青少年的人生論 #4
人と窓
窓の外から私を見ている人にとって、私もまた窓の外にいる
私との境界線、日常の一片
窓は私を切り取るフィルム
電車の窓から眺める景色には、様々な生活が見える
私の知らない誰かが、主人公として一日を越えていこうとしている
夕暮れに抗う小学生に思いを馳せる
溢れる光には生活が映写される、住宅の窓
そこには確かな生がある
人には誰しも窓がある
窓を介して人々は交流し、遮断する
草原に風が吹くと、カーテンは揺れ、青が広がる
影を見ると過去の自分が
心は入れ替われども、体はそこにある
重いシャッターを下ろし、ひとり
窓から見える景色への妬み、嫉みは遠くなり
深くなる、ひとり
あらぬ姿をしている過去の自分
窓に問いかける
私が、私たるために!
私に応えるように力強く、厳しく開く窓
うんと溜まった陽が部屋を埋め尽くす
見透かしていたのは窓だった
無色透明の私が、そこに
何色に染まることのできる私が
あるがままの姿で生きていくと強く誓った
窓となった私は、とある事実に触れる
あの影は過去ではなく、未来に伸びていた!
私に触れたその、やけに冷たい手は特別などではない
然るべき手は常に自分が差し伸べている
窓に映った私は、窓の向こう側にいる
切り取られた私が常に本当だとは限らない