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ガラタ橋、レストランは⋯⋯イスタンブール密。結局、夕食は部屋
イスタンブールは2泊3日。ここからメキシコシティに向かうつもりだ。その飛行機の出発は朝の6時55分。ということは5時には空港⋯⋯いや、コロナ禍では3時間前に空港に着いていたほうがいい。チェックイン時にさまざまな書類のチェックがあるからだ。ということは4時。イスタンブール市内からの距離を考えると、2時にはバスに乗らなくてはならない。こういうとき、ホテルはどうするか。1泊分を払うのは⋯⋯。若い頃は迷いもせず、宿はとらなかった。夜に空港に向かい、空港で寝る。それが僕の旅だった。いまでも空港のベンチで寝ることに抵抗感はない。しかし年をとってつらくなってきたことがある。昼にチェックアウトしてから空港行きのバスに乗るまでの半日だった。荷物は宿に預けられるが休むところがない。空港で寝る人は多いが、昼間、公園のベンチに横になると、ホームレスに近づいていってしまう。
結局、宿をとってしまった。宿は1泊のつもりが2泊になった。2日目はゆっくりイスタンブール。そんな1日を。
旅の期間:11月28日
※価格等はすべて取材時のものです。
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目前ネット予約をすすめるのはサービスなのか
(旅のデータ)
宿の1泊目はネットでとった。そのときは、空港行きのバスに乗るまで、休む部屋なしで頑張ろうと思っていた。しかし世界一周の旅に出て10日目。そこそこ疲れが出ることを忘れていた。結局、延泊を宿に伝え、その場で支払い。320トルコリラ、約2700円だった。ネットでとったときは2600円だった。こういう支払い方をすると、2泊目が高くなることが多い。ネットでとった価格を伝えると、「あれは値引きしてますから」とよくいわれる。ホテルによっては、「安くなるから、ここでネット予約したほうが」といわれることもある。シンガポールでは、「ここで予約しなさい」といわれ、彼のパソコンを貸してくれたことも。これってサービス? ちょっと悩んだ。
この朝食で1泊2600円は得でしょ?
sight 1
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泊まったホテルは朝食付きだった。1泊2600円でこの朝食は、やっぱりトルコ。欧米だったら、この朝食だけで2600円がかかりそう。チーズとオリーブ⋯⋯僕の好物です。トルコのホテルには、これまで30泊以上は泊まっていると思うが、ホテルで朝食をとった記憶がない。なにかいままで損をしていたような気分。いや朝食が充実した宿に偶然泊まっただけなのか。
sight 2
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さて、どこへ行こうか。宿から歩きはじめる。イスタンブールの旧市街は狭い石畳の道が続いている。朝はいつもこうなんだろうか⋯⋯。どの道も渋滞でした。これを嫌って、空港からのバスはスルタンアフメットよりだいぶ手前のベヤズット広場を終点に? ちょっと納得してしまう。
ガラタ橋の橋脚下レストランでサバサンド、216円。味、普通
sight 3
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やはりガラタ橋に向かってしまった。心残りがあった。サバサンドをまだ食べていなかったのだ。前日に訪ねたのは夕方だった。僕のなかでは、サバサンドは昼食メニュー。はじめて食べたとき、路上で立ち食いでしたから。ガラタ橋はいつも通り釣り人がぎっしり。以前はおじさんしかいなかったが、今回、眺めると、若い女性もちらほら。時代ですなぁ。
sight 4
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ガラタ橋の橋脚下のレストランでサバサンド。25トルコリラ、約216円。昼前でまだすいていた。かつてサバサンドは、ガラタ橋脇の船の専売だった。「あれはトルコ料理じゃない」とレストランは考えていたのかも。ところが安さと手軽さのせいか、一気にトルコ料理の代表選手に。となると⋯⋯。いま、この周辺のレストランでは、どこもメニューのトップにサバサンドを書くようになった。で、この店も。味? 普通でした。
sight 5
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ガラタ橋の上から、絵葉書的な写真を1枚。トルコ風に装飾されたサバサンド船とその向こうにアヤソフィア。このモスクは、元キリスト教の大聖堂。それをイスラム風に改築を加えてこの外観に。キリスト教とイスラム、どちらかをとると角が立つのか長く博物館という折衷施設だったが、2020年に正式にモスクになった。トルコの歴史も背負っているわけだ。外観は変わりませんが。いつも眺めるだけで、なかには入ったこと、ありません。すいません。
名探偵ポアロ気分で駅正面に向かうとがっくりきます
sight 6
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オリエント急行の終着駅⋯⋯名探偵ポアロ気分でこの駅正面に行くと、がっくりきます。えッ、これが世界で最も美しい駅のひとつに選ばれた駅? 味気なくない? 駅名はシルケジ駅。路面電車が走る道からこの駅に向かうと、こんな感じなのです。当時の面影を残している外観は左手の先。ですので、この入口を無視して左に進んでください。イメージを壊さないためにも。
