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【ビジネス本再読】「EQ~こころの鍛え方」①~「感情」の大切さを知る

ここ最近、改めて「EQ」について読み直しています。すると「7つの習慣」などと同様に、いつの時代にも通じる「不変」の考え方であると再認識させられます。私自身、かつて小さな組織の長としてもがいていた際に、ありとあらゆるビジネス本を貪り読み、なんとか日々の活動に活かそうと奮闘していた時のことを思い返しながら、今また立場は違えど、こうして振り返ることでより一層深く「EQ」について考えることが出来ました。ぜひ、今、あらゆる組織でリーダーとして頑張っている方々(恐らくすでにご存じとは思いますが・・・汗)におかれましても、時に立ち止まるような出来事があった際には参考にして頂ければと思い、まとめてみました。今回は高山直さんの書かれた「EQ~こころの鍛え方」を取り上げてみたいと思います。


「感情」の大切さを知る

EQは、感情をうまく管理し、利用することで「前向き」な感情を生み出すことを主眼としています。「明るい」「喜び」「楽しい」「意欲的な」「安らぎ」「やる気」といった前向きかつ積極的な感情です。前向きな感情は前向きな思考につながり、前向きな行動を生みます。前向きな感情を維持できれば「こうすればもっとよくなる」「この苦労は次へのステップだ」と考えることで、意欲的に新しいアイデアや改善案にチャレンジしたり、他部署に協力を働きかけることで課題解決に向かうことができます。EQが適切に機能することではじめて、IQやスキル、知識といった能力を最大限に活用することができるのです。

「EQ~こころの鍛え方」高山直著より抜粋

まさにその通り・・・なのですが、これは公私ともに心の状態が安定していなければなかなか難しいですよね。何かしら問題を抱えている時には、どうしても前向きな気持ちにはなりませんからね。そこを無理矢理なんとか「気合い」だのなんだので無理をし続けると・・・。ですから、EQを最大限に発揮するためには、働く環境、そしてさらには一人一人のプライベートな部分においても「心の平穏が保たれている」必要があると思います。じゃあ、とにかくそうした環境を作ることだけに特化すれば良いのか、ということではなく、両輪なんだと思います。自分自身も「EQ」を高めていこうという気持ちを持ち、さらには実際に挑戦し、そして同時に公私ともに安定できるよう努める・・・ま、難しいですけどね(涙)。


ビジネスで成功するためにはIQだけでは足りない

「ビジネスで成功した人は、対人関係能力にきわめて優れている」ビジネスの成功者は「自分自身の感情の状態を把握し、それをうまくコントロールするだけでなく、他者の感情の状態を知覚する能力に長けている」。このため、その人の周りには多くの「協力者」が集まり、結果的にハイ・パフォーマーとしての成果をあげていたのです。「人生で成功できるかどうかを決めるのはIQではなくEQだ」

「EQ~こころの鍛え方」高山直著より抜粋

短期的成功を収めるためだけなら、恐怖心によってチームを支配する手法も一瞬では結果を出すことが出来るとは思います。が、これはあくまでも短期的なものであり、その副作用はその後、長きにわたり続くことになると思います(←実話)。やっぱり働くなら、チーム一丸となってみんなで楽しめる環境がいいですよね(ま、その一方で、研究職だったり、アーティストのように一人で結果を出す、作品を仕上げる職もありますので、その辺りは人それぞれだと思いますが・・・)。そしてもし、チームで結果を出す、ということであれば書かれているように「IQ」よりも「EQ」という考え方は正しいと思います。理想は一人ひとりの個人もスキルが高く、さらにはそのチームを束ねるリーダーがスキルのみならず「EQ」が高い・・・ということだと思います。ま、これもまたなかなか難しいですけどね。

もっと感情に注目しよう

EQの高い人は、自らの感情をうまくマネジメントすることで自分自身を奮い立たせるだけでなく、周囲にも好影響を与えます。部下が何か失敗したようなケースでも、その感情に的確に働きかけることで部下を前向きな気持ちに導いたり、やる気を引き出すことができるのです。その人は間違いなく優れた業務上の知識やスキルに加え、言葉ではなかなか説明しにくい魅力的な「何か」を備えているはずです。いうならば、その魅力的な「何か」を支えている能力こそEQなのです。

