレスポンスにも時間がかかる。だから、効率ばかりを求める性質の人ではないと思ってきたけれど、最近は自動的に、急いでしまう。同じことの繰り返しである毎日の通勤、仕事、家のこと、食事づくり、食べること、睡眠、新聞を読む

          深呼吸もできない

          批判の背景と、私たちの日常と

          森氏が批判され、川淵氏が批判され、その背景にある日本が批判される。ニュースや情報番組の、批判だらけの音をBGMにしていたら、ふと涙が込み上げてきた。TVを見ていたわけじゃなくて手元の新聞を読んでいたので、一瞬、なぜ泣きそうなのか分からなかった。そうか、ここ数日、批判に満ちた音がただただ体に流れ込んできていたからだな、と思う。批判の音を聞けば聞くほど、批判の背景と向き合わざるをえなくなる。 私たちが生きている日本は、私たちに、黙れ、でしゃばるな、価値が無いと、繰り返し繰り返し

          批判の背景と、私たちの日常と

          貪り読むときは不安なとき

          文庫本を脇に挟んで玄関で靴を履きながら 「本を貪り読む時って、不安な時だよね」と呟いたら 家族が深く頷いた。 そういう彼も、コロナ禍の中、いつも以上に本を読んでいる。 ずっと読んでいる。 noteを始めた時期はコロナ禍と重なるけど、 これまで意識して「コロナ」に触れないで書いてきた。 なんとなく意地だったように思う。 でも今朝そうやってふと口をついて出た言葉が、何より真実だと気づいた。 私はこの一年、今までにないほど常に本を読んでいる。 図書館に通い、借りては読み、返して

          貪り読むときは不安なとき

          あったらいいな、ご飯がちっとも冷めないお茶碗

          あったらいいな、ご飯がちっとも冷めないお茶碗

          あったらいいな、無音のキーボード

          あったらいいな、無音のキーボード

          分かりそうな気配

          何かが分かりそうな気配がずっとある。 自分が変われそうな、自分の転機になりそうな。 何かにもう気づいているような、あと少しで気づけるような。 ずっと勘違いしていた、何かがずれているのに気がつかずにいた、 自信を持って拘っていた、頑として譲らなかった、 不変だと思っていた、そういう自分の何かが、あと少しで転換する。 たぶん変われる。今がその時期だと感じる。 そういう気配があるのだけど、一歩手前で逡巡している。 この気配の正体は何なんだろう。何がきっかけなんだろう。 コロナ禍

          分かりそうな気配

          行方知れずの友人

          行方知れずの友人がいる。 彼女が苦しんでいたとき、たくさん話を聴いた。 いよいよ住む場所もお金も頼る人もいなくなっていた時に、相談も受けた。使える制度を調べたり、やけにならないよう注意深くブレーキをかけようとしたり。時間もかけたし、考えたし、心も痛めた。でも、具体的に申し出ることができたのは引越しの手伝いくらいだった。正直、お金を貸して欲しいと言われるのではないかと恐れていた面もある。元夫との話し合いに同席してほしいという要望には、沿えなかった。どんなふうに巻き込まれていくの

          行方知れずの友人

          この国の話だ

          好きで見ていたドラマに突然恋人の女性が見知らぬ男性二人に襲われるシーンが出てきた。・・・正確には「突然」ではない。そうではないかと薄々感じていた。でも避けられなかった。そのシーンが終わった後、心臓は倍の速さでドクドクと音を立てていた。 その晩は朝までひどい夢にうなされた。知っている女優さんが次々と殺されていく、何人も何人も、逃げられたと思っても執拗に追われて最後には殺される、朝が来るまでそれは続いた。子役の女の子もいた。みんな怯えていて、抗えない力に抑圧されて、諦めた目をし

          この国の話だ

          嫌われてる人を信頼する?

          頭が混乱したのか、単なる熱中症か、体調を崩した。 体調を崩す前にしていたこと。 “自分のことを嫌っている人を、「そんなことで他人を嫌うような人ではない」と信頼してみよう” そう本に書いてあったから、試してみた。 すると、それまで日々頭を占めていた「あの人は私を嫌ってる」という強迫観念から徐々に解放されていくのを感じた。うそみたいな話だけど、本当に。 誰かに嫌われてると思う気持ちは、自覚している以上に、自分を蝕んでいくし、追い込んでいく。 「嫌われてるから意見を言っても採用

          嫌われてる人を信頼する?

          後悔の種を持ち帰る

          諦めちゃだめだと思っていたのは遠い昔。 そう思っていたけど、実際はまだ随分諦めちゃだめに縛られている。 家族をしていても、仕事をしていても、通りすがりをしていても、 私ならこうするのに、 私ならこうありたい、 私ならこう言うだろう、 もっとこうしたら?、 なんでこうしないの?、 そんな思いばっかり浮かんでくる。 見ないようにしようと思っても、 聞かなかったふりをしようと思っても、 言わずにおこうと思っても、 それどころかこの気づき自体をなかったことにしたいのに、 諦められず声

          後悔の種を持ち帰る

          いい家が建ちそう

          数人で楽しそうに仕事をしている現場が好きだ。 今朝見かけたのは、家を建てる現場。 若い兄ちゃんと日焼けしたおじさんが数人、指示し合いながらきびきびと動いていて、時折お互いの声に笑顔が混じる。 目を合わせずに大声だけが飛びかっているような現場もよくあるけど、そうではなくて。 声をかわすときは一瞬互いを見ているし、マスクの下にちょっとした笑顔があるのが伝わってくる。それぞれが手を動かしていても、チームで場と時間をシェアして働いている空気が伝わってくる。 安心して働ける、ってこ

          いい家が建ちそう