清水慎一自叙伝【7】いよいよフランスへ
東京の菓子店での修業を終えて、目標であったフランスへいよいよ旅立つときが来ました。
社長からは、『何のためにフランスにいくのか、フランスに行って何をするのかをしっかりと明確にしなさい。ただ行くだけのパティシエなんて山ほどいる。でもその中で成果を掴んで帰ってくるのはほんの一握りだ。』と言われ、僕の中で設定したのが、
①国際コンクールに出場する
②有名店で働いて世界一の技を見る
③フランスの友だちをつくる
の3つでした。
結果から言うと、3つともすべてクリア。
国際コンクールでは入賞し、働いたお店はすべて有名店。(シュクレカカオ、ラデュレ、ジャンポールエヴァン 詳細はまた後日書きます^ ^)
しかも、シュクレカカオでは、フランス最高職人勲章MOFのリアルなコンクールに、助手として参加することもできました。
フランスの日々のことはまた詳しくたっぷりと書きたいと思います。
正直言うと、僕がフランスに行ったのは『箔をつける』ためでした。なんか、カッコいいでしょ^ ^フランスで修業したって言うと笑
そんなミーハーな、今思えば中途半端な気持ちだったと思います。
フランスなんてそれまで行ったこともないし、フランス語もしゃべれない(一応1年前から、当時流行っていた『駅前留学』には通っていましたが…)。友だちも何のツテもなく、勢いだけで行ってしまった、無謀な若者でした。
でも、何とかなった。
なんで何とかなったのか?
それは全て、『人との出会い』でした。
同時期にフランスパリに行った、今でも恩師の大切な方である、東京下丸子のパティスリーコリウールの森下令治シェフ。
どこの馬の骨かもわからない僕に、家を貸してくださり、パリでの生活を一から教えてくださった大恩人である、セルバ夫妻。
特にこのお二人との出会いがなければ今の僕はないと思います。
労働許可証も、滞在許可証も、VISAもない、本当に無謀なヤバイ若者を受け入れてくださった方々です。(違法滞在?まあ、もういいでしょ…20年も前のことだから😅)
成田空港からエールフランスに搭乗し、パリシャルルドゴール空港へ‼️
日本からパリは直行便で約8時間。
僕の座席は3列シートの一番窓側で、途中でトイレに行きたくても声を出せずに何時間も我慢して、まだパリに着いてもないのに機内で相当な格闘をしまうような内気な自分…笑
シャルルドゴール空港には、森下さんが迎えに来てくれていて、本当に心強くて泣きそうでした。
オペラ座の近くの安いホテルを予約してあったので、そこまで森下さんに送ってもらい、ホテル近くのブラッスリーで、ハイネケンで乾杯‼️
いよいよ、パリでの日々のスタートです。
困ったら、パリ日本人会に行けと、日本にいるときにパリ修業経験のあるシェフから聞いていたので、パリに着いた翌日にすぐ直行‼️笑
でも、単なる観光客として扱われ全く取り合ってもらえずに、借りられ家もなく、働く場所も見つけられないと言われ…
3日あれば家も見つかるだろうと、ホテルの予約は2日しかしていなかったので、即延長…
でも、何をどうしたらいいのかわからずに一日中ホテルから出ずにいようとしたら、掃除をするから出ていけと言われ、右も左もわからない、絶望にも近い気持ちでパリの街を歩いてたどり着いたのはセーヌ川。そこで初めて自分の無謀さを知ることになるのです…
何のためにパリまで来たのか?
これから何をどうすればれいいのか?
早くも2日目にして、日本に帰りたくなって明るい気持ちが全く持てない…
パリは晴天の日が少なく、いつも空が曇っているのも手伝って、とにかく暗い心持ちで途方に暮れたのを覚えています…
さて、この後の生活はどうなるのか…
この続きはまた後日^ ^
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