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IT会社に固定残業手当(みなし残業)が多い3つの理由を社労士が解説

社長を全力で応援する社労士の下村です。
今回はなぜIT会社に固定残業手当(みなし残業)導入が多い理由についてお話しします。


〇年間の人件費の予算がたてやすい


創業して間もない会社ですと何より大切なのはキャッシュフロー管理です。
特にIT会社ですと繫忙期と閑散期の把握が難しく(場合によっては年中繁忙期といった場合も…)
従業員の残業代は予想が立てずらい部分です。

固定残業手当を導入することで年間の人件費の予算がたてやすく事業の運営をスムーズにします。

〇採用時の従業員の給与の底上げをできる


固定残業手当を導入していると給与の底上げが行え、採用時に目に留まりやすくなります。
実際に受け取れる額面が高ければ高いほど採用時には有利です。

AとBの会社を比べてみましょう。
(どちらも土日祝日休み、1日8時間労働と仮定)

A 固定残業手当の導入なし
 残業時間月20時間前後 あり

基本給24万円

B 固定残業手当の導入あり(20時間)

基本給24万円
固定残業手当 4万円

合計28万円

当然ですが従業員も転職活動時には給与がより高い会社への転職を希望します。
転職時の手取り額を意識される従業員の方であれば他の会社と比べた時に有利になります。

〇従業員の意識が変わる


雇用している従業員も残業してもしなくても給与額が変わらないのであれば
少しでも今の業務を楽にして早く帰宅するために自ら業務改善に取り組む事例が多いです。
(特に優秀な従業員さんほどそういった傾向が高いです。)

業務改善は日頃のどれだけ意識しているかによってその内容は変わってきます。
社長自身から残業を減らそう、仕事を効率化しようと言っても
なかなか実を結ぶのは難しいですが従業員自らが取り組みに前向きになるための一環として行うことも可能です。


なお、従業員個人の業務改善だけでは個人だけ楽できるのでは意味がありません。
社全体に広げるためにも良い業務改善の事例が起きた時は
その事例をほかの社員に広げる試みを一緒に行うとより効果的です。

〇最後に



最近の風潮では固定残業制を導入しているだけでブラック企業だと言う方もいらっしゃいますが
正しく運用し固定残業以上の残業をした場合はきちんと給与の支払いをするのであれば
会社にとっても従業員にとっても悪い制度ではありません。

ただし、きちんと会社として整備をせずに固定残業制を導入してしまったばかりに
従業員から残業代請求が起きてしまい、固定残業手当が認められなかったという事例も起きています。

「知り合いの社長が固定残業手当を導入してよかったと言っていたからうちの会社でも!」
と勢いのままに導入せずにぜひ一度専門家を交えて検討していただければと思います。

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