社労士に顧問依頼をする3つのタイミングを社労士が解説!
社長を全力で応援する社労士の下村です。
社会保険労務士として開業をして社長さんたちにお会いしていると
「社労士ってどのタイミングで顧問を依頼すればいいの?」
とご質問をいただくことがあります。
「従業員さんが10人以上になったときに就業規則の作成と届出が必要なのでそのタイミングで…」
というのがオーソドックスなお答えなのですが
正直に言うと就業規則の作成のみですとスポットでも十分な場合が多いです。
(もちろん、10人というタイミングで法律的なことを事業として最低限できているか?と見直す時ですので社労士に委託するタイミングとしては良い頃合いです)
では社労士に継続して顧問契約をするタイミングはいつなのか?
ポイントを3つまとめましたので、最後までぜひご覧ください!
・従業員さんの名前と顔が一致しなくなったとき
「従業員の名前と顔は完璧に一致してる!!」
という社長さんは普段から従業員さんとよくお話しして従業員さんの普段の働きぶりや性格、場合によっては家族構成まで理解されている社長さんが多いです。
契約書や法律といった部分ではなくお互いの信頼関係に基づいて仕事をしているともいえます。
何かおかしいと思えば従業員さんも社長さんに対して直接意見することができますし
社長さんも従業員さんの仕事ぶりに対して細かく指示ができます。
ですが会社の規模が大きくなり従業員さんが増えてくると
以前までは細かくわかっていた従業員さんの仕事ぶりや性格が分からなくなる。
もっというと名前と顔が一致しなくなります。
これは会社の規模が大きくなっていき社長さんの仕事も現場に出る仕事から会社を運営する側として立場が変わってくるため
従業員さんと物理的な距離も心理的な距離も離れてしまうためです。
そうなってくると今までのお互いの顔を見合わせた信頼関係の組織から
会社の仕組み(ルール)を作りその仕組みに則って会社を運営せざるを得なくなります。
今までは従業員さんと密接した信頼関係があったからこそ会社を運営できていたところが
社長さんが運営側に周り従業員さんと距離が出てしまった時に今までどおりの対応をしてしまうと
従業員さんとトラブルになり一斉退職といった事態が起きて社労士にご相談いただくと言ったらことが多いです。
会社の大きさによって従業員さんとの関わり方は必ず変わってきます。
そのタイミングは会社さんによって様々ですが
概ね従業員さんの名前と顔の一致が難しくなった時に社労士に一度ご相談いただき会社の仕組み(ルール)作りをされるのがおすすめです。
・手続き関係の事務作業に追われて事業に手が回らなくなってきたとき
人を雇用するというのは膨大な事務作業をする必要があります。
雇用するタイミングで雇用契約書の作成
労働条件通知書の作成
社会保険の加入手続き、雇用保険の加入
一年に一回の算定手続き、年度更新…
退職時には
社会保険の喪失手続き、雇用保険の喪失、離職表の作成、資格喪失証明書の作成などなど
これらには法律上の提出期限があり、手続きが遅れると従業員さんたちからの不信感が高まり
こんな会社にいられないと退職につながることも充分にあります。
実際に私自身も昔勤めていた会社が社会保険の手続きをなかなかしてくれず
健康保険証が2ヶ月以上も手元に届かず退職を決意した時にようやく手元に届いたということもありました…。
この採用難の時代にようやく採用できた方を早々に退職になってしまう可能性があるのは非常にもったいないことです。
他にも手続きに時間を取られるぐらいならばその時間を従業員さんとの面談の時間に充ててもらえると
職場満足度も高まりますので離職率が低くなります。
事務に手が回らなくなってきた時にはアウトソーシングするタイミングだと考えていただくきっかけにしてみてください。
・今までなかった従業員さんからの質問が増えた時
「親戚が亡くなったので法事にでたいのですが会社に特別休暇はありますか?」
「会社に行く途中で事故に遭いました。労災は使えますか?」
「うちの会社は有給休暇の買い取りはしてもらえないのですか?」
こういった職員さんの質問にどのように答えられていますか?
社長さん自身で問題が起きてから調べてからお伝えしているのでしょうか?
ネットで調べても記事によって違うことが書いてあってイマイチどうすればいいかわからないという社長さんも多いのではないでは?
社労士にご契約いただければこういったご質問もすぐにお答えが可能です。
更には法律上必要な制度とそうでない制度をお知らせし
会社にとってどの選択がベストなのか?というご提案までさせていただきます。
以前お会いした社長さんの会社さんは従業員数がかなり少ないのにも関わらず大企業並みの有給休暇制度を導入されており
「素晴らしいことですが、ここまで手厚くされた理由はありますか?」
と聞いたところ
「どこまで法律でしなくてはいけないのかが全く分からず前職の会社のルールをそのまま使ってしまって会社の運営に支障が出て困っているんです。」
とご相談を伺ったことがあります。
大企業並みの制度導入をされる中小企業様も多いですが
体力がある大企業と小回りが利く中小企業の社内制度は変わってきます。
一度大企業並みの定めてしまうとその後にルールを変更するというのは従業員さんの理解を得るのが難しいです。
安易にルールを自社のみで決めるのではなくぜひ専門家の意見を聞いていただいて
そのうえでルール作りをしていただければと思います。
・おわりに
社会保険労務士は人に関する専門家です。
その役割は様々で一般的な手続き業務(労働保険、社会保険)から給与計算、労務相談で活躍できます。
特に給与計算は社会保険、雇用保険とのかかわりが深く、残業代などの勤怠集計も社会保険労務士が得意としている労基法の範疇でもあります。
ぜひ今回の3つのポイントに当てはまった会社さんは社労士の委託をご検討してみてはいかがでしょうか?
弊所でも随時顧問契約のご相談受付中です!
ご興味ある方は初回相談無料ですので問い合わせフォームからご連絡ください。
追記
上記のように記載していますが、先輩社労士の先生からのお言葉で顧問依頼は早めがいいのではと最近考えるようになっています。
その理由については、下の記事に記載していますのでお読みいただければ幸いです。