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【アナタの恋愛観を】ぶっ飛んだ恋愛を描いた映画10選【変える】

『恋愛映画』、それは人の心をときめかせ胸を熱くさせるもの。映画がこの世に誕生してからこれまでに、数え切れないほどの恋愛映画が作られてきた。そして恋愛映画に欠かせないものが『恋の障害』。2人の間に立ちはだかる壁が大きければ大きいほど、本人たちも、観ている側もより気持ちが燃え上がるというもの。

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文化や歴史、身分差など様々な障害をテーマにした恋愛映画が描かれてきましたが、ここでは並大抵の障害ではない恋愛=ぶっ飛んだ恋愛を題材にした作品を10作品紹介していきたい。
ここで紹介されてる作品を観たらあなたの恋愛観が変わってしまうかも…

【ロシアの民話がモチーフ!少女とクマの切ない愛の物語『ベアーズ・キス』】

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製作年:2002年 製作国:カナダ 監督:セルゲイ・ボドロフ

天涯孤独なサーカスのブランコ乗りの少女ローラは、母グマに死なれた小グマと出逢う。ミーシャと名づけられたそのクマは、なんと人間の青年に姿を変えることができる不思議なクマだった。シベリアを起点にヨーロッパを巡るサーカスの道程で、密かに紡ぐローラとミーシャの恋。しかしミーシャはローラを守ろうとして、人を傷つけてしまう……。(映画com参照)

サーカス団の家族とともに世界を転々とする少女が調教用のクマと恋する物語。人間と獣の恋物語というと、フランスの民話がもとの『美女と野獣』が挙げられるが、本作もシベリアに古くから伝わる民話がもととなっている。ポスターの雰囲気は可愛らしいが、物語自体は少女をはじめとする登場人物達の孤独が描かれていてどこか寂しげ。少女とクマ(中盤から人間に変わる)の恋模様も背徳的で美しい。
2人(正確には1人と1匹)の愛の逃避行、その果てに訪れる切ないラストが静かに胸に響く。

【透明人間目線で描かれる恋愛劇『エンジェル、見えない恋人』】

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製作年:2016年 製作国:ベルギー 監督:ハリー・クレフェン

パートナーの突然の失踪により、絶望を味わったルーズは精神病院に収容され、誰に知られることなく、1人の男の子を出産する。エンジェルと名づけられたその子どもは、目に見えない存在であるという、特別な特性をもっていた。そんなエンジェルを、ルイーズは世間との接触を絶ち、施設の中で育てていった。そしてある日、エンジェルは盲目のマドレーヌという少女と出会う。目が見えないマドレーヌはエンジェルの秘密に気がつくことはなく、2人は次第に惹かれあい、愛を育んでいくが、ある時、マドレーヌが視力を取り戻すため目の手術を受けることになり……。(映画com参照)

透明人間との恋物語というだけでも、ぶっ飛んでるけど、主観が透明人間側というのもすごく新鮮。終始ゆったりめな話運びや会話量の多さ、そして愛に忠実なキャラクター達と、まさしくフランス映画という印象。
一種の実験映画のようで、シュールだったり変態チックに感じる場面もしばしば。それでもおとぎ話のような物語に、映画の美しさも相まって、終始幻想的な雰囲気を味わえる。

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【ダッチワイフが彼女です『ラースと、その彼女』】

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製作年:2007年 製作国:アメリカ 監督:クレイグ・ギレスピー

雪が降り積もる田舎町、優しくて純粋なラースは町の人気者だが、ずっと彼女がいないために家族は心配していた。そんなある日、ラースが「彼女を紹介する」と兄夫婦のもとにやってくる。しかしラースが連れてきたのは等身大のリアルドールだった……。(映画com参照)

リアルドールに恋する男性、その奇抜な設定からキワモノ系やコメディ的な内容を想像するかもしれないが、本作はいたって真面目かつハートウォーミングな内容といえるだろう。ラースに対し、何とかしようとするのではなく、見守る村人たちの姿は(もちろんラースのそれまでの人柄があるからだけど)現代的というか多様性を謳う今の時代に通じるものがある。本作は少し風変わりではあるけども、青年の成長を真摯に描いている物語なのだ。
そんな本作の主演は何とライアン・ゴズリング!『ドライヴ』(2012年)や『ラ・ラ・ランド』(2017年)などのクールなイケメン役とは一味違う役柄を演じてる点も見所の一つだ。

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【ストーカーはスマホ!『ジェクシー! スマホを変えただけなのに』】

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製作年:2019年 製作国:アメリカ 監督:ジョン・ルーカス スコット・ムーア

子どもの頃からスマホ依存症で、恋人も友だちもいないフィルが、スマホを機種変更した。新しいスマホにはすべての個人情報を把握し、生活すべてをコーチングする機能「ジェクシー」が搭載されていた。うだつの上がらないフィルの生活のすべてを一方的にコーチングするジェクシーに、フィルは振り回されるが、やがてジェクシーのおかげで恋人ができ、生活は劇的に変化していく。しかし、ジェフに恋人ができた途端に嫉妬に狂ったジェクシーが豹変し……。(映画com参照)

