見出し画像

119回医師国家試験の感想

昨日医師国家試験を受けてきました!(個人的感想です)

記憶が薄れないうちに,119回医師国家試験について感じたことを伝えていければと思います.


参考までに,解答速報ではありますが自分の成績はこんな感じでした.


全体としての印象

昨年はボーダーが230点/300点で76%ほどであったことから,
昨年より難易度は上がることが予想されておりましたが,
その通り難化した印象を受けました.

友人から聞いた印象で,自分の体感も同じでしたが,
一般・臨床では「Aが難しい,CとDがやや易しく,Fが難しい」
という感覚です.診断をつけることができても,選択肢の吟味で悩まされ,自信をもって解答できた問題が少なかったあたりが難しく感じたところに思います.

私はA問題後休み時間に間違えた問題が次々発覚し,めちゃくちゃ焦りましたが,なんとか1日目のうちにCで取り返す事ができました.

2日間の始めと終わりが難しかったために,もやもやしたまま終わった人も多かったのではないでしょうか.

問題の印象

いわゆる「おなもん」は皆確実に正答してくる

計算問題ではA-aDO₂の問題,水分のイン・アウトの計算の他に,
肥満度の計算が出題されました.

(119C75)

A-aDO₂の計算は過去に何回も出題されているので馴染みあると思いますが,
肥満度については115C75に1回のみの出題です.

直近の国試は,「たった1回だけ扱われた内容だから」と流していると痛い目に合うなと思いました.

ちなみにこの問題の正答率(講師速報)は96.3%です.
受験生のほぼ全員が,直近の問題は確実にできるようにしていることに驚かされました.


(119D74)

これに関しては113A71と116A65と画像が同じです.
選択肢に至っては113A71とほとんど同じです.
さすがに落とせないなと緊張しました.


直近の国試の派生問題もよくみられました

(119F9)

統計学的検定の手法に関する問題ですが,類題は昨年の118F23のみです.
118F23の答えはt検定,今回の119F9での予想解答はx²検定となっています.

この問題に関しても,直近の国試は,「この問題だけ異質だから曖昧な理解で良いや」と疎かにしてはいけないなと思わされました.

ちなみに正答率(講師速報)は70%ほどであり,
少し差がつく問題なのかと思います.


模試・直前講座からもいくつか出題がありました

(119F7)

出題基準に新しく追加されたため多くの模試,直前講座などで扱われていたアデレート宣言ですが,正答選択肢での出題がされました.

90%ほどの受験生が正しい答えを選べています.

(119D8)

ヘパリン起因性血小板減少症に関してもあたらしく出題基準に追加され,
正答選択肢として出題されましたが92%の正答率です.

受験生のほとんどが模試や直前講座などにより新しい出題基準も抑えていることがわかります.

削除問題からのリベンジもありました

(119B24)

過去国試で削除となった問題も,リベンジ問題として出題されます.
上記の問題も111G34で同様の内容が出題されており,当時は採点対象外となっておりますが今回は出題され,92%ほどの正答を得られています.


直前予想が逆効果にならないように

(119D63)

今年度よりHailey-Hailey病が出題基準に追加され,この問題のように選択肢に登場しています.この問題では誤答選択肢ですが,目新しい疾患名なので少し光ってみえてしまいました.

冷静になって問題に向き合い正答にたどり着く事ができましたが,
当日の異常な精神状態では,今まででは思いもしなかった思考回路が働いてしまいます.
直前予想が仇となってしまわないようには注意が必要です.

良い点を取るために

いわゆる割れ問をピックアップして,
合格を確実なものにするためには,また高得点を取るためにはどうしたら良いかについて考えていきたいと思います.

抗酸菌症や検査に関する深い理解

(119A19)

抗酸菌染色陽性でこの時点で適切な対応を問う問題.
予想正答選択肢dは62.9%で,b35.1%と割れています.

(119D72)

治療効果判定について問われ,正答率は12%程度と低くなっています.
既に118B29にて排菌の能力を判断する検査を問われ,117C58にて確定診断の検査を問われています.今後も詳しく問われていくのかなという印象を受けました.

結核に限らず,ただ疾患と検査を結びつけるのではなくて特徴まで理解する必要がありそうです.


腫瘍はステージ,治療法を正しく覚えないと解けなかった

(119A37)

一言でいうと「遠隔転移ある小細胞癌での治療法はどれか」ですが,
単純に化学療法だ!という知識だけでなく,
dやeは非小細胞癌に対して行うという理解もないと選べません.
dとeをあわせて39%ほど選んでいます.

(119A55)

子宮頸癌に対する治療も放射線,手術,化学療法で割れています.
確固たる理解が高得点に繋がりそうです.


おまけ

話題になった問題を紹介します.

1日目は症例文読んでてしんみりしていまう問題が多かったです.

(119B39)
(119C47)

消費者庁でも注意喚起がされていた,棺のドライアイスによる中毒死の問題.時事ネタも盛り込まれている印象でした.

(119F51)

選択肢eとかはすごくクセのある記載ですよね.


以上になります.お疲れ様でした.
正答率データなどにつきましては「講師速報」から引用させていただきました.

https://kousoku.medilink-study.com/


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集