同上

先ほどのように理想のチームとそのメンバーを集めることは非常に難しい。そんないつ集まるか分からない理想を追い求め、メンバーが揃わないから結果が出ない・・・ではリーダー失格ですよね(実は私もかつてはチームメンバーを言い訳にしていた時期がありました・・・汗)。どんなメンバーであっても結果が出るよう工夫をするのがリーダーの役目。そんな時にはプロ野球界屈指の名将、野村克也監督の考え方が参考になると思います。「野村再生工場」と呼ばれた監督独特の選手たちへのモチベーションの高め方というのは、あらゆる組織の参考になると思います。

名将野村監督の巧みな選手操縦術

とはいえ監督ご自身が選手としても超一流で、現役後期には監督業も担っていたそうですので、最初から実力を持っていた、という面はあると思います。しかし、ご自身が著書で何度も書かれていますが、ヤクルトの監督になる前は評論家として再度プロ野球について徹底的に勉強したとのこと。さらにはご自身に不足していた(と自戒されている)教養面を高めるために、その道のプロの方と交流を重ね、研鑽を積まれたという努力の持ち主。とはいえ監督のキャラクターもありますから、「EQ」たっぷりに選手に接する、というよりは各選手をじっくり観察して、それぞれに合った接し方を執られていたようです。これも勉強になりますね、自分と全く違うキャラクターを演じ続けるのもしんどいですからね。

「心」のつく言葉を使って、感情に注目するクセをつけよう

日本は昔から礼儀礼節を大切にし、目上を敬い、思いやりや気配り、心配りといった人間同士のこころのつながりを大事にしてきた国ではないか。心とEQの関係性を強く感じます。感情に注目するということは、「心」に注目するということです。「心」のつく言葉を意識的に使用することで、感情に注目することができます。日常的に「君は心の優しい人だね」とか「心に残る言葉だなあ」といったように「心」のつく言葉を使っていると、自然と自分や周囲の人の感情に注目する習慣がつくからです。

同上

「EQ」とは「Emotional Intelligence Quotient(感情知性)」の略称ということです。1980年代に米国の心理学者たちが提唱した考え方ではありますが、日本には古来から「EQ」の精神が根付いていたのではないでしょうか(もちろん諸外国もそうだと思いますが)。相手のことを思いやる、目配り、気配り、心配り(こころくばり)・・・など、少し昨今廃れてしまった感も否めませんが、本来、日本人なら(きっと)誰もが普通に持っている習慣であり考え方なのだと思います。そして「心」というものを大切にしてきたのも日本人ならではですよね。

名作「ユー・ガット・メール」、幻の日本版タイトル

トム・ハンクスとメグ・ライアン主演(ちなみに私はこの二人の共演映画が大好きです笑)の名作「ユー・ガット・メール」という作品がありました。たしか日本の配給会社は「クリック・ユア・ハート」にしたかったそうなのですが、ハリウッドの本社側からNGとなってしまった、という記事をかつて読んだことがあります。「ハート(日本では「心」ですが)」という単語の持つイメージが日米では違っていたのが原因ではないか・・・というようなことを配給会社の担当者が語られていたエピソードをなんとなく記憶しています。私たちの思う「心」が「気持ち」を表すのに対し、英語の「ハート」は実際の「心臓」をイメージするのかもしれませんね(辞書を見ると感情としての心も表すようですが・・・)。

経験を重ね、トライアンドエラーから成長していこう

ここまで「EQ」について考えてきましたが、大事な要素として「共感」する力もあるように思いました。そして「もし自分が相手の立場だったら?」と相手のことを思いやる気持ち力、これもまた必須のスキルですね。単に結果を出せ、では人はついてきませんから。ここは焦らず、それでも日々、自分自身はトライアンドエラーを重ねながら前へ進んでいくしかないのかな、と思います。きっと短絡的なルートはないんだと思います。とはいえ、どこまで続くか分からない道のり、モチベーションをずっと維持するのもまた大変だったりするのが実際だったりするので、これもまた難儀ではありますね。ただ、少しでも自分で小さな一歩を実感できたとき、実は大きく前進していた、なんてこともあるので(←実話)、諦めず進んでいくと良いかもしれません。


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