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【告知あり】もっと”ぐずぐず”する力と、「ときの解き方」

2023年4月8日(土)に、毎日文化センター(大阪)で対談イベントを行います。
お相手は、関西大学人間健康学部准教授の小室マイケル弘毅先生。去年の春に実施した「ぐずぐずする力」の続編、タイトルは「もっと『ぐずぐず』する力〜マインドフルネスとフォーカシングからみた”うるうとき”」です。
詳細やお申し込みは、下記のリンクから。

今回の企画の紹介文を下に転記しています。小室先生と”ぐずぐず”と対話しながら書いたものです。

答えのない事態に対し、安易にわかったつもりにならず、逡巡し、行きつ戻りつしながら、実感できる言葉を探っていく「ぐずぐずする力」。
昨年4月のネガティブ・ケイパビリティをめぐる対談に引き続き、今回のテーマは「時間意識」。
一年365日だとどうしても”辻褄が合わない”が故の閏(うるう)年のように、私たちの生活の中に不意に立ちあらわれる「うるうとき」との付き合い方を考えます。
それは、私たちを徒労させる”憂う”ときなのか、それとも心がうるうると”潤う”ときなのか。
マインドフルネスとフォーカシングの観点から、お互いにぐずぐずと”説き”あい、”溶き”あい、そしてご参加の皆さんと”解き”あう時間となれば幸いです。
「もっと『ぐずぐず」する力』案内文

コスパ・タイパなるものに逆向する本企画。先日、同僚の先生が昨年度の企画名を何かで見たらしく「先生、面白い名前のイベントしてますね、ダラダラするなんとか…」と、お褒めの言葉をいただきました(それはとんねるず的な何かになっちゃうのでは)。人一倍ぐずぐずしている2人で、今年もお話させていただきます。

今回は僕の方から、タイトルの素案を提案しました。ちょうど、小室先生がインタビューイとして出演された山岡信高監督の映画『アートなんかいらない!』を見た直後で(こちらも素晴らしいのでぜひご覧いただきたいです)、「時間の話をしたい」と打診し、それに「うるう(閏)」というテーマで小室先生が応答するというかたちで決まりました。上の文は、そんな未だ形になっていない漠然としたテーマを、言葉あそびをしながら作文したものです。

とき(時)、とき(説き)、とき(溶き)、とき(解き)…。京都大学の藤原辰史先生のご著書『分解の哲学』(青土社)に書かれていて非常に興味深かったのが、日本語の古語の”とき(時)”に関して、国語学者の大野晋氏が「とき(時)」がその語源として、「ほどく」のニュアンスも含む「とく(解く)」に由来するという仮説を挙げている箇所でした。
この「とく(解く)」には自動詞としての使い方があり、人が手を加えなくとも自然と紐がほどけたり、転じて心のわだかまりがなくなる意味になったり、警戒心がとけることにもつながるといいます。
万葉の句にも出てくる「夜のほどろ」というのも、夜がほどけて、そこから空が明らみ、ときが過ぎゆくまさにその場面をことを指しているのでした。

”ぐずぐず”する時間は、ケーブルやネックレスのチェーンが解けてくれないイライラする”ほどけない何か”と関わるときのある種の意図的な向かい方のように見えて、本来は自動詞的な、自然と生まれる「ほどけ、とき」に立ち会うような時間意識なのかもしれません。
種から芽がほどけ出るように。夜が明けていくように。氷が解けていくように。

そんな”ぐずぐず”する意識のあり方を、杓子定規の暦の上で余ってしまった「うるう」時間とはどのような時間か、などの問いとも交差させながら、当日は小室先生とじっくりと、ぐずぐずと”ときあい”をします。
”待つことが大切”のその半歩先へ、ほどけるきっかけとなるような機会になればと思います。

4/8(土)の15:30より対面実施です。よろしければぜひご参加ください。

※4/6 8:00 開催日程に誤りがあったので修正じした。

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