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世界ナンパ紀行

海外でナンパされた記憶がふつふつと蘇ってきたので、シェアしていこうと思います。

1度で3度美味しい、3か国のお話!

インド編~トリバンドラム~

インドは、ナンパ国、と言っても過言ではない。

記憶力のいい彼らは、自分の好きな国の言葉を覚えて、町中で毎日声をかける。

日本語で話しかけてくると、私は無視をする。ろくなこと企んでないからだ。

『こんにちは~』なんて3歩歩けば言われる。

無視してたら、『なんでやねん!』とそれはもう流暢に言われる。

そんな中。日本語の声掛けで私が危うく落ちそうになったのは、物売りの男性の一言だった。

『稲川淳二!』

南インドのリゾート地で、私はそう声をかけられた。
脳内が整理できずに思わず振り向く。

するとそこには、笛売りのおじさんがいたのだが、


稲川淳二そのものだった。

そっっっっくりだった。

ここで稲川淳二さんの顔を確認してみて欲しい。










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うかつだった。気づかなかった。

めっちゃインド顔だ。

私は思わず吹き出しそうになったが、急いで踵を返し、ダッシュで逃げた。

ここで笑い崩れたらいらない笛を買う羽目になる。

切なそうな顔で背中にクジャクのように笛を刺したインドの稲川淳二が、
私を見ていた。危なかった。


インド編~ポンディシェリ~

ポディシェリは旧フランス領で、私のなかでは群を抜いて居心地の良い街だった。

ここで飲んだミネラルウォーターが、インドで一番おいしかった。

何処もそうだが、宿はインド人ターゲットのタイプのほうが安い。

結果私はインド人系の宿に泊まったが、食事はフランス系ホテルのカフェへ行った。

流石元フランス領である。すれ違う南インドの褐色の少女は、私に

『ボンジュ~』

と挨拶してくれた。

今もだけど、私は当時も坊主頭で、ロングスカートにTシャツ、そしてサングラスをしてプラプラと散歩していたので、あまり日本人には見られなかった。

朝食を食べに行ったカフェで、帰りの会計、ちょっとかわいい男の子が対応してくれた。インド人である。でも、いままでのねちっこいインド人とは違って、はにかみがちな優しい笑顔で、私も心がホッとした。

彼は会計後に、とても控えめななれない口調で、

『今夜は何してるの?』

と英語で聴いてきた。

『ごめんね、用事があるの』

と答えると、

『そっか、オーケー』
とまたはにかんだ。


かわいい。かわいいナンパだった。


でも多分彼は私の10個くらい年下であったろう。
私は当時33歳だったが、インドでは大体子供と間違えられるか、尼さんだと思われる始末だった。ポンディシェリでは、フランス系のアジア人だと思われたのかもしれない。(海外ではよくフランス系に思われるがなぜかは不明)

このナンパはとってもかわいかったので、気持ちよい記憶として私の中に残っている。


アメリカ編~ハワイ~

この記事を思い付いたきっかけはこちらの冒頭で、1年たっても同じナンパをしていたおじさんのことを思い出したからなので、紹介しておこうと思う。

私が初めて海外一人旅をしたのは、ハワイだった。24歳、傷心旅行。

なぜか新婚さんだらけのハワイを選んでしまった。

1か月、ほぼノープランでオアフ島に滞在した。

宿はユースホステルを使い、昼間は殆ど同じような散歩をしていた。

正直何人もナンパされたが、ご縁あって1年後もナンパしてくれたおじさんを紹介したいと思う。

確か名前はMAXだった。

私は夕方になるとワイキキビーチの決まったベンチに座り、ショッピングモール内のBOOK OFFで買った山田詠美の小説を夕日が沈むまで読む、という日課があった。

その日、MAXが来た。

ベンチの前には私の腰くらいの高さの壁があり、向こう側にはビーチが広がっていた。その壁に、

エイやっ

と、そう長くもない片足を載せ、石原裕次郎のようなポージングで私に微笑む。

頭は海外には多いタイプの禿げ方をしており、両サイドには坊主にカットしている毛がまだある。身長はそんなに高くなくて、ちょっと太めである。

皆様もご存知の通り、海外の男性にとってはそんなことはあまりマイナス点にはならない。むしろ男の魅力たっぷり、といった所だろう。

彼との会話が始まった。

Hi

Hi....