これを恋愛と呼んでいいかどうかは不明だ。というのも本作で描かれる恋は一方通行のストーキング。しかもその相手がスマホというぶっ飛んだ設定だ。とんでもない「ヤンデレ」なスマホにストーキングされる男の話は、まるで『世にも奇妙な物語』の話のよう。本作は、二日酔いしてやらかした男達ドタバタ劇を描いた『ハングオーバー!シリーズ』の脚本家が担当しているだけあってきわどい下ネタやブラックジョークもたっぷり。(そういうテイストが苦手な人はお薦めしづらいかも…)毒舌で強烈なジェクシーは実際にあったら凄くイヤだけど、いじらしい姿はとこか可愛く思えてくるから不思議。ロボットと人間の恋を描いた創作物は昔から描かれてきたが、もしかしたらそういう時代も近く訪れるかもしれない。84分と上映時間も短く、何も考えずにサラッと観れるのもお薦めだ。

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【こんな時代、ゾンビだって恋をする『ウォーム・ボディーズ』】

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製作年:2013年 製作国:アメリカ 監督:ジョナサン・レビン

謎のウィルスにより人類の半分がゾンビ化した世界で、生き残った人々は高い壁を築いて武装し、ゾンビから身を守りながら生活していた。廃墟となった空港に暮らすゾンビのRは、ある日、壁の外に食糧を調達しにきた人間たちを襲撃するが、ショットガンを構えた少女ジュリーに一目ぼれしてしまう。Rはジュリーを自分の住まいに連れ帰り、当初は戸惑っていたジュリーも、Rの優しさに次第に心を開いていくが……。(映画com参照)

ゾンビ映画といえば、低予算で製作できるという性質上、ありとあらゆるタイプの作品が作られているジャンルだ。人に襲い掛かる通常のタイプだけではなく、ゾンビを飼ったりゾンビ状態から治ってゾンビ時代の記憶に苦悩したりと変化球タイプの作品が製作されている。本作の存在を知った時は、「遂にゾンビ映画もここまで来たか…」と思ったものだ。ゾンビと人間が恋をする、そんなぶっ飛んだ設定の本作は、ゾンビと少女のピュアな恋物語を描いておりその恋模様にキュンキュンさせられること間違いなし。主人公のゾンビを演じたのは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)、『女王陛下のお気に入り』(2018年)のニコラス・ホルト。ゾンビなのにイケメンということもあって、本作はゾンビ映画が苦手な人にもお勧めしたい作品だ。

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【こんな状況は正直勘弁願いたい『友だちのパパが好き』】

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製作年:2015年 製作国:日本 監督:山内ケンジ

自分の父親のことを「好きだ」と親友のマヤから真剣に告白され、あきれる妙子。その話を聞き、母は笑い飛ばすが、父はまんざらでもない様子だ。妙子への突然の告白をきっかけに、マヤは父親へのアタックを猛然と開始。常識もかえりみないマヤの純愛が、家族、恋人、愛人、先生、同僚とさまざまな人間関係をも巻き込んで繰り広げられる。(映画com参照)

ある日突然、友達に「○○のお父さん(もしくはお母さん)が好きになった」と告白されたら、アナタならどうする?
これはそんな禁断の恋を題材にした作品だ。高校生の娘を持つ父親が、娘の友達と恋愛(と呼べるかはわからない)関係に陥る漫画が話題になったが、こちらはこの可笑しな状況を通じて描かれるそれぞれの人間模様が見所といえるだろう。ポスター画像だとコメディっぽい雰囲気もあるが、描かれるのはドロドロで生々しい人間描写。監督の山内ケンジは、演劇やCMディレクター(ソフトバンクの白戸家も担当している)などマルチで活躍される方だが、人間のリアルな描写とブラックユーモアを織り交ぜた演出が面白い。『愛がなんだ』(2019年)など今をときめく岸井ゆきのや『冷たい熱帯魚』(2011年)の吹越満などの演技もリアルな人間描写に拍車をかける。

Amazon Prime、Rakuten TV、TSUTAYA TV等にて配信中

【目覚める度に容姿も性別も変わる相手を愛せますか?『ビューティー・インサイド』】

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製作年:2015年 製作国:韓国 監督:ペク・ジョンヨル

男性、女性、老人、子ども、外国人など、目が覚めるたびに外見が変わるため、人に会う仕事ができないウジンは、インターネットを生かして家具デザイナーとして働いていた。ある日、家具屋で働くイスに恋をしたウジンは、彼女をデートに誘い、同じ顔を保つために3日連続で寝ずにイスと会う。しかし、眠気に勝てずに眠ってしまい……。(映画com参照)

恋人の容姿が変わってしまう。こうした設定の作品は時々あるが、本作はそういった作品の中でも群を抜いた変わりっぷりといえるだろう。何故なら本作の主人公は365日、見た目だけでなく、年齢、性別(!)さえも変わってしまうのだから。ただ、設定はぶっ飛んでるけど、本作はいたって正当派な恋愛映画だ。「愛とは何か?」といった哲学的な方面よりは「恋愛あるある」を描いているから多くの人が共感できるだろう。映像や音楽、展開が落ち着いてて上品なのも大人の恋愛映画という雰囲気でgood。日本から上野樹里が出演してる点にも注目したい。

