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【ビジネス本再読】長谷部誠「心を整える~勝利をたぐり寄せるための習慣」①

「EQ」に関する書籍を2作品続けて紹介しましたが、今回も「心」にフォーカスした作品になります。久しぶりに読んだ長谷部誠選手の「心を整える~勝利をたぐり寄せるための56の法則」です。2014年発表ですから、ちょうど10年前!活躍の場所をドイツに移し、まだまだ新進気鋭だった長谷部選手はドイツのリーグで大活躍し、日本代表としても中心として一時代を築きました。そして今では指導者になられております。そんな長谷部選手の「核」となる考え方が記されている本書。久々に読み直して見ると、改めて考えさせられることばかりでした。いろいろと混沌としている昨今、必要なのは「心」の育成なのではないでしょうか・・・なんて勝手に偉そうに思ってみたり(笑)。


意識して心を鎮める時間を作る。

ワールドカップ期間中、一日の最後に必ず30分間、電気を付けたままにして、ベッドに横になる。音楽もテレビも消す。そして、目を開けたまま、天井を見つめるようにして、息を整えながら全身の力を抜いていく。大事なのはザワザワとした心を少しずつ沈静化していくことだった。大会期間中は気持ち的にギリギリのところで戦っていた。そんななか、唯一、心が休まるのは自分の部屋だけだった。だからこそ、心を鎮める30分間が僕には欠かせなかった。

この習慣を始めたのはドイツに移籍してからのことだ。京セラ創業者、稲盛和夫さんの本に次のような言葉があった。「一日一回、深呼吸をして、必ず心を鎮める時間を作りなさい。」まさに当時の僕に必要な習慣だった。それから僕はどんなに忙しい時も、部屋で一人になる時間を作り、スケジュールを詰め込み過ぎないようにした。

「心を整える~勝利をたぐり寄せるための56の習慣」長谷部誠著より抜粋

今だからこそ、「心を無にする時間」の大切さは分かるのですが、10年前、私にはとても実践できなかったですね、毎日に必死で(汗)。長谷部選手は現在40歳ということですから、30歳の時にはすでに体得されていたんですね。まあ、それだけ本気に必死になって毎日を戦っていたからこそ、ストレスが最強で心が興奮している状態を鎮める必要性に気づかれたのでしょう。これはのちの「マインドフルネス」の考えにも通じてきますね。そう考えると稲森会長もまた同じような考えを持ち、実践されていたわけですね。

整理整頓は心の掃除に通じる。

ドイツには「整理整頓は、人生の半分である」ということわざがある。「日ごろから整理整頓を心がけていれば、それが生活や仕事に規律や秩序をもたらす。だから整理整頓は人生の半分といえるくらい大切なんだ」、という意味だ。試合に負けた次の日などは、何もしたくなくなって、部屋が散らかってしまう時がある。自分の心の中が散らかってしまっているからかもしれない。僕は心がモヤモヤした時こそ、体を動かして整理整頓をしている。心の掃除も兼ねて。

同上

ドイツ人と日本人のマインドには共通点がある、というようなことを言われたりしますが、質実剛健でマイスター(職人)の国という点では本当に似ているように思いますね。職人さんはご自分のテリトリーを整理整頓されている印象ですし、さらに自分が扱う器具についても丁寧にメンテナンスをされるのでしょう、きっと。部屋の乱れは気持ちの乱れと関係性があるようにも思いますよね、思い切って整理整頓すると、心もキレイさっぱりした気持ちになるものです。いいですね、「整理整頓は心の掃除」という表現。

マイナス発言は自分を後退させる。

愚痴で憂さ晴らしをするのは、自分の問題点と向き合うことから逃げるのと同じ。愚痴だけでなく、負の言葉はすべて、愚痴を捉える力を鈍らせてしまい、自分で自分の心を乱してしまう。心を正しく整えるためにも愚痴は必要ない。

同上

これは本当にその通り!特にSNS全盛期の昨今、誰もが簡単に発信できるが故に、安易な発言で人を傷つけたり、それこそ「炎上」騒動も日常茶飯事になってきていると思います。「人を呪わば穴二つ」という諺もありますが、結局は自分に返ってくるんですよね、因果応報といいますか。ま、私もかつては愚痴を吐いて憂さ晴らししていたタイプですので、あまり偉そうなことは言えませんが、今、そうした環境から離れてストレスが軽減したポジションにいるんですが、本当に心が楽(らく)です。イライラしたり、なんだかんだと不満そうにしている人生は本当に勿体ない。とはいえ、「そうはいってもね・・・」という方が多いと言うこともよーく分かるのでなかなか難しいところです・・・涙。

恨み貯金はしない。

恨み貯金をしても仕方がない。ボールを蹴って体を動かしてもいいし、何かリフレッシュして、次に向かってリスタートした方がはるかに建設的だ。

同上

ネガティブな気持ちや考えってどんどん体の中に蓄積され、解消するどころかどんどん悪化していくように思います。人相にも出てくるし、それこそ発言も刺々しくなってくるでしょう。すると、ますます周囲から人が離れ、それに気づかず、本人はさらに周囲のせいにして、事態は悪くなる一方に。そんな「恨み貯金」をしても良いことは一つもありませんよね。だったら、早期に芽を摘むのが一番!ストレス発散し、リフレッシュして、気持ちの切り替えをしよう、というコトだと思います。

・・・ま、とはいえ、それが一緒に働くメンバーだったりするとね・・・これに悩まされた経験もあるので、なかなか一概には・・・言えないです。まぁ、概ね、自分が思っていることと同じことを相手も思っていたりしますよね、きっと。でも、苦手は苦手だから、それを押し隠して体調を悪くするのもね・・・違いますよね。こればっかりは本当に難しいです。自分一人でなんとかできる問題であれば、長谷部選手の言うような手法も一つでしょうね。


ということで第一回目はここで一旦終了です。10年前ということは長谷部選手が30歳の頃に書かれたわけですが、いやー、本当に立派ですね、自分の30歳の時なんて・・・穴があったら入りたい(笑)。とはいえ、それでも読み返しながら、当時、慣れない責任者業に悪戦苦闘していた日々を思い出し、懐かしいやら気恥ずかしいやら。それでも必死にいろいろな本から仕事の答えやヒントを得ようとしていたな・・・なんてちょっとだけ頑張っていた自分を思い出しました。

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