なぜ医療機器ディーラーは期待するほど売ってくれないのか
医療業界で販売代理店と言えば「医療機器ディーラー」や「医療機器卸」といった会社を指します。医療機器メーカーが自社製品の売上を拡大する場合、販売代理店づくりを考えます。しかし、メーカーの多くは『期待通りに医療機器ディーラーが売ってくれない』といった悩みを抱えています。それはなぜでしょうか?本記事では、その理由と解決方法を解説します。
ぜひ最後までお読みください。
医療機器ディーラー・卸の特性
医療機器ディーラーは地域ごとに強い企業があります。いわゆる〝地場〟のディーラーです。その地域に行かないとお目にかかることが無いため、意外に名前が知られていない優良企業があります。ディーラーごとに関係の深い病院や診療所があり、地域のディーラー同士でしのぎを削っているといったイメージです。一口にディーラーと言っても、会社それぞれの風土や文化、人員体制、営業方針が異なるため、会社名だけで決めつけることなく広く製品を紹介していくことが重要です。
販売チャネル戦略をどのように考えるか
メーカーは、より少ない人員でより多くの医療機関から受注したいと考えます。
直販を増やすよりも販売代理店を全国に網掛けする方法が目指すべき形になります。
販売チャネル戦略は大きく2つあります。1つは全国のどのディーラーにもメーカーから直接卸すという戦略です。もう1つは、地域ブロック別に一次卸を決め、そのほかのディーラーは二次卸にするという戦略です。それぞれの戦略に一長一短がありますので、ここは慎重に決めましょう。
エンドユーザーである医療機関から非常に求められている商品力が高い製品の場合、販売代理店の力に頼る必要がないためどこにでも同じ卸値で提供することができます。一方、商品力が低いまたは知名度が低い製品の場合は、販売代理店の営業担当者に積極的な営業活動を求めることになります。そのため、一次卸、二次卸の制度をひいて、一次卸が頑張って営業を進めるインセンティブを作るなどの検討が必要になります。
売れない理由
しかし、前述のような販売代理店制度を形だけ作っても医療機器ディーラーはメーカーが思うようには動いてくれません。
それには理由があります。
まず、医療機器ディーラーはそもそも、多種多様な製品を扱っています。そのため、あなたの製品を特別扱いできる余裕はないというのです。日々、ルート営業で走り回っているなかで、あなたの会社の製品だけを売り込むための時間を確保するのが難しい状況にあります。ディーラーの営業担当者の気持ちを考える必要があるということです。
さらに、あなたの製品を売ったとしても社内評価が上がらなければ特別に取り組む意味がないということもあります。
従って、メーカーサイドの考えだけを押し付けるような進め方では協力を得られないのです。もし、販売代理店が積極的に営業してくれないと感じたら、ディーラーとの関係性を構築するためにメーカー側もディーラーのことを知る必要があるでしょう。
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医療機器ディーラーに売ってもらうためには
医療機器ディーラーに売ってもらうためには、以下の3点を意識しながら進めていくのが良いでしょう。
1.主従関係ではないことを理解する
販売代理店はビジネスパートナーです。決してあなたの兵隊ではありません。パートナーというのは対等な仲間を意味します。医療機器ディーラー各会社の方針や営業担当者の実態を理解することから始めましょう。もちろん、メーカーとしてどのように推進していきたいか協業提案書の持参は必要です。各会社と2人3脚で進めていくイメージを持つことがパートナーになる秘訣です。
2.ビジョンを共有する
あなたの会社と一緒に取組む目的・目標を共有することが大切です。お互いに「何がやりたいのかわからない」といった関係性では事業はうまくいきません。あなたのビジョンを示し、すり合わせるための協議を丁寧に重ねることで共有することができます。一回の協議でビジョンを共有するだけでは短期的なお付き合いで終わってしまうことでしょう。
3.惜しみない情報共有
実際に動いてくださるディーラーの営業担当者を大切にしましょう。ターゲットとなる医療機関、部署、医師、看護師は誰になるか。製品の情報、よくある質問への回答例、営業サポートデスクの用意や勉強会の実施。同行営業によるOJT計画など、目標達成に向け継続した丁寧なコミュニケーションが必要です。
まとめ
販売チャネル戦略として、全国に販売代理店網を構築するのは有用。
ただし、医療機器ディーラーは多種多様な製品を扱うため、あなたの製品を特別扱いできる余裕はない。
メーカーの考えを押し付けるような進め方では協力を得られない。
したがって、ディーラーとの関係性を構築するためにはメーカー側もディーラーのことを知り、ビジネスパートナーとして関係構築が必要。
いかがだったでしょうか。本記事では、なぜ医療機器ディーラーは期待するほど売ってくれないのか、売ってもらうためにはどのようにすればよいのかを解説しました。
メーカーがどのような営業戦略を描くかは、事業で成果を上げるために非常に重要な要素です。また、日々の営業活動によって得られたデータを分析・改善することはメーカーの重要な仕事です。しかし、戦略を描いても行動しなければ成果を上げることはできません。
いま、多くのメーカーでは営業人員不足のため、行動量が不足していることに課題があるようです。特に新規開拓営業で必要となる〝テレアポ業務〟は一番、アウトソーシングしやすい分野です。自社の人材だけではリソースが不足しているなと感じたら、ぜひ一度当社にご相談してみてください。