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抗重力筋とは何だろう。

今回は抗重力筋について書いていこうと思う。

ある患者様が、自発呼吸がある方で、仰向けに寝ているときより、座った時の方が人工呼吸器の換気量が取れない(呼吸がしづらい)ということがあった。

医師の方に確認を取ると垂直方向に働く、抗重力筋という筋肉が弱っているためではないかと理学療法士の方に言われたとのことだった。(ちゃんとした検査をしたわけではなく、色々な状況を総合的にみての推察)。

個人的には、臓器の圧迫や血流の不均等等の解剖や生理学的な理由で寝ている姿勢より、座っている姿勢の方が楽になる印象があった。

あと、自分の知識不足もあるが、聞き慣れない、『抗重力筋』という言葉が気になった。

発話に関しても、読み書きに関しても、姿勢というのは色々関わってくることが考えられる。

このnote上にも本当に分かりやすく、すばらしい記事は沢山あるが、この記事では呼吸筋との関連についても触れさせていただいた。

記事を読むことで抗重力筋という用語の理解が少し進めば嬉しい。

*今回、難しい用語をなるべく使わないように書いているので、解釈が違ったりすることがあるかと思いますが、ご了承ください。

*どの筋肉が抗重力筋かについては、諸説あるので参考程度ぐらいで読んでいただけると助かります。


抗重力筋とは


抗重力筋とは、重力に対して(抵抗)立ち姿勢、座り姿勢などを保つのに必要な筋肉である。

腹側としては、首、腹(腹横筋等)、腸腰筋(「歩く」「走る」「跳ぶ」「投げる」などの動作の股関節に使用)、前もも、すね部分の筋肉等がある。

背側は脊柱起立筋群(背中の深くの筋肉)、お尻、裏もも、ふくらはぎ等がある。


主要姿勢筋


抗重力筋の中でも特に姿勢保持に働く筋肉群を主要姿勢筋と呼ばれる。

実は主に背側の方の筋肉がそう呼ばれている。

背側の筋肉が主要姿勢筋と呼ばれる理由は、正常立位での重心線が身体のやや前の方を通っており、背側にある筋肉は全て持続的な筋緊張を保持しなければならないためである。

対して腹側にある筋肉は、持続的な緊張を必要とせず動揺する身体を調節する際に、断続的に収縮して、立位や座位を保つ。


抗重力筋と呼吸筋としての関わり


呼吸筋として深く関わっているのが、腹圧を維持する腹横筋と背骨を支える脊柱起立筋等と言われている。

腹横筋は呼吸筋の分類でいうと呼気筋(意識して息を吐く時に使用)、脊柱起立筋は吸気筋(意識して息を吸う時に使用)である。

腹横筋は息を吐き切る際に必要であり、腹圧を上げて横隔膜を押し上げ、胸郭の容積を縮める。

脊柱起立筋は胸郭を広げる役割があり、多量の息を吸い込むことを補助する。

また、一見関係なさそうなお尻の筋肉やふくらはぎの筋肉、太ももの筋肉も呼吸と関係の深い抗重力筋であることが示唆されている。

骨盤が前に傾いている人は交感神経が優位な人が多く吸う呼吸のほうが多く、逆に骨盤が後ろに傾いているは副交感神経が優位で吐く呼吸のほうが多いとも言われる(考え方は諸説あると思います)。


姿勢が崩れる簡単な仕組み


抗重力筋が正しい状態であると、抗重力筋全体がバランスを取り合い身体の歪みが修正される。

逆に日常で身体に癖がつくと、抗重力筋は癖のある悪い姿勢を記憶して身体の歪みを作り、慢性の肩こりや腰痛が誘発される。

一定の姿勢(立ち仕事、座り仕事等)を続けることは抗重力筋の疲労や収縮に繋がり、抗重力筋同士のバランスが乱れることも考えられる。

また、長期間歩かないことは下半身の抗重力筋を衰えさせ、その結果、抗重力筋同士のバランスを崩して姿勢が崩れることもある。


以上、抗重力筋について書かせていただいた。

個人的意見ではあるが、姿勢が悪いと、横隔膜の上げ下げや呼吸筋の機能が上手く使えなくなることが考えられ、

呼吸もしづらくなっていくのではないだろうか(あくまで推察です。間違っていたらすいません。)


この記事を読んでいただきありがとうございました。



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