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くすり/供給義務と責任、生産性向上

※トップ写真の薬は記事の内容とは関係ありません※

まだ2021年も3月だというのに、医薬品業界を揺るがす2つの行政処分が起きてしまいました。

ジェネリック医薬品大手・小林加工と日医工が業務停止処分を受けました。出荷を優先した結果、再試験のために必要な調査もせず、直接出荷に関係ない試験を後回しにしたり、承認されていない方法で生産して収率を上げたりしていました。

医薬品製造販売には供給義務があります。薬価申請したのにしっかり市場に供給しないと、厚労省から指導が入ります。その上、ジェネリック医薬品は薄利多売ですから、シェアを取らないと儲けも出ません。

降圧剤としてよく処方されるアムロジピン(先発;ノルバスク)。ジェネリックは30社が薬価収載されています。しかも、10mg錠で薬価25円(先発は60円くらい)。なかなか厳しい値段です。

でも、患者さんの体を守る責任は、供給義務より重いです。

患者さんを守り、医薬品製造業で働く社員を守るには、経営側が真摯に品質を作り込み、世に問うて正しいことをすることが必要です。

今回の出来事を通し、医薬品製造に携わる者として、改めて気を引き締めなければと感じました。

これから、薬価はどんどん下がり、人手もどんどん足りなくなっていくはず。だからこそ、どうやって品質を担保するのか、GMPを守るのか。その中で生産性を上げるのか。

そういった、業界のちょっとした裏話と、品質を守る努力を、少しでも伝えていけたらなと、思っています。

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