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【ビジネス本再読】長谷部誠「心を整える~勝利をたぐり寄せるための習慣」②吸収する
久しぶりに読み直している長谷部誠選手の「心を整える~勝利をたぐり寄せるための56の習慣」。30歳という若さですでにここまで達観されていたということに改めて驚いています。自分が30歳だったときなんて・・・穴があったら入りたい失敗ばかりの日々でした(笑)。と、同時に長谷部選手のこの本から少しでも吸収すべく、貪り読んでいたことを覚えています。ということで今回は「吸収する」をテーマにした章について再読していきたいと思います。
先輩に学ぶ。
浦和レッズに加入して良かったと思うことはいくつもあるけれど、その一つが最高のお手本が身近にいた、ということだ。僕はこの本の中で、一人でいることの大切さ、中立な立場であることの重要さを書いていくけれど、それは独りよがりになるということではなく、身近な仲間や先輩から、それぞれの良さを積極的に吸収することも忘れないようにしている。僕のキャリアのなかで、指針となる選手に出会えたことは本当に大きかった。
これは先輩方も素晴らしいですが、長谷部選手が後輩としての礼儀をわきまえ、先輩方から「可愛がられていた」のではないかと思います。これって本当に大事ですよね、ちょっとした所作とか気遣い、そしてさりげなく先輩を立ててくれる(←ヨイショとか、提灯持ちではないですよ!)。きっと真面目で実直な長谷部選手が後輩としてチームに入ってきたとして、持ち前のキャラクターで練習などで(きっと)手を抜かず一生懸命励んでいたら、そりゃ先輩も応援したくなりますよね、そんな「後輩力」もあったのではないか?と私は思っています(もちろん実力も兼ね備えていたであろうということは言うまでもありません)。
苦しいことには真っ向から立ち向かう。
ヴォルフスブルグに移籍したばかりのとき、僕はあまりにハードな練習で毎日くたくたになって帰宅した。正直、最初の半年間は精神的にも肉体的にも、ギリギリのところで踏みとどまっているような毎日だった。ただし、この苦しい時こそ、明るさを失ったらダメだとも思った。「これだけ苦しい練習を乗り越えることができたら、自分には怖いものがなくなるはずだし、どのクラブの練習でもついていける。結果が出ると信じて、頑張り続けよう。」と、監督の練習に必死に食らいついた。その結果、僕の身体はひとまわり大きくなり、屈強なドイツ人とぶつかっても簡単には当たり負けしないようになった。何より、試合中に苦しい時が来ても動じないタフさが身についた。
これは心の状態が非常に大きいですね。ドイツに渡り武者修行といいますか、これから頑張るぞ!と燃えている時であれば、どんなに苦しい練習やシチュエーションであっても、自燃できると思います。私自身もそういう時期がありました。ただ、心が疲れているときや、前向きになれないタイミングだったとしたら・・・?長谷部選手のように強くなれるかというと、層でもない場合もあるのかな、と今になってみると思います。
この本を最初に読んだ30代は、有り体にいうと「イケイケドンドン」時代だったので、仕事でキツい苦しい時期があっても、それこそ気合いと根性、勢いなどで乗り越えられたりするのですが、それでは超えられないようになるのが40代。私は超絶鈍感だったので、自分がそういう状態に陥るというのがギリギリになるまで分からなかったんですね、それだけにリカバリーに時間が掛かってしまったわけですが・・・。こういうのが再読の面白いところです。今だから分かること、今だからできること・・・そんな新しい発見もまた再読の魅力の一つです。
頑張っている人の姿を目に焼き付ける。
答えがないようなことを延々と考え過ぎて、迷いが生まれている時にどう切り替えるか。そういうときに僕は身近な所にいる『頑張っている人』を目にするようにしている。日本でいた頃で言うと、真夏の炎天下、工事現場手働くおじさん。腕まくりをして、汗を流しているおじさんを見ると僕は何だかすごく熱くなる。自分もああいう格好良さを身につけたいと思って、小さなことに悩んでいる場合じゃないとエネルギーが沸いてくる。僕が気付かないだけで、日々の生活は頑張っている人々の姿であふれているのだと思う。自分のことでいっぱいいっぱいにならず、そういう姿に気がつける自分でありたい。
炎天下に交通整理をされているガードマンさん、警備員さん、そして工事現場で汗を流す職人さん・・・本当に頭が下がります。他にもたくさん自分よりも頑張っている方がたくさんいらっしゃいます。長谷部選手が仰るように、泣き言を言いたくなったら、身の回りにいる、自分以上に頑張っている人たちからパワーをもらう・・・という、この考え方も素晴らしいですよね。「みんな頑張っているんだから、自分も元気出そう!」と自分を鼓舞する、この姿勢は見習いたいと思います。
ということで、今回は「吸収する」をテーマとした章について、一緒に読み直していきました。長谷部選手のまっすぐな姿勢が、非常に良く伝わってきたのではないでしょうか。少しだけでも自分の生活の中に取り入れていきたいと改めて読み直しながら感じた次第です。