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【モチベーションアップ】何を言ったかより、誰が言ったか・・・かも。
先日来、ちょこちょこと書いている「教育論」的なエピソードの続きです。まあ、私なんぞが語ったところで何になるのかは不明ではありますが、そうした業界に身を寄せていた者でもありますし、今もまだ関連業種にはおります。それに少しだけ離れたことによって、少しは客観的に見ることが出来たのかな、と思う部分もあったりします。そういうわけで、今回も書き綴っていきたいと思います。
「教え方」と「モチベーション」、どっちが大事?
まあ、結論から言うと「どっちも大事」となるわけですが、私の経験としては「モチベーション」掛けの方が重要かな、と思っています。それこそ「○○スイッチ」ってやつですね(笑)。これがONの状態になっていれば、その子が吸収する力は全く変わってくると思います。では、これをどう入れればいいのか、っていうことですよね。これが難しい(・・・って誰でもご存じですよね)。
誰かからの「強制」や「恐怖心」は短期的には効きますが・・・
これは皆さんのお子さん、いや、皆さんご自身の子ども時代を考えて頂ければ分かると思うのです。たまーに「勉強しようかな」と思った瞬間に、親御さんに「勉強しなさい」とか「勉強したら?」なんて声がけをされると、一瞬にしてやろうと思った気持ちが下がってしまった・・・なんて経験はありませんか?これって多分、頭の中(潜在意識か?)では「勉強しなきゃ」と思っていながら、やっていないことに罪悪感を感じている状態で、そのことを指摘され、その反動で自己嫌悪と怒りが増幅して起こるのかな、なんて思っています。
そんなわけで、もう少しキツめに「強制」や「恐怖心」で子どもさんを勉強縛りにすると、短期的には効果があるのですが、長期では続かないんですね、経験上。
「ご褒美作戦」はまあまあいいらしい
これは中室牧子さんが書かれた「学力の経済学」からの受け売りですが、目の前にニンジンをぶら下げる「ご褒美作戦」はそれなりに効果がある、というふうに書かれていました。ただし、あまり多用すると効果は薄れるように思いますし、提示するご褒美のグレードアップにも限りがありますからね、やっぱりこれもまた短期的な効果が基本かな、と思います。
では、どうすれば長期的にモチベーションを保てるのか?
当たり前ですが、本人が自主的に「勉強したい!」と思わなければ、いくら周りが盛大な応援団になっても難しいですよね。結局やるのは本人ですし。それで最初の話に戻るのですが、いつ・どこで・どのように「○○スイッチ」が入るのかが千差万別だから難儀なんですよね。私の場合、英語は学生時代には全く出来なかったのですが、「いつかは話せるようなりたい」とずーっと思っていて、社会人になってからドロップアウトしてワーホリで語学学校に通ったタイミングでスイッチが入った、という経験があります(なんとも遅すぎるスイッチONではありましたが・・・涙)。
まずは教科からのアプローチ
例えば、その教科が出来る(=テストなどで高成績をキープできる)から、好きになる、頑張れる。なんてパターンもあります。または、その教科が好きだから、頑張れる、ということも。私の場合、社会科・・・中でも地図が子どもの頃から大好きだったので、地名や国名、山や川、各地の産業や農業などなど、とにかくそういったことを覚えることが好きでしたし、何の苦もありませんでした。一方で、理数系・・・特に数学は全くダメでした。というように、好き嫌いがあるわけなので、いかにして得意や好きを伸ばしつつ、嫌いや苦手を減らせるか、ということが重要ですよね。
次に教える側(=教師など)からのアプローチ
それ以外だとその教科の先生が好きだから、ということもモチベーションアップには有効だと思います。この場合、好きというのもいろいろあって、教え方が上手だとか、授業(や講義)が面白いとか、そういう「良い印象」を持っていることで、その教科を頑張ろうという気になる、ということもあると思います。そうなると教える側としては「上手な授業とは?」という議論になっていきますね。まあ、これもまた人によって千差万別。話が相当深くなっていきますので、また別の機会に書きたいと思います。ここではまずは教える側が最低限「嫌われない」ということだけは心がけたいですね。
三つ目は「環境」面からのアプローチ
これは私自身が集団塾に所属していたので、特に強く感じている部分です。クラス全体にチーム感を持って取り組む集団になっていくことができれば、どんどん自分たちで主体的に取り組んでいけるのではないか、と考えています。これには若干、成功体験もありまして(というか、恐らく、多くの方がそうした経験をお持ちだと思います)、クラス全体を一つの目標(例えば受験合格、など)という長期目標に向け、一緒に戦う(というと若干強い言葉ですが・・・)空気感を醸成していくことで、全体が徐々に自分たちから進んでモチベーションがアップした集団になっていくということもあります。
個人でモチベーションをアップするにはどうすればいいのか?
