【ボクシニ 〜20年のキセキ〜】19
2月9日
朝の検診の時間
担当医から
『少し数値が落ち着いてきました。今日一日様子見て午後の検診のときに数値が安定したら管を抜きましょう』
この同じような毎日が終わるかもしれない
そう思った瞬間、僕は嬉しくて嬉しくて
つい「やったー!」と叫んでしまった…
医師も看護師も見ていたのに…
顔を赤らめたのは言うまでもない…
恥ずかしい…
・・・
朝食を済ませて
いつもならダラダラしてる時間が来た
このときばかりは
「今日だけはキチッとしなきゃ」
胸を張り
姿勢を正し
ドキドキしながら検診の時間を待つ
時間は9時を回ったばかり
午後の検診は13時
試験前の学生のようにそわそわして落ち着かない
時計とにらめっこして
時間を過ぎるのをただひたすら待…つ…
・・・
待つことはできず就寝
さすがに睡魔には勝てなかった
起きた際には「検診前は安静が大事」と自分に言い聞かせた
昼食後
いよいよ午後の検診の時間
ドキドキしながら結果を待つ
『んー…』
医師の表情は険しい
沈黙が部屋を包む
時間にしたらわずかだが
僕からしたら途轍もない長さに感じた
『うん、大丈夫でしょう。管を抜きます。』
目の前が眩しいくらい輝いて見えた
ようやくこの煩わしさから開放される
そう思った矢先、医師から
『一本だけ残します』
・・・僕の幸せだった時間を返してくれ💢
思わずそう言いたくなるくらい感情は高ぶったが
間違いなく前進してる現状に
少しの喜びを感じていた
つづく
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