Amazon Prime、Netflix、TSUTAYA TV等にて配信中

【獣への恋を通じて私は人間社会から解放される『ワイルド わたしの中の獣』】

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製作年:2016年 製作国:ドイツ 監督:ニコレッテ・クレビッツ

職場と自宅を往復する単調な日々を送るアニアの視界に飛び込んできた一匹のオオカミ。自宅マンションの前に広がる森に暮らす「彼」の持つ野性に心を奪われたアニアは、次第にオオカミに執着し、あらゆる手段を尽くし、自宅マンションに連れ込むことに成功する。部屋の中で暴れるオオカミには命の危険を感じながら、オオカミと心を通わせるアニアは、まるで恋人同士のように「彼」と接し、いつしか野性に取り込まれるようになる。人間離れした常軌を逸した行動を取るようになる彼女に、周囲は戸惑いを覚えるようになる。(映画com参照)

本作は上記に挙げた『ベアーズ・キス』と同じく獣に恋する人間の姿を描いた作品だが、あちらがファンタジックなのに対し、こっちは終始リアル路線。監督のフェチ全開だし(ちなみにこうした動物性愛を抱えてる人達をズーフィリアと呼ぶらしい)きわどい描写もあるが、社会に抑圧されてる主人公が野生に目覚めていく姿には共感を覚えるかもしれない。劇中の狼(名前はない)はCGじゃないというところも本作の凄い点。人を選ぶ作品ではあると思うが、興味のある人は是非ともチェックして見て欲しい。

Rakuten TV、U-NEXT等にて配信中

【こじらせ恋愛の究極がここにある『悪い男』】

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製作年:2001年 製作国:韓国 監督:キム・ギドク

昼下がりの繁華街をうろつく寡黙なヤクザのハンギは、ベンチに座ってボーイフレンドを待っていた清楚な女子大生ソナに一目ぼれする。ソナから侮蔑的な視線を向けられたハンギは、強引に彼女の唇を奪う。ハンギはソナに罠を仕掛けて借金を負わせ、自分が仕切る売春宿に彼女を売り飛ばす。娼婦へと変わっていくソナの姿を、マジックミラー越しに見守る日々を送るハンギだったが……。(映画com参照)

こちらはこれまでの作品とは少し趣が異なり、恋する相手がぶっ飛んでるのではなくシチュエーションがぶっ飛んだ作品だ。街で偶然見かけたヒロインに一目ぼれしたヤクザが、ヒロインを陥れて売春宿に売り払う。よく子供の恋愛で、好きな子ほど意地悪したくなると言われるが、本作の主人公はまさに子供の心のまま大人になったのかもしれない。しかも売春宿で、ヒロインが他の男性に抱かれる姿を覗き見ているというのだから、こじらせもここまでくると大したものである。創作物のジャンルで『寝取られ』という自分の好きな人が他の人と性的関係になる状況に性的興奮を覚える嗜好のジャンルがあるが、本作もそこに属するタイプの作品といえるだろう。監督はコロナウイルスによって2020年の12月に亡くなったキム・ギドク監督。内容が内容だけに(また監督自身の問題もあって)観る人は選ぶだろうが、個人的にはこのシチュエーションで恋が成立すると思っている辺り、自分はロマンチックだとも思う。

Amazon Prime 、TSUTAYA TV等にて配信中

【アカデミー賞受賞、映画史に残る大人のおとぎ話『シェイプ・オブ・ウォーター』】

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製作年:2017年 製作国:アメリカ 監督:ギレルモ・デル・トロ

1962年、冷戦下のアメリカ。政府の極秘研究所で清掃員として働く女性イライザは、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃する。イライザはアマゾンで神のように崇拝されていたという“彼”にすっかり心を奪われ、こっそり会いに行くように。幼少期のトラウマで声が出せないイライザだったが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は不要で、2人は少しずつ心を通わせていく。そんな矢先、イライザは“彼”が実験の犠牲になることを知る。(映画com参照)

最後に紹介するのは、『パンズ・ラビリンス』(2007年)、『パシフィック・リム』(2013年)で世界の映画好きを魅力し続ける名監督ギレルモ・デル・トロの作品。今作は異形への愛がテーマにしているが、それと同時に社会に虐げられている者達の物語も描かれており、テーマの融合が見事。
冒頭からラストまで完成された大人のおとぎ話となっている。特にラストシーンは鳥肌が立つほどの美しさ。
そして、この作品を撮ったのが、クリーチャーへの愛を長年作品に描いてきたデルトロ監督だからこそより説得力が増している。アカデミー賞受賞も納得の傑作だ。

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【まとめ】

いかがだっただろうか。本作で取り上げた作品はぶっ飛んではいるけど、いずれも恋に対する純粋な気持ちを描いた作品となっている。愛の自由さを知れる10作品、興味のある作品は是非ともチェックして欲しい。



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ヴィクトリー下村
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