sight 7
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これがオリエント急行のイメージを残している側。待合室も雰囲気です。この木製の椅子に座ると、「オリエント急行の殺人」の世界に浸れる? ここからホームに出、左手にあるのが『ORIENT EXPRESS』というレストラン。トルコ風の紅茶でも⋯⋯とメニューを見たが、値段、高すぎ。博物館もあるというのだが、みつかりませんでした。
sight 8
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想像力で遊べる方はこのホームへ。終着駅の雰囲気、伝わってくるはず。切符がなくても入ることができる。以前、ここからブルガリアのソフィアまでの列車に乗った。そこからベオグラードまでの切符をもっていたが、列車が大幅に遅れ、乗り換えられなかった記憶がある。理由? 乗客にアフリカ系の青年がふたりいて、国境でトラブルが起きたためだった。ブルガリアはEUに加盟している。トルコとEUの間にある壁。青年らはそれを越えられなかった。
ボスポラス海峡を渡るという好奇心、封印してください
sight 9
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シルゲジ駅から落ち葉に埋まったギュルハネ公園を横切るとボスポラス海峡に出る。ここにもたくさんの釣り人。今日は日曜日。トルコはイスラム圏だが、日曜が休日。だからといって⋯⋯。ガラタ橋も釣り人でぎっしりだった。イスタンブールの人たちってかなりの釣り好き? ほかにやることがない?
sight 10
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釣り人の横に座ってぼんやり対岸を眺める。そう、対岸がアジア。しかし対岸に渡ってみるとわかるのだが、ちっともアジアっぽくない。ヨーロッパ側より整然としていて、肩透かしを食ったような気分になる。建物も大きい。こうしてヨーロッパ側から、「向こうがアジアか」と眺めることをおすすめします。渡ってみようという好奇心は封印してください。
sight 11
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アジア側とヨーロッパ側を結ぶ連絡船は頻繁に出ている。以前、ジョージアからトルコに入国し、そこから列車で、アジア側の終着駅、ハイダルパシャ駅に着いたことがあった。建物はシルケジ駅より大きく、ドイツの中東進出というきな臭い歴史も潜んでいた。そこからこの連絡船に乗ってヨーロッパ側へ。通勤客で満杯だった。
美術博物館は”密”で諦めました
sight 12
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再びギュルハネ公園を横切ってスルタンアフメットモスクへ。とにかく巨大。見あげて、溜め息ひとつ。この周辺は、おそらくイスタンブール一の観光エリア。かなりの人でした。マスクをしていない人もかなりいて、こちらが心配になってくる。トルコではオミクロン株に感染した人がすでに出ているというのに。
sight 13
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トルコ・イスラム美術博物館にも行ってみた。時間があれば⋯⋯と思ってもいたが、この列を目にして諦めました。列というより、この”密”に。なんだか皆、まったく気にしていない空気なのです。これでいいんだろうか。つい呟いてしまった。制限のない開放感はありがたい。しかし⋯⋯。コロナ禍の旅は悩みの旅。
夕食はドネルケバブとビール。でも部屋食
sight 14
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夕食でまた悩む。スルタンアフメット駅のまわりを歩いて、”密”ではない店を探すのだが⋯⋯ない。歓声が道まで流れてくるほど楽しそうな店内。羨ましい明るさなのだが、いまはコロナ禍。夜の街を1時間近く歩いて、結局、ドネルケバブ。これはスライスした味つけ肉を積み重ね、回転させながら焼くスタイル。注文すると、焼けあがった外側をこそぐように切り、パンに挟んでくれる。トルコ名物だ。うろうろしているうちに、残り少なくなってしまった。1個12トルコリラ、約102円。どうやって食べた? 次の写真で。
sight 15
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ドネルケバブを手に、近くの屋台でハムサンドを買い足し、スーパーでビールを買って宿で部屋食でした。ビールは11トルコリラ、約94円。安くあげた? いや、どの店も混んでいて、ウイルスがやはり心配……。この先の旅も夕食はすべて部屋食になってしまう。そのはじまりだった。規制が緩い国を選んだ世界一周旅。コロナ禍の旅は部屋食の旅?
【次号予告】次回はイスタンブールからドイツのフランクフルト経由でメキシコへ。(2月11日公開予定)
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