これはなかなか難儀かな、と思っています。もちろん社会人であれば、自身で検定などに向けて取り組めるかもしれません。いや、それでも会社から若干の強制力があった方が、効果は高いかもしれませんね。自分だけで漠然といついつにTOEICだ、とかは難しいかもしれません。また。大学生であれば、この資格を取れば就職に有利だとかがあれば、頑張れるかもしれませんね。大学受験を控えた高校生などは、ハッキリとした目標がありますから、それに向けて「やるしかない!」という気持ちで取り組めると思います。
問題は、それよりも若い、小・中・高校生たちですね。もし、彼ら彼女らを一人一人それぞれにモチベーション掛けをして、自主的に取り組むように導くにはどうすればいいのか?
やっぱり第三者が必要か!?
理想は本人が自分でエンジンを掛けて走ることだと思います、当たり前ですが。次は親御さん。やっぱり一番身近な存在ですからね。しかし、近いからこそ逆に反発もあるわけで、なかなか難しい。というのも、お子さんも自身の苦手や不得手な部分を、いくら親御さんとは言え、さらけ出すのは勇気がいりますからね。それに恥ずかしかったり、この成績で𠮟られたらどうしよう・・・というネガティブな気持ちを持つことは容易に想像できますよね
。
そうなると、結果としては第三者がアドバイザー、ペースメーカーとして
役に立つのかな、と思います(なんだか、塾とか予備校の宣伝みたいですが・・・笑)。別に塾や予備校に行かずとも、本人が尊敬していたり、良い印象を持っている方が身近にいるのであれば、そうした方でもいいと思います。とにかく本人がその人と会うことでポジティブな気持ちになることが重要だと思います。そうした方からの「励まし」や「好評価(=褒められるなど)」が相当なパワーを持っていると思います。
結局は「何を言ったかより、誰が言ったか」
少し強引なまとめになりますが(笑)、結果としては、同じ内容でも、受け手がどういう気持ちか、ということが一番重要になってくると思います。これもご自身に置き換えれば容易に想像できますよね。同じ言葉でも、自分が好意を持っている方に言われる場合と、苦手としている方に言われる場合とでは、全く違いますよね、受け取り方が。そういう意味ではやっぱり人間はどこまでいっても「感情の生き物」ですので、「何を言ったかより、誰が言ったか」なんだと思います。
親御さんであれば、関係性に非常に影響されますが、本人に対して強制感なく、導くことができればベストだと思いますが、多くの場合、近いからこそ難しいということが多いと思います。そうなると、第三者による「励まし」や「褒めること」などにより、本人をポジティブな方向に導くこともできるのかな、と思います。ただし、これもまた100%必ずそうなる、ということではない、ということもお伝えしなければなりません。どうにもこうにも、押しても引いても、スイッチが入らない、という方も時にいらっしゃいましたので・・・涙。
「学習的無気力」だけは避けたい・・・
これは私が楽観的にどこか性善説を信じているからなのですが、人は何かどこかしらに興味を持つものがあってほしいな、と思っています。自分の好きなもの、好きなことを押しつける気は全くありませんが、何か一つくらい熱中できるもの、得意なことがあるはず(最早、願望)と思っています。全くそういうものがなく、ただただ「無気力」になっている、さらには何度もやらされたことによって、どんどん「無気力」になっていく・・・ということだけは避けてほしいと思っています。ただし、水を飲みたくない人に、水を飲ませても仕方が無いわけで、こういう状態をいかに無くしていくか・・・やっぱり冒頭の話に戻ってしまいますが、しつこく、ありとあらゆる手段で「○○スイッチ」を探していくしかないんでしょうかね・・・結局は。