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ダイアベティス

2023.9.23付け毎日新聞東京本社版朝刊掲載紙面より

「diabetes」「ダイアベティス」、英語表記を和製英語表記しようという提案らしい。

糖尿病、尿に含まれる糖分があるから「糖尿病」という病名があり、長年この「尿」というイメージに不快感をしめる意見が多数あり、改称の提案があったようだ。

糖尿病は二千万人とされる患者の九割が、遺伝的素因によるインスリン分泌能の低下に、生活習慣の悪化の悪化で、インスリンが相対的に不足に陥った病で正確には2型糖尿病である。

そして一割が、膵臓のインスリンを出す細胞(β細胞)が、自己免疫異常などで破壊されβ細胞からインスリンがほとんど出なくなる病、1型糖尿病である。

したがって、発症の経緯からすると2型糖尿病と1型糖尿病はまったく別の病といえるが、どちらも血糖値の観点からいうと糖尿病という一括りにまとめられているのである。

私が激症1型糖尿病に罹患したときには、1型も2型もごったに、一緒の病と思っていて、1型、2型の発症の違いなど頭になかった。

「糖尿病」確かに”尿“という、あまり歓迎したくない文字、尿の匂いが甘ったるい感じになるらしく、糖尿なんだってな、と語源を知り、そうかそうか、と受け入れるしかないかと思ったぐらいだ。

それより、自分の病を第三者に「1型糖尿病です」と告げなければならない時、

一様に「糖尿病ね、不摂生な生活をしていたのね」というような「糖尿病」の一般的なイメージで決め付けられることだった。

今回の新呼称提案でいえば「type1 diabetes」という英語表記になるのかもしれないが、「ダイアベティス」などと直訳した和製英語などではなく、日本語での呼称をのぞむな、
「じゃ、たとえば?」といわれたら、
「急に言われても…」
と梅沢富美男のような答え方になってしまう。




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