What is your name?

My name is ○○.
That means ○○ in Japanese...

Really??
What a beautiful name!

そんなスタートで、彼はMAXで、肉の卸の仕事をしていて、今ハワイに来てるんだ…みたいなことを言っていた気がする。

マイルドな会話中、彼の片足はずっとその壁に載せられている。

そして、彼は誘うでもなく、そのひと時の会話に満足して去っていった。

翌年、母がハワイに行くことになり、そのグループのガイド役で私が便乗することになった。またハワイに行ける!それだけでも嬉しかったし、母と行けるのも嬉しかった。

旅行中に自由時間をもらい、夕方、久しぶりにあのベンチに行ってみた。

ここからの夕日は、私の心にいろんな物語を刻んでくれたから。

ベンチにホッと一人腰かけた。

すると、見覚えのある角度で、また小太りな石原裕次郎が現れた。

登場の仕方が同じだった。

Hi

Hi....

What is your name?

My name is ○○.
That means ○○ in Japanese...

Really??
What a beautiful name!

そんなスタートで、彼はMAXで、肉の卸の仕事をしていて、今ハワイに来てるんだ…みたいなことを言っていた気がする。

マイルドな会話中、彼の片足はずっとその壁に載せられている。

そして、彼は誘うでもなく、そのひと時の会話に満足して去っていった。

あれ?デジャブ?ねぇこれデジャブ?

驚いた。これが彼の趣味で、少なくとも1年、やっていたようだ。いやもっとだろう。

ちなみに交差点で『こんにちは~』と声をかけてくる真っ黒に焼けた日本人のおじさんもナンパ師でいて、1年後は別の人に同じナンパしているところを見かけた。

ハワイのナンパおじさんは永遠に同じ手を使うのだろうか。

これがハワイの体験談だ。

MAXと会ったことがある方がいたら、ぜひ教えていただきたい。


イタリア編~ローマ~

イタリアへ女友達と二人で行った時のこと。

これは、どちらかというとサービスなんだけれども。

その前年にNYへ3か月渡米していた私は、レストランのコミュニケーションに慣れてきていた。

レストランコミュニケーションは、日本にはあまりない文化だけど、西洋の旅先では癒しのコミュニケーションだ。私たちを気持ちよくさせてくれる。レストランサービスも、そういう文化に長けている。

ローマに行ったときに、思いほのか料理が多くて、デザートはもう無理だね、というほど食べた。

会計をお願いすると、店員の男性が聴いてきた。

え?デザート食べないの?

ティラミスは?要らない?

じゃあ、僕の電話番号はどう?

甘い笑顔でそう尋ねられて、苦しかったのに二人で大うけしてしまった。

じゃそれだけお願いしようかな!

そんな冗談を交わし、お店を後にした。

路上にオープンテラスを作っているお店も、店員さんの声掛けがとてもうまい。

飛び切り美しいイタリア女性が日本語で

わ!かわいいね~!うちでご飯どう~?とか、

あ!着替えてきたの?それもいいじゃ~ん!

とか、私たちが通り過ぎて遠くへ行くまで、ずっと声をかけ続けてくれた。

もはや呼び込みでも何でもない。ほぼ気軽なナンパだ。


イタリアでは、ナンパでなくても、とにかく楽しい思い出になるコミュニケーションが沢山あった。とても楽しかった。


そんなこんなで、海外ナンパ紀行でした。

皆様のナンパ体験もよかったら聴かせてくださいね♪





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