「登校拒否」と「不登校」
いま、「不登校」とか「隠れ不登校」とかいう言葉がよく出てきて、問題になっていますよね。それぞれの定義はまたの機会とすることとして、私の中で気になったのは「いつの間に不登校?」ということ。皆さんのお子様時代は既に「不登校」と呼んでいましたか?中には、私のように「あれ?私が中学の時って登校拒否っていってなかったっけ?」ていう方、いるのではないかと思います。
言い方が違うんだから、意味がちょっとでも違うんじゃないかと思い、調べてみたのですが、これといった決定打はありませんでした。
ある方は
と、「最初から行く気がない」と「行く気はあるんだけど行けない」に分けていましたが、本当にそうだろうか、、、という感じです。
今では、教育関連のセミナーなどではあまり「登校拒否」という言葉は聞かなくなりました。「登校拒否」を含むいろいろな要素を含んで、全体としての「不登校」という言葉の使い方をしているように感じます。
一説には「登校拒否」だと「拒否」という言葉があまりよろしくない、とありますが、「不登校」の「不」という言葉もあまり良くない言葉だと思うので、これも一概にはいえません。もっといい言葉はないのかな、、、と思うのですが。
最近では、特に人間関係でネガティブなイメージはないけれど、校風があわない、集団になじめない、だから行かないという人たちを「明るい不登校」とか「前向きな不登校」ということもあるのですが、「不登校」に明るい、暗いがあるのかと思わずツッコミを入れたくなってしまいます。
総論
結局、「登校拒否」と「不登校」の違いはわからないままでした。ただ、いずれにしても言葉としてはあまり良い言葉ではないので、なにかいい言葉ってないのかなぁと思いました。
現在、コロナの影に隠れていてわかりにくいのですが、実は不登校の数は過去最大となってしまいました。年々右肩上がりとなっており、2020年のデータでは小中合わせると20万人近くが不登校(年間30日以上お休みしている児童・生徒)、不登校ぎみの児童・生徒はその7倍くらいいるのではないかといわれています。
一方、ここはあまり言われていませんが、高校では、実は不登校の数自体は微減しています(その代わり、小中学校にはない「中退」という層がかなり増えて大きな影を落としていますが)。この背景としては多様化が小中に比べ進んでいること、当事者である生徒自身が最終的に学校を決められるということがあげられるのではないかと思います。特に、近年、通信制の学校が充実しており、通信制の中でもそれぞれ違った特性を持っているので(受験に特化した学校、専門性を伸ばす学校、語学に特化した学校など)、無理なく、無駄なく卒業の単位を取れるようになっています。
私自身、ここに小中学生の不登校児を減らすカギがあるのではないかと思っています。
今、日本の99%近くが公立の小学校(約22,000校)です。ちなみに私立は200校強でそのほとんどが首都圏に集中し、国立は全国に散らばっているものの70校強しかありません。
私事ではありますが、北九州に住んでいた時、わが子をのびのびとした校風の小学校に行かせたいなぁと、小学受験にチャレンジさせようと思ったことがありました。一生懸命調べたものの、通える範囲では(公共の交通機関で1時間半程度まで)私立2校、国立1校しかありませんでした。でもこれは、今思えばまだ良い方だったかもしれません。
「風の時代」と呼ばれているいま、義務教育もそろそろ多様化へとシフトチェンジしないかなぁとひそかに願っています。それが、私の考えているインクルーシブの第一歩かなと思